
猛暑日が相次ぐなか、救急隊員からのSOSです。今、救急隊員を悩ませているのが助けに向かったはずの「けが人」からのハラスメントです。現場で何が起こっているのか取材しました。
「殺すぞ」隊員へのカスハラ増
13日、大分県日田市では最高気温37.3℃を記録。西日本では猛暑日が続出しました。
救急車の出動が増える夏…埼玉県久喜市では、13日も出動の要請が相次ぎました。
久喜消防署 野村篤司消防司令
「7月8月を迎えて熱中症が増え救急要請も増加している。全台(18台)が出動する時期・時間帯も少なくない」
ただ、今、救急隊が警戒しているのは暑さだけではありません。
「暴行・暴言は決して許されるものではありません。他人事(ひとごと)ではないと受け止めている」
「他人事ではない」と話すのが、「救急隊員に対する暴行」を知らせる東京消防庁の投稿です。
隊員
「胸を強く押します」
すると突然、寝ていた傷病者が激高。隊員を追いかけ回して、殴りかかります。この時、男はこんな言葉を発しました。
傷病者
「殺すぞ。ナイフで刺すぞ。街を歩けなくさせるぞ」
ヘルメットには血痕が付着し、メガネも破損。
東京消防庁では、こうした「救急隊への妨害行為」が、年々増加。5年間で107件を数え、今年度もすでに昨年を上回るペースで発生しています。
“現役”隊員が明かす実態
勤務地を伏せることを条件に、“現役”の隊員が実態を明かしてくれました。
“現役”の救急隊長
「“あるある”と言ってはいけないが、私も似たような現場に遭遇した」
3人1組の救急隊で、現在、隊長を務める男性は、「繁華街」への出動で、「胸ぐらをつかまれる」「唾をかけられる」など、似た事例をたびたび経験しています。
「自分は(救急車を)呼んでいないのに救急隊員がしつこく起こすものですから、それでおそらく激高する」
背景にあるのは、酒に酔うことで起きる“すれ違い”だといいます。
「多くは通行人とか友人が救急要請をして、確かに本人(傷病者)としては『救急車は呼んでいない』印象で、私たちにそういった対応をとると思う」
さらに、繁華街では、女性隊員が意図的に触られるなど、セクハラを受け警察を呼んだ悪質なケースもあるそうです。
カスハラ被害激白
ただ、過去に経験した“カスハラ”のエピソードは、必ずしも酔った状態とは限りません。
「救急車を頻回に(何回も)呼ぶ人がいて、態度も“粗暴”で受け入れ先がない事案があった。しびれを切らした患者から『無能だね』『バカじゃないの?』」
隊員に“言葉の暴力”続けたのは、救急車を「頻回利用」する60代くらいの女性でした。それでも、救急隊長は…。
「隊の士気に関わってくるが、一番怖いのが『トラブルを起こす人だ』と印象を持ったまま接触することで、本当の病気を見逃すのが一番いけないこと」
その他にも、「サイレンがうるさい」「赤い光がまぶしい」「道を譲ったのにお礼も言わない」挙句の果てには、コンビニで飲み物を買うだけでクレームを受けることもあるそうです。
救急隊への“カスハラ”は、隊員を疲弊させるだけでなく…。
「警察からの事情聴取や所属への報告書の作成で、(カスハラがあると)もろもろの事情で救急隊がしばらくの間出動できなくなる」
東京消防庁の事例では、当該の救急隊が5時間足止め、さらに追加で2隊の出動を余儀なくされました。東京消防庁は、法的措置も辞さず対応していくとしています。
(2026年7月13日放送分より)
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