
岩手・雫石町でクマの被害が止まりません。住宅の冷蔵庫を壊して食品を荒らしたり、別の住宅の庭先でも鍋の中を物色したようです。実はどちらの現場も今回が初めてではありません。繰り返しクマが侵入していて、人の食べ物、特に甘いものに味を占めた恐れがあります。
4度クマに襲われた家も
防災無線
「町役場農林課からクマの注意情報をお知らせします。住居に侵入する事案が発生しています」
岩手・雫石町。いつまで続くか分からない被害に、不安はピークに達しています。
クマ被害に遭った 松原勇太さん
(Q.縁の部分がなくなってますね。いつごろ気付いた)
「これに気づいたのは朝方なんですけど、物音自体は午前1時40分~2時くらいに1回はしてた。いや~本当やばいですね」

玄関の枠はえぐりとられ、ガラスにも無数の跡が残されていました。実はこの家、5日前にもクマが現れていました。今回のクマは14日未明にかけて、しつこく同じ家を襲っていたのです。これで4度目。庭にまいていたのは、トウガラシなどを混ぜた手作りの“クマよけ”。できる自衛策にも限界があります。
クマ被害に遭った松原勇太さん
(Q.穴が開いてますね)
「昨日まで開いていなかったんですけど」
農業用ハウスの穴を覗くと肥料が置いてあります。ただ、クマの目当てはこれではなかったようです。

クマ被害に遭った 松原勇太さん
「キャットフードが残っていた。キャットフードを少し食べてから出て行った」
家の中に箱ワナ設置も…
クマの被害は絶えることなく。13日夜、クマはまたしても人のいる住宅を襲っていました。その場所は、松原さんの親戚が暮らす家でした。台所に侵入したクマは、冷蔵庫を壊して小麦粉や牛乳などを物色。しかもこの家、わずか1日の間に2度、クマが侵入していました。
クマ被害に遭った 松原勇太さん
「玄関から一度中に入って、また砂糖食べて。それを覚えていたみたいで、2回目来た時に玄関を開けようとしてガリガリしたみたい」

1回目は玄関から侵入、棚にあった砂糖を漁ったといいます。
クマ被害に遭った 松原勇太さん
「特に砂糖が気に入っているのか、粉ものの砂糖を探して。小麦粉があったみたいだが、砂糖とは違うということで(袋を)裂くだけで終わっている」
2回の侵入を受け、町は家の中に箱ワナを設置しました。松原さんも高齢の親族も不安が募る一方です。
クマ被害に遭った 松原勇太さん
「今日明日は夜8時くらいからでもいいから、公民館に避難したほうがいいかもしれない」
クマが自宅に侵入 松原さんの親戚
「ですね」

クマ被害に遭った 松原勇太さん
「お互いに気を付けながら」
クマが自宅に侵入 松原さんの親戚
「本当にありがとうね」
人間の食べ物に「かなり依存」
“甘いモノ”に対する異常なまでの執着。1週間ほど前に確認された和菓子工房の作業小屋ではドーナツが。その後、5回にわたり物色した家では、クッキーやカリントウ、そして砂糖も。松原さんの家ではペット用の粉ミルク。そして、今回被害に遭った家でも、選んだように砂糖の袋が狙われています。
この行動には、どんな意味があるのか。岩手大学の山内准教授はこう指摘します。

岩手大学農学部 山内貴義准教授
「クマは季節で一番おいしいものを大量に食べるサイクルで活動する。夏の時期は草や山菜より木の実、桜やイチゴの実など、甘い果実が山に元々あって。それを求めて移動し、大量に食べるが、人間の食品のほうが手っ取り早く、しかもおいしく栄養がとれる。かなり依存している状態で、こういった状態のクマになると通常の防御手段はほとんど効果がない」
