
東京でもクマによる被害が相次ぐなか、都は、およそ20年ぶりとなる「クマの狩猟解禁」を検討しています。その「効果」と「課題」を検証します。(サタデーステーション7月11日OA)
約20年ぶりに東京でクマ狩猟解禁へ
春にくらべてエサが少なくなるこの時期。一般的にクマの活動域が広がるといわれています。7日、東京・檜原村で「子グマに襲われて滑落した人がいる」と110番通報があり、56歳の男性が顔をケガするなどの被害が出ています。
出没が相次いでいる、東京のクマ。都とその周辺では、今年に入り、クマの目撃や痕跡の情報は80件以上にのぼります。
今、東京の山で、いったい何が起きているのか。サタデーステーションが話を聞いたのは、都内での狩猟経験もある荒井さん。
都内で有害鳥獣駆除経験 サバイバル専門家 荒井裕介さん
「(狩猟中に)すぐ上に上がっていく熊のお尻を見たことがあります」
都内に生息するツキノワグマは、最大378頭と推定されています。この状況を受けて都が検討しているのが、「クマの狩猟を解禁」する案です。2008年までは認められていた東京でのクマの狩猟。個体数の減少などによって絶滅の危機が増大。保護の観点から狩猟は禁止されました。
ハンター取材で見えた「クマ狩猟解禁」効果と課題
東京でクマの狩猟が解禁されればおよそ20年ぶり。取材から“課題”もみえてきました。
都内で有害鳥獣駆除経験 サバイバル専門家 荒井裕介さん
「撃てるようになったっていうところでは、安心は安心なんでしょうけど。今、実際に山に入って獲れる人ってなると、だいぶ少ないでしょうねかつて経験があるご年配の方とかが多いと思うので、若い方にそれを指南してくださるように、お願いしていかないといけないと思うので」
課題の1つが、担い手不足。都内では現在、クマの狩猟のために銃を扱える登録数は、270件ほど。その上、シカやイノシシの狩猟に比べ大きなリスクも伴います。
都内で有害鳥獣駆除経験 サバイバル専門家 荒井裕介さん
「反撃されて 襲われちゃった猟師もいるんですね。クマ撃ち慣れてる方でも、うまく追えないと、致命傷じゃなかった場合反撃されるリスクがかなりあるんですよ」
そして、“東京”ならではの難しさも。
都内で有害鳥獣駆除経験 サバイバル専門家 荒井裕介さん
「比較的東京の山って登山道が多かったりとか、山間部でもしっかりとしたバスのルートができてたりするので、そっちに背中を向けた状態で、獲物が取れる場所っていうのを探していくっていう準備段階が結構大変なんですよね。多いと3日、4日かけてやることにはなる」
プレッシャー与えクマとの距離感改善へ?
一方で、駆除する、しない、に関わらず、“狩猟の解禁”自体に大きな意味があるとの指摘も。
東京農工大学 稲垣亜希乃 特任助教
「ここから徒歩5分くらいのところにはなるんですけれども、ちょっとけもの道を歩いていくような形になります」
クマなどの野生動物の調査を行う東京農工大の稲垣特任助教。自身もハンターの資格を所持して活動しています。
東京農工大学 稲垣亜希乃 特任助教
「一定の期間だけでも(クマに)プレッシャーを与えることである程度、人とクマの距離感の改善に繋がる可能性は少しある」
ハンターが山に入り、“狩猟圧”をかけることで、それ自体がゾーニングの効果を発揮し、生活圏での被害を減らすことにつながるといいます。
東京農工大学 稲垣亜希乃 特任助教
「クマはそんなに鹿のように どんどん繁殖して どんどん数が増えていくような 生き物ではないので(問題の個体を)いかに確実に駆除していくのかということが別軸で重要になってくるのかな」
