6月12日(日本時間)に開幕したFIFAワールドカップ2026北中米大会。
日本代表はグループステージF組2位で、26日に第3戦スウェーデン戦を迎える。
自力での決勝トーナメント進出がかかる一戦で注目されるのが田中碧選手(27)だ。
前回の2022年カタール大会では“三笘の1ミリ”でゴールを決めた田中だが、今大会では自身が試合中に着用する特注のすね当てに能登復興への思いを込めて戦っている。
被災地で出会った「輪島塗」
2024年1月に発生した能登半島地震。
田中は震災後、2024年シーズンオフから被災地である石川県輪島市で復興支援活動を行っている。
活動を続ける中で出会ったのが、日本を代表する漆器「輪島塗」を手がける田谷漆器店だった。
200年以上の歴史を持つ田谷漆器店は、地震により工場や事務所が全壊。無事だった品物は廃校となった小学校で保管されており、その搬出作業を田中も手伝った。
この出会いをきっかけに、田中は自身が着用するすね当ての製作を田谷漆器店に依頼した。
デザインの打ち合わせでは、代表の田谷昴大さんから「輪島塗風にアレンジした八咫烏(やたがらす)、それか不死鳥の火の鳥がいいかな」と提案。
田中も「かっこいいかもしれないですね!」と賛同した。
打ち合わせの結果、不死鳥と日本サッカー協会のシンボルである八咫烏を組み合わせたデザインに決定。“どんなときでも高く飛べるように”との願いが込められた。
田中は「いろんな思いを背負って戦っているので、自分のできることをやろう、ベストを尽くすだけ。結果で恩返しができれば」と意気込みを語った。
「(子どもたちから)逆に自分もパワーをもらった」
田中が復興支援活動に力を入れる背景には、東日本大震災の経験があった。
田中碧選手(27)
「川崎フロンターレ(ユース時代)でプレーしていたときに2011年3月に東日本大震災が起きて、クラブが取り組んでいた復興支援活動を見ていた。僕もプロになったときに(復興支援活動に)参加させてもらって、すごく良い関係だなと思った」
「日本代表の試合があった期間に能登半島地震が起きて、自分が日本に帰国したときに何かできることがあれば一緒にしたいなと思っていた」と復興支援活動への思いを語った
2024年から被災地(石川・輪島市)でサッカーサークルなどを開催し、小中学生と交流した。
田中碧選手(27)
「(子どもたちが)いろんなことが起きても前向きに元気にサッカーをして、笑顔でいてくれるのを見て、逆に自分もパワーをもらった。もっと頑張らなきゃいけないと思った」
「彼らには彼らにしか分からないものがあると思う。一緒にそばにいられたら。
(今後の復興支援活動としては)日本で試合をするときに招待したいなと思う。新しいことができたらいいなと思います」
“世界に一つだけのすね当て”と共に戦う
ワールドカップ期間中のインタビューで、完成した“世界に一つだけのすね当て”への思いも明かした。
田中碧選手(27)
「製作過程についていろいろ聞いていて、すごく難しかったり、重くなったりと、自分のことを考えて作ってくれたと聞いていた。実際に出来上がりを見たときは本当にうれしかったですし、こんなにきれいなんだと驚きました」
「日本を代表して戦っている以上、日本人としての誇りもありますし、日本っていいところだなって思います。
僕らはサッカー選手で結果が大事なので、結果を出さなきゃいけないですし、結果で恩返しできればいいかなと思います」
田中は被災地の思いも胸に、26日のスウェーデン戦、そしてその先に待つ決勝トーナメントへ挑む。

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