150年を超える、長い歴史を誇るメジャーリーグ。近年、新たな風が吹き始めています。その一つが、昨シーズン誕生したメジャー初の女性審判。まさに歴史が動いた瞬間でした。実は今メジャーリーグで、女性が活躍の場を広げています。
“メジャーの歴史を変える”女性たち
ケージの裏から鋭い視線を送る、一人の女性。ダイヤモンドバックスマイナーのロニー・ガジョウニクコーチ(32)です。
マイナーのHigh-Aで初の女性監督を務め、今年のキャンプはメジャーで指導も行いました。
「安定した成績を残せればより高いレベルに進むことができ、そこで結果を出せれば自信が深まります。彼らの成長をサポートし、シーズンを重ねるごとにどう成長するのかを見守ることにやりがいを感じます」
現役時代は女子野球アメリカ代表として活躍。その後、大学でのコーチ経験を買われ、ダイヤモンドバックスから声がかかりました。
彼女の指導でメジャーへと羽ばたいた選手もいます。
昨季メジャーデビュー7HR
ティム・タワ選手(27)
「今自分がメジャーでプレーできているのは、ガジョウニクコーチのおかげです。野球の考え方、目的意識を持つことの大切さ、準備の仕方まですべてを教えてくれました。女性コーチは初めてでしたが、野球をよく知る他のコーチと全く違いを感じませんでした」
ガジョウニクコーチ
「女性に野球を教えているのは男性ばかりですが、私のような立場の女性が増えれば、より多くの女性が続こうとするでしょう。熱心に働き、情熱を持ち続けていれば、どんなことでも実現できます」
指導者に球団運営も
100年以上の歴史を誇るオリオールズにも、重要なポストを担う2人の女性がいます。
その一人がビジネス部門のトップ、ケイティ・グリッグスさん(43)です。
「マーケティング、TVネットワーク、あらゆる物販。そして人事、財務、法務、情報システムも管轄です。ファンと選手にとって有益なビジネスを目指しています。人々の笑顔を見ることが私の喜びです」
数々のスポーツビジネスに携わってきたグリッグスさん。前職のマリナーズでは女性で初めて、メジャー球団のビジネス部門のトップに就任しました。
2023年シアトルでのオールスターでは、公共市場(パイク・プレイス・マーケット)でレッドカーペットショーを行うなど、ファンに喜ばれる取り組みをしてきました。
約36億円を投じて、今年オープンしたキャンプ施設。ここにもファンのためのアイデアが詰まっています。
「今年からファンが入れるエリアを拡大し、ウォーミングアップの様子をのぞけるようになりました。選手たちが練習に臨む様子はファンにとって貴重です」
ファンと選手の動線を変えて、今までよりも近い距離でコミュニケーションを取れるようにしました。
広がる活躍の場
そしてグリッグスさんとともにオリオールズを支えるのが、GM補佐のイブ・ローゼンバウムさん(36)です。
「メジャー昇格、マイナー降格や負傷者リストの管理、リハビリの日程を調整するなど、シーズン中はほぼ毎日試合があるので、日々駆け回っています」
元々、大のオリオールズファンとして育ったローゼンバウムさん。
MLB機構でのインターンや、アストロズでは国際スカウトを経験し、7年前、オリオールズに入団しました。
2023年には強豪ぞろいのア・リーグ東地区で優勝するなど、若手のスター選手たちを見いだしてきました。
かつては男性中心だったメジャーリーグの球団運営。2人はその実力で新たな歴史を刻んでいます。
ローゼンバウムさん
「自分がいかにチームの役に立てるかを意識しています。やるべきことをやり遂げることが大事。性別は無関係です」
グリッグスさん
「マリナーズで最高経営責任者を任された時、MLBで女性の球団幹部は一人もいませんでした。今やMLB球団の女性幹部は私一人ではありません。今後どこかの球団で女性に同じチャンスが巡ってきたら、性別を理由に自分の能力を疑ったりしないことを願っています。怖がらずにチャレンジしてもらいたいです」
家族のサポートも
ヒロド歩美キャスター
「戦力として評価されているというところで、グリッグスさんはお子さん2人を育てながら家族のサポートを得ながら活躍しているということです」
大越健介キャスター
「ビジネス分野でも、そしてフィールドでもリーダー格で女性が登場してきている。新しいポテンシャルを引き上げてくれそうですね」
(2026年5月28日放送分より)
