本日2日、インドを訪問している高市総理はモディ首相と会談し、経済や防衛面の協力強化で一致した。高市総理のインド訪問に同行取材しているテレビ朝日政治部の飯田陸央記者が現地の様子や会談の内容、成果について解説した。
高市総理が滞在するニューデリーは気温が30度を超え、湿度が80%に達する蒸し暑さだ。街中には総理の写真入り巨大ポスターがずらりと掲出され、警察やインド軍による厳戒態勢の中、総理は歓迎式典を経て首脳会談に臨んだ。今回の訪問の主な目的は、急成長するインド市場を日本に取り込むことにあるという。さらに、米中対立が続く中でのインドとの関係性強化、重要鉱物の確保やエネルギー備蓄といった経済安全保障での連携強化、AI・IT人材の交流促進も大きな狙いとされている。
現在のインドは世界5位の経済規模を持ち、GDP成長率は6.5%と主要国で圧倒的だ。人口は約14.5億人(2024年時点)で中国を抜いて世界1位となり、巨大な成長市場として注目されている。特にIT人材が豊富で、歴史的なカースト制度の制約から外れて成功を掴める手段として若者から高い人気を集めている。外交面では、ロシアとの深い友好関係を維持する一方で、日米豪印の安全保障の枠組み「Quad(クアッド)」にも参加するなど、自国の実利を最優先する「全方位外交」を展開している。日本とはモディ首相就任以来、年1回のシャトル外交が定着しており、中国との対立という戦略的環境の類似からも、日本にとって不可欠なパートナーとなっている。
今回の首脳会談により、高市総理は「安全保障」「経済安全保障」「経済成長」の3つの柱で具体的な成果を収めた。安全保障面では自衛隊とインド軍の共同訓練や防衛装備品輸出の具体化に道筋をつけ、経済安全保障面では中国を念頭に半導体や重要鉱物分野の協力に関する共同宣言を発表した。経済成長の面では、150社以上の日本企業が参加する「日印経済フォーラム」が開催された。前首脳会談時に打ち出された「10年で10兆円」の日本からの民間投資を着実に推進することを確認したほか、インドが強みを持つAI分野での共同声明もまとめられた。
一方で、日本国内の国会では与野党の激しい対立が続いており、野党側は高市陣営の「中傷動画疑惑」を厳しく追及するため国会での出席と答弁を求めている。国会の承認を得ての公式出張であるものの、野党議員の一部からは「国外逃亡」といった批判の声も上がっており、帰国後も厳しい国会対応が迫られる見通しだ。
なお、現地での滞在にあたっては、日本政府側から「水道水はうがいも含めて絶対に使用せず、すべてミネラルウォーターを使用するように」との厳格な衛生上の注意が出されており、政府専用機に大量のミネラルウォーターを積み込んで現地入りしたという裏話も明かされた。また、ニューデリーの街中を走るタクシーの4割近くが日本の「スズキ」の自動車であり、日本企業の浸透ぶりがうかがえたという。高市総理は、明日、政府専用機で日本へ向けて帰国する予定となっている。
(ABEMA/ニュース企画)

