
歯科医の男に懲役4年6カ月の判決です。患者は「お金」だけでなく「健康な歯」も奪われたと被害を訴えていました。
【画像】「治療費を全額出すキャンペーンをやっている」“詐欺被害”も発覚
被害患者「お金も歯も返して」
被害を訴える人
「自分の歯が『がん』になってるという言い方をされて、半分パニックだし、 全部中途半端で(抜く歯は)4本って聞いてたのが、目が覚めたら1本増えて5本なくなっていた。お金もそうだし歯も返してほしい」
「歯を返して」と患者が訴えるなか“高額の治療”を担当した主治医は…。
主治医 (去年)
「話を今できる状態ではないので」
「察してくださいよ」
「困りますって。ちょっともう結構です」
被害者となったのは同じ歯科クリニックに通う、患者たちでした。
被害を訴える人
「『がんが早期発見されたと思ってもらえば』という言い方。『この歯の状態は今すぐ治療すればずっと健康でいられる』『もっと遅かったら大変なことになっていた』『今見つかってラッキー』みたいな言い方だった」
高橋仁一被告(59)が今回、裁判で問われているのは患者4人に対する詐欺の罪です。2020年から2021年にかけ、「治療費が返還される」などと嘘をつき、現金合わせて1800万円余りをだまし取ったとされています。
「全部嘘だったとは」
被害を訴える人
「まさか歯医者さんにお金を奪われて…全部嘘だったとは思ってもいなかった」
私たちは、高橋被告の歯科クリニックに通っていた女性に話を聞いていました。
「インプラントは絶対に必要ということだったが…近所の歯医者では1本80万円。高橋デンタルオフィスでは1本40万円しない。半分くらいの値段でできると」
はじまりは虫歯でした。“インプラント治療の安さ”にひかれ、被告のクリニックを選んだそうです。
「インプラント治療」は人工的な歯であるという点では「入れ歯」と同じ。最大の違いは、外科手術によってその歯を埋め込むという点です。
「丁寧に説明する医者で信頼できそうという印象」
ただ、治療が始まってすぐに後戻りのできない事態が起きます。
「(抜くのは)4本と聞いていたが目が覚めたら1本増えて5本に…。5本(の歯)がなくなっていた。5本と聞いたかなと思ったけど…もう歯はなくなっている」
4本の歯を抜いてインプラントにするはずが、実際に抜かれた歯は5本だったといいます。
「欠けたプラスチックを埋めて一向にセラミックみたいなものが入らず、治療中の歯が腫れ上がったりうんだりして、何とかしてくださいって言っても全然治らなくて。本当に顔半分が腫れて」
“健康な歯”抜かれた
追い打ちをかけるように“詐欺被害”も発覚します。
「私たち(夫婦)の歯をモデルとして学会で紹介したい。珍しい例ということで私と夫が選ばれて。今回ラッキーなことにメーカーが発表すれば、治療費を全額出してくれるキャンペーンをやっていると言われて」
女性とその夫は“治療費が安くなるキャンペーン”への参加を持ち掛けられ、治療費とは別に250万円もの大金を支払っていました。この金を支払えば、治療費が返金され、お得に治療が受けられるはずでしたが…。
「 何回か話をして毎日『返してください』『返してください』と言っても、『無理、返すことができない』とずっと言われ続けた」
健康だったはずの歯を奪われ、現金250万円もだまし取られたといいます。
「お金が欲しかったから健康な歯も『インプラントが必要』と言って抜かれたんじゃないか。お金だけじゃなくて歯も取られてしまった」
歯医者の男に実刑判決
被告が逮捕された当時、父親は取材に対し…。
「まさか詐欺で逮捕されるとは、ゆめゆめ思っていなかったし、本人も逮捕されるまではいかないだろうと思っていたと思う」
「息子がやったことで犠牲になった人がいるのなら、その人たちには申し訳ない」
被告の姿は15日、法廷にありました。詐欺事件について、司法の判断は…。
裁判長
「歯科医師の立場を利用し患者からの信頼に乗じた悪質な犯行である」
千葉地裁は被告に懲役4年6カ月を言い渡したうえで、「被害者に対する被害弁償をしっかりしてほしい」としています。
(2026年7月15日放送分より)
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