隣接3県、東京一極集中に懸念 広がる行政サービスの格差 小池都知事は反発

隣接3県、東京一極集中に懸念 広がる行政サービスの格差 小池都知事は反発
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 東京都に隣接する3つの県の知事が、東京への一極集中で行政サービスの格差が広がっていると懸念を示している。一方、東京都の小池百合子知事は「財源の狙い撃ちだ」と反発を強めている。

【画像】都と隣接3県のサービス格差とは?

税収に大きな開き

 まずは、東京一極集中の実態をみていく。東京への集中は加速しているという

東京の人口 最多数を更新
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 去年の国勢調査の速報値では、日本の総人口が、前回調査の2020年と比べて約309万人減った一方で、東京都の人口は約19万9000人増えて1424万6000人となった。これは東京都の人口としては、統計開始以降最多の数を更新した。

 また、日本の大学生の約26%が東京の大学に通っている。

都の税収 7兆3856億円見込み
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 こうした中で東京都の税収も上がり続けている。今年度、都の税収は7兆3856億円と見込まれていて、全国1位の税収額となっている。

 税収額が全国2位の大阪府でも約1兆7000億円で、東京に隣接する神奈川県は1兆5000億円ほど、千葉県が1兆283億円、埼玉県は9052億円だ。神奈川、千葉、埼玉の3県の知事は「(サービスの格差について)看過できない水準」にきたと訴えている。

人材流出の懸念も

 では、東京都と隣接3県とのサービスの格差はどれくらいあるのか?

都と隣接3県のサービス格差とは?
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 まずは「保育料の無償化」についてみていく。国は3~5歳までの保育料を無償化しているが、東京都は0歳からすべての子どもの無償化を実現している。また都は、「18歳以下に月額5000円を支給する」独自の施策として「018サポート」というサービスを実施している。

 他にも都は「70歳以上向けのシルバーパス」として、所得制限はあるが1000円で都営の公共交通機関など乗り放題となる施策を実施中だ。隣接3県は県としてこうした施策はない。

 また、都は約800万世帯を対象に夏場の4カ月間「水道の基本料金を無償化」するが、千葉県は4カ月間水道料金を20%減額するという取り組みを行っている。

千葉県知事「東京都が吸い上げていく」
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 埼玉県の大野元裕知事は「都と同様のサービスを実施すれば基金が底をつき、2年目の財政が成り立たなくなる」と話している。神奈川県の黒岩祐治知事は「(子育て支援を)何とかしてくれと言われても、対応できないのが一番大きな問題」だとしている。

 さらに、人材流出の懸念もあるという。

 埼玉県では2023年10月からの1年間で、県内10市から転職した保育士のうち22%の人が都内の転職先を選んでいたという。都が保育士の給与に補助を出していることも影響したとみられている。

 千葉県の熊谷知事も「保育介護医療人材など各県が予算を注いで育ててきたものを、東京都が吸い上げていくような構図」だと不満を示している。

地方交付税で格差を是正?

 こうした格差を解消するために「地方交付税」という制度がある。

税収を調整 地方交付税
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 都道府県ごとにばらつきがある税収を調整するために設けられたのが、地方交付税だ。国が行政サービスに必要な「標準的な経費額」を算出し、地方税の収入だけでは経費を確保できない自治体に対し、国からその不足分が「地方交付税」として交付するという制度だ。

 また、自治体はこの「標準的な経費額」とは別に、税収の一部を独自の施策などに充てる「留保財源」に回すことになっている。東京都はこの標準的な経費を自前の税収入でまかなえているため、47都道府県で唯一、地方交付税の交付を受けていない。

 では、他の自治体はどのくらいの額が交付されているのか?昨年度の交付額をみると、千葉県が2354億円、埼玉県は2815億円、神奈川県は1253億円となっている。

 独自の施策を実現するには、地方の税収そのものを増やす必要があるが、地方の税収入が増えたとしても、標準的な経費額に対して地方交付額が減ってしまうことになる。税収が増えても丸々使えるわけではないため、税収を増やそうというモチベーションにつながらないとの指摘もある。

都の“法人税収”が焦点に

 東京都と国の間で、法人税収入を巡る駆け引きが始まっている。

 東京都と他の自治体との税収格差で際立っているのが、「地方法人税」だという。大きく分けると2つあり、「地方法人事業税」と「地方法人住民税」だ。

東京都の税収入が減る可能性
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 大企業が集中している東京都では、今年度、この2つの法人税収が約2兆7000億円にも上っている。大阪府の約5965億円、愛知県の4314億円と比べても、ずば抜けて高くなっている。

 政府は税収格差を是正するために、2008年以降、企業が自治体に納める法人事業税の一部を国が吸い上げ、都道府県に再分配する仕組みなどを導入している。

 東京都によると、今年度の当初予算では地方に配分される都税が年間約1兆6000億円で、2008年からの累計額は約12兆6000億円にも上り、東京の税収が他の道府県にわたっているということになる。このことについて東京都は「東京から多く取って、他の自治体に多く分配される」と反発している。

 高市政権の「骨太の方針」の原案にも反映された、今年度の与党税制改正大綱には、東京などの地方法人事業税を地方に再配分する仕組みを拡充し、新たに東京23区の固定資産税の一部を地方に再配分する仕組みも検討することなどが盛り込まれている。いずれも東京都の税収入が減る可能性があるという。

 これらは来年度以降の税制改正大綱で結論を出すとしている。

東京都は国と直談判?

 こうした動きに対して東京都は、国との直談判を始めているという。

 今年4月、高市政権で初めて国と東京都で政策課題をすり合わせる「国と東京都の協議会」が行われた。

小池都知事は高市総理に提案
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 小池都知事は高市総理に「今後の発展を考えれば限られたパイを分けるシステムは成り立たない」として、地方税財政のあり方について構造から変えていくべきだと提案した。

 また、4月20日には、小池都知事が片山さつき財務大臣と面会し、「地方に配分された都の財源が何に使われているか実態が見えない」と、交付金の効果や用途について検証することを要求した。

(2026年7月6日放送分より)

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