国旗損壊罪めぐり専門家の意見に“差” 「ヤジの範囲内」「バツ印は最高裁判事の国民審査でも使われる」「速やかに対応できるように法律を制定していただきたい」

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【映像】3メートル以上の日本国旗に「大きなバツ印」

 25日、衆議院内閣委員会において、参政党の川裕一郎議員が国旗損壊罪について参考人に質問した。国旗への敬意と言論の自由をどのように両立させるかをテーマに、4人の参考人がそれぞれの見解を述べ、意見の差が示される形となった。

【映像】3メートル以上の日本国旗に「大きなバツ印」

 川議員は、参政党がこれまで法案提出や地方議会での意見書提出を通じてこの課題に取り組んできたことを説明し、「今回、4党共同提出という形で前進したことは非常に意義のあることだ」と評価。一方で、「本来であれば、国旗を故意に傷つけたりする行為、こういうものに対して処罰する法律を立法府がわざわざ作らなくてはいけないことに非常に悲しい思いをしております」と述べた。その上で、昨年の夏の参議院選挙において、参政党の街頭演説の場で、3メートル以上の日本国旗に大きなバツ印をつけ、長い竿で掲げながら罵声を浴びせられる行為が17日間続いたという具体的な事例を挙げ、「日本の国旗に対してここまでするのかという強いショックと怒りを感じておりました。それを見ている子どもたちや若い世代が日本という国をどう受け止めようとするのか、非常に深い不安も覚えました」と語った。その後、このような行為が政治的な批判表現として憲法が認める範囲なのか、それとも日本国に対する侮辱として一定の法的な線引きが必要な行為なのか、4人の参考人に問いかけた。

 最初に答弁に立った日本大学名誉教授の百地章氏は、令和7年に起きたという参政党の事例について「私も非常に残念、悲しく思っております」と言及。「あのような行為は当然表現の自由を超えるものであって、まさに侮辱罪に当たるようなものであると考えております」とし、自己の所有物には適用されない器物損壊罪では対処できない事例であると指摘し、「速やかにこういった場合に対応できるように法律を制定していただきたい」と求めた。

 続いて、山学院大学副学長・法学部教授の江藤隆之氏は、「個人的には日の丸にバツ印が掲げられてるものを目の前に出されると非常に心が痛みます」としつつも、「これを刑罰によって抑制すべきかどうかという問題はまた別の問題」と主張。「選挙演説のところに反対の方が自己所有の日の丸にバツ印を掲げても処罰するという趣旨の法律案なのであれば、それは相当に憲法違反の疑いが高いだろう」と懸念を示し、日の丸へのバツ印については「刑罰によるべきところまでは行っていない」との見解を示した。

 中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也氏は、「政治活動の自由というものは当然に保障されなければいけない」とした上で、選挙中であったという文脈をどう見るかが大きな問題だと指摘。さらに、地域社会における外国人とのトラブルを例に挙げ、「外国人の方々とかそれを支援する方々とかがそのまさに同じような国旗を掲げて日本人に対して、日本人の発言に対するヘイトを行う行為に対してはやはり処罰の可能性が出てくる」と言及し、「どういう局面でその行為が行われているかによってだいぶ結論は違ってくるのでは」と述べた。

 武蔵野美術大学造形学部教授で学長補佐の志田陽子氏は、「見苦しい表現として説得する材料にはなるが、やめさせることを刑罰によって強制するところまではできない」と江藤氏と同様の立場をとった。さらに「バツ印自体は、一般には、『私は賛同いたしません』といったような『ダメ出し表現』として一般に使われるもの」と説明。「最高裁判事の国民審査も最高裁判事の名前の上に、『この人は罷免をしてほしい』と思ったら国民がバツ印をつけることができる。これは正式に認められている行為です」と例示し、バツ印一般を侮辱表現と捉えることはできず、政治的な意思表示の表現として憲法の保護を受ける可能性を指摘した。また、実力を持った選挙妨害であればその筋で扱うべきだが、そこに至らないものはヤジの範囲内であり、北海道警ヤジ排除事件の最高裁判決の論理(排除すべきでない)に従うべきだとした。

 その後、百地氏が補足として立ち、「この法律では公然と毀損する、破壊するということが問題になっておりますから、具体的に言うと、自ら旗にバツ印をつける、これ自体は許されないと思いますけれども、それはそれとして、これを“持ち込んだ場合”は公然と公衆の前で破壊したものには当たらないだろう」と解説。映像制作などの段階についても触れ、「『公然と』ということによって、そういう段階においてきちんと整理することによって、この厳格な適用・運用というのが可能になる」と付け加えた。

 これを受けて川議員は、「例えば自宅で国旗にバツをつけて持ってきて振り回してもこれは対象外ということで、『公然と』ということなので、人前で実際にバッテンをつけてまた燃やしたりということが対象になります」と法案の解釈を確認。その上で、参政党が要望して附則に追加された事項として、自宅で損壊したものを外に持ち出して大衆の前で陳列する行為についての検討に言及し、「自宅であろうが国旗を損壊して、そして大衆の前でそういうものを陳列していくのはやっぱり問題であろうと思っています」として、百地氏に再度の見解を求めた。

 百地氏は「かなり難しい問題だろうと思いますが、一応、『公然と』という言葉を普通の日本語の常識として考えるならば、『大衆の前で公然と』という、そういう趣旨に取れます」と回答。しかし、「法律全体を見ますと『行為の外形』とか『周囲の状況その他客観的な事情』ということで、そのバツ印をつけた国旗を掲げるために、そっと隠れてやったとしても、一連の行為として見れば、そういったことは果たしてどうなんだろうかと。単に公然と、もう1人で公然じゃないからいいんだとも言い切れないような気もします」と難しさを指摘し、「総合的に、しかし一方で表現の自由は侵害にならないと、この辺のバランスを考えながら、対応するしかないかなと考えております」と述べた。

 川議員は「時間になりましたので、これで終わります」と述べ、質問を終了した。

ABEMA NEWS)
 

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