
富士山が山開きしてから初めての週末を迎えました。国の内外から多くの登山客が訪れる中、今「富士山の登る権利」に関する議論が過熱しています。
海外から“軽装登山客”も
東京からの登山客
「楽しみです」
「(Q.何が一番楽しみ?)ご来光」
去年から導入された「軽装の登山客の通行禁止」は今年も継続されています。
中国からの登山客
「(レインコートが)上しかありません」
職員
「上下ないといけません。向こうに売っています」
この3人は持っていた雨具が規定を満たしておらず、必要な装備をそろえるため、売店へ向かいました。
閉山期の登山を巡り議論
夏山シーズンでにぎわう富士山。その一方で、シーズン以外の登山を巡る議論が広がっています。
閉山期の富士山では滑落事故が相次いでいて、地元の市長らは、閉山期の登山を「禁止すべき」と主張しています。
これに対し、登山家で山岳カメラマンの鈴木岳美さん(31)は、閉山期の登山を一律禁止する動きに反対しています。
「『救助要請が多いから、もう禁止にします』と。もうすごくステップを飛び越えすぎている制度作りを今している状況。より段階的にもう少し細かい制度作りをする中で、これとこれとこれはやったけど、どうしてもダメだから禁止にします。だったら、我々みんな納得すると思う」
細かい制度作りをしてほしいという鈴木さん。その背景には、富士山が「誰でも気軽に登れる山」と受け止められすぎている現状があるためだといいます。
「富士山=初心者の誰でも登れる山になってしまっている。精細な制度作りを進めていただくことによって、今まできちんとルールを守って登山をしていた方を、文化を守っていきましょうというところ」
きめ細やかな制度作りを求め、鈴木さんが行っている署名活動では、徐々に賛同者が増え、現在6000を超えています。
静岡・富士宮市長の訴え
そして、反発の声は個人の登山家にとどまりません。
山岳安全対策ネットワーク協議会
「『一律禁止』という方向性は、日本の登山文化や個々人が適切な準備と責任のもと自然に挑戦する権利、自由を過度に制限するものになりかねません」(日本山岳会ホームページから)
今回の論争に火をつけたのは、静岡県富士宮市の須藤秀忠市長のこの発言でした。
「遭難しても助けてもらう時には、自分の費用負担がいらなくて済むなんていうこと自体が安易すぎる、考え方がずるいです」
須藤市長は、これまで「閉山期の登山を一律で禁止」と訴えてきました。
「富士山に限っての閉山中の登山は、ぜひやめてもらいたい。人道的に助けなきゃいけないという思いは分かりますけども、ルールを破って登ってしまうということ自体が、そうしたすべての原因を発生していることですから、私たちはそういうことないようにしてほしいなと思っている。周りの人に迷惑をかけないでほしい」
山梨・富士吉田市長の主張
また、これまで山梨県富士吉田市の堀内茂市長も、救助費用は遭難者自身が負担すべきと主張しています。
「趣味でまた道楽で登って、遭難した時にはスマホ一本で助けてください。助けに行く側は命がけ。救助にかかった費用、ヘリが出動した場合にはヘリの費用は、自己負担という形でやっていただければ幸い」
(2026年7月6日放送分より)
この記事の画像一覧
