臓器移植あっせんで1236万円受領か…男3人逮捕 違法な海外移植が絶えない背景

臓器移植あっせんで1236万円受領か…男3人逮捕 違法な海外移植が絶えない背景
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カンボジアでの臓器移植手術をあっせんし、対価として1236万円を受け取った疑いで、菊池仁達容疑者(66)ら男3人が逮捕されました。

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ほかに逮捕されたのは、一般社団法人『国際医療相談室』の代表理事・安藤貴樹容疑者(66)と、菊池容疑者の長男・菊池充容疑者(42)。

ターゲットは移植希望患者

菊池仁達容疑者
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藁にもすがる思いで、臓器移植を希望する患者がターゲットだったようです。

東京都内に住む70代の男性は、ホームページを見て、法人に問い合わせたそうです。

すると、このような説明があったといいます。

菊池仁達容疑者
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菊池容疑者
「カンボジアは、観光で知られる国ですが、移植を担当するのは、中国の経験豊富な医師団です」

70代の男性は、まず、大阪市の医療機関で血液検査などを実施しました。
医師は、男性の主治医でも、腎臓移植の専門医でもありませんでしたが、紹介状を作成。

菊池容疑者
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その紹介状は、菊池容疑者を通じて、カンボジアにいる現地のコーディネーターに送られ、医師団に渡されました。コーディネーターと医師団は中国人です。

菊池容疑者
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今年1月、男性は、菊池容疑者の息子に付き添われ、カンボジアへ。
臓器移植が行われたとされる病院。首都・プノンペンの中心部にあり、国防省が管轄する病院で、国内では規模の大きい設備の整った病院です。

病院
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男性に腎臓を提供したドナーは、カンボジア人の20代女性とみられます。男性は、菊池容疑者に渡した約1200万円とは別に、中国人のコーディネーターに約2450万円を支払いました。

病院に「腎臓を売ります」

実は、この病院、別の事件にも関わっていたとされています。

人身売買業者
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3年前、インドネシアで人身売買業者らが、120人以上の市民をカンボジアに送り込んだとして、逮捕されました。被害者のほとんどは、コロナ禍で職を失っていて、生活費を得るため、臓器の売却に同意せざるを得なかったといいます。

そのとき移植手術をしたとされるのが、この病院でした。

病院のクチコミを見ると。

インドからのクチコミ
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インドからのクチコミ
「先生、私は腎臓を売ります。ご連絡ください。インドにいます。お金が必要です」
インドネシアからのクチコミ
「ここで腎臓を売ることはできますか?どうすればいいのか教えてください」

菊池容疑者は過去にも…

臓器移植をめぐり、菊池容疑者が逮捕されたのは、今回が初めてではありません。

東京地裁
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3年前、東京地裁は、国の許可を得ずにベラルーシでの臓器移植をあっせんしたとして、懲役8カ月の実刑判決を言い渡します。最高裁への上告が棄却され、菊池容疑者は、今年1月に収監されていました。

菊池仁達容疑者
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つまり、それまでの間に、今回のあっせんを行っていたとみられます。

服役前、こんな動画を残していました。

菊池仁達容疑者
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菊池容疑者
「先ほど、渡航した方も、非常に慎重ですね。先週1月8日に手術した方も4人の方から話を聞いて、あー菊池さん、これで安心しました、事実がわかりましたということで、出発されてですね。もう間もなく帰国してきますけど、非常に体調いいです」

その人物は、今回の事件で移植手術を受けた人と、年や渡航時期が似通っていました。

かつて、腎臓移植を申し込んだ人に聞くと、相当、ずさんな運営だったそうです。

腎臓移植を申し込んだ人(2023年)
「ドクターは、トルコ人とインド人で、世界で有名なドクターと聞いていたが、実際、来たのはエジプト人。後で教えてもらったら、そこは泌尿器科と産婦人科だと」

当時、移植について説明を受けたときの音声データが残っていました。

菊池容疑者とされる音声
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菊池容疑者とされる音声
「この世界ね、グレーゾーンとか、秘密がいっぱいあるので、とにかく手術ができるまでは、オープンにしないでください。口が裂けても、生きている人からもらったと言ってほしくない」

今回、警視庁が送金などの履歴を調べたところ、移植手術をあっせんした対価は、前回の事件の弁護費用などの借金の返済に充てていたことがわかりました。

ただ、問題は、それだけ臓器移植を求めている人がいるということです。

70代の男性
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今回、移植を受けた70代の男性は、3年前の事件を知ったうえで、菊池容疑者に接触していました。
警視庁に対しても「ドナーが見つかりませんでした。違法だという認識はありました」と話しているといいます。

警視庁は、これまでに菊池容疑者らが、カンボジアでの臓器移植のあっせんの対価として、5人ほどから4500万円以上を受け取ったとみて、捜査を進めています。

違法な海外移植 絶えない背景

海外での移植手術がなくならない背景に何があるのでしょうか。

そもそも、今回のように営利を目的とする違法な海外での臓器移植手術は、国際的に厳しくなっています。

イスタンブール宣言
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2008年、国際移植学会で採択された『イスタンブール宣言』。臓器売買や他国で金銭を払っての臓器移植を禁止して、臓器移植は自国内で行うというルールを国際的に示しました。これによって、“経済的に弱い立場の人”が臓器移植手術を受けられない、お金を稼ぐために臓器提供に追い込まれるといった構造をなくすためにできたものです。

また、厚生労働省は、海外での違法な移植手術は、“医学的なリスク”も伴うと指摘しています。

臓器売買されての移植手術
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臓器売買されての移植手術は、手術後のさまざまな合併症のリスクや感染症にかかり、死亡するリスクが高いという報告が多くあります。

ただ、こうした医学的なリスクが高かったり、国際ルールが厳しくなっても、海外での違法な移植手術はなくなっていません。

アメリカのシンクタンクの報告書によりますと、年間推定で1万2000件もの違法な移植手術が行われ、臓器売買で年間約1300億円~2600億円の利益が生み出されているとみられています。臓器提供者は、南アジアや東南アジアなど25カ国。

海外での臓器移植
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◆今回、手術を受けた日本人男性も「違法だという認識はあった」といいますが、それでも海外で移植するのはなぜなのでしょうか。

日本国内の実態を見ると、“ドナー不足”が深刻です。臓器を提供してもらうための患者の待機年数を見ると、心臓が約3年半、肺は2年半、肝臓は約1年となるなか、腎臓は約15年と特に長いといいます。

患者の待機年数
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◆こうした状況について、日本移植学会の剣持敬副理事長に聞きました。

剣持理事長
「臓器提供したい人の意思がしっかり結びつくシステムが構築できれば、腎移植をはじめとした日本の臓器提供の数は、2~3倍に増やすことが可能。ただ、問題は、医療施設数や人材の不足。全国に10万カ所以上の医療施設があるなかで、脳死での臓器提供が可能な医療施設は、約900カ所で、実際に稼働するのは400程度。また、移植医や患者とドナーをつなぐコーディネーターなど人材も少ない。一方で日本の医師の手術の技術は世界トップレベルなので、臓器提供したい人の意志をきちんと行使でき、患者に移植され、命を救うまでが完結できる国にしなければいけない」

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