
これまでクマが現れなかった市街地で、人が被害に遭うケースが増えています。大きく変化を遂げたクマの生態、そこには「行動範囲」が関係していました。
同一個体か?月に5回も
番組の取材班は、連日クマが出没している秋田県大館市へ。
住宅近くに設置された防犯カメラが捉えたのは、画面左上の道路を歩くクマです。17日の午前10時前に出没し、近くには小学校もあります。この9日前の8日にも同じ場所で午前7時ごろ、クマが現れていました。
クマの体を比べてみます。映像では、同じくらいの大きさに見えます。同一の個体なのでしょうか。
さらに、その5日前には、別のカメラにもクマの姿が。土地の所有者によりますと、先月の下旬からひと月ほどで、5回もクマが映っていたといいます。
奥には建物も見える中、クマが縦横無尽に歩いていきます。人に慣れたクマなのでしょうか、住宅地がすぐ近くにあるにもかかわらず、悠々と歩いているのが分かります。
住宅近くの畑にも、クマとみられる痕跡が残っていました。
近隣住民は、日常生活でクマと遭遇することを警戒しています。
近隣住民
「この近くに栗の木があった。今は(木を)倒したと思うが、ここから足跡が」
近隣住民
「祖父がまき割りにアスパラ畑の奥側に行った時に、足跡ぽいのを見つけて。私が呼ばれ、見に行ったら『クマっぽいな』と思い、写真を撮って通報した」
「小学生も多かったので危ないと思い。実際にけが人が出ているので、注意していきたい」
警戒!人を恐れないクマ
人への警戒心が薄いクマが、去年から人里に姿を現していました。
先ほどの防犯カメラが捉えたのは、2頭のクマです。この後、防犯用の警告音が鳴り響きますが、クマは気にする様子もなく地面に顔を近づけ、エサを探しているように見えます。
再び音が鳴ると、1頭は木にのぼっていきます。そして音が鳴りやむと木から下りてきて、ゆっくりとした足取りで去っていきました。
このように人里の近くで育ったクマは、「特に注意が必要」だと専門家は警鐘を鳴らしています。
クマの生態に詳しい
兵庫県立大学 高木俊准教授
「人里近くで生まれたクマは基本的に人をそこまで恐れないで、そのまま育っている可能性がある。人の近くに出てくるリスクはあると考えられる」
男性が語る“緊迫の瞬間”
秋田市では今月2日、70代の女性がクマに襲われ亡くなりました。(※クマは駆除)
付近では数日前から、ごみをあさるクマが目撃されていました。その6日後、同じ地域で別のクマと遭遇した88歳の男性は…。
自宅でクマと遭遇 88歳
「これ(シャベル)持って、こうやった。当たって、ゴンという音がした」
体長1メートルほどのクマと、シャベルで戦ったといいます。
「スコップを持って放った。そしたら頭に当たった。逃げるかなと思ったら、違う。こっちに向かって歩いてきた。怖かった」
クマに鶏小屋の網を壊され、鶏を9羽食べられてしまいます。その後、駆け付けた猟友会が、鶏小屋から出てきたクマを銃で駆除したといいます。
「鉄砲を持った猟師が2人来た。鉄砲の音がした。ドーンと」
広がるクマの行動範囲
全国各地でこれまで出没が少なかった場所にも今、クマが次々と現れています。
高木准教授
「今の時期は若いクマが行動圏を拡大する時期。その過程でいろいろな所で出没・目撃情報が寄せられている」
兵庫県では今月11日、神戸市で初めてクマの姿が確認されています。県内の出没エリアも、この10年ほどで変化が。
高木准教授
「以前は北部の生息地周辺での出没が多かったが、ここ5年、10年の傾向では南部側の地域にも出没情報が出ている。南部のほうが里山、人里に近い山が広がっている。個体数が少なかったころに比べると、今は繁殖も良好と考えられていて、若いクマも人里周辺で捕まることも増えている傾向」
(2026年6月23日放送分より)
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