
皇族数確保を巡る政府案が、各党が集まる全体会議で示されました。政府案から見える「狙い」を政治部記者が解説します。
皇族数確保 政府案の狙いは
25日午後に政府は、与野党の代表者が集まる全体会議で皇室典範の改正に関する要綱を提示し、それぞれの意見を聞きました。明らかになった中身は、再び議論を呼びそうです。
女性皇族については、皇室典範の12条を改正し、皇族以外の男子と婚姻をした場合、結婚後も皇族の身分を離れないとしました。また、結婚時には皇室会議で議論することが新たに追加されました。現在皇室にいる愛子さまや佳子さまをはじめとする女性皇族は、意思によって皇族の身分を離れることができるとされました。
今回、政府の要綱には、結婚後の女性皇族の配偶者や子どもの身分については記載されませんでした。
ANNの世論調査では、女性皇族が結婚したあとも皇室に残る案は7割が賛成する一方、男系男子を養子とする案は賛成が45%でした。
養子案は、議論の中でもさまざまな意見が出ています。
政治部 奥住憲史記者
「養子制度は世論の理解が十分に広がっているとは言えない。一部野党からは、これまで民間人として生活してきた旧11宮家の出身者が、養子縁組によって突然、皇族になることへの違和感を指摘する声があり、さらに将来、その子や孫が『日本国の象徴』である天皇となる可能性がある制度を国民がどう受け止めるのか、慎重な議論が必要だという意見もあります。こうした点が、養子制度への賛否が分かれる背景にあるとみられます」
「30年後」に見直し規定も
こうした意見を踏まえた要綱になっているのでしょうか。
皇室典範の9条では、天皇や皇族に養子を認めていません。今回この9条は変えず、例外的に旧宮家から妻や子どもがいない15歳以上の男子の養子を認めるという新章を付け足しました。「例外」という文言を加えています。
「政府は今回の制度設計でさまざまな立場に配慮した跡がうかがえる。養子制度は、皇族の養子を禁じる現在の規定は維持したまま、『例外』として旧11宮家の男系男子に限って認める形としました。骨子段階にはなかった『例外』という文言を要綱であえて加えたのは、あくまで限定的な措置だという姿勢を明確にするためとみられます。野党側はかねてより『限定的な制度だと明確にすべきだ』と指摘していて、政府としてもそうした声に一定の配慮を示した形と言えそうです」
要綱では養子本人は、皇位継承資格を有しないこと、養子を取ることができるのは、親王、親王妃、内親王、そして天皇のひ孫以降である王、王妃および女王とし、皇嗣や皇嗣妃をのぞきました。
また最後に、皇族の数に応じ、必要があると認められる時は30年ごとに見直すとしています。
「自民党内には、養子本人には皇位継承資格はないものの、その子どもには皇位継承資格が及ぶという考え方があり、要綱にもそうした考え方がにじんでいると受け止める向きもあります。その一方で、今回の制度には30年後の見直し規定も設けられました。将来、皇室を取り巻く状況がどうなっているかを踏まえ、その時点で改めて制度を見直す余地を残した形です。政府としては、男系男子による皇位継承を重視する考え方にも配慮しながら、一方で将来の選択肢を完全に閉ざさないという、双方の立場を意識した制度設計を目指したとも読むことができます」
政府は、今月末に閣議決定する方向で調整していて、今の国会での成立を目指しています。
(2026年6月25日放送分より)
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