
抹茶の人気が高まり、価格の高騰や品薄が続く中、「よもぎ」も注目されています。美容やグルメに用途が広がっています。
トレンド発信地に「よもぎ」
今、女性を中心に人気を集めている「よもぎ蒸し」。サロンの数は8000店を超え、全国の交番よりも多いといいます。
さらに、トレンドの発信地、東京・渋谷。そのど真ん中にある渋谷スクランブルスクエアに今月3日にオープンしたのは「よもぎドリンク」の専門店です。
一番人気は、甘みのあるデーツとオーツミルクに茶せんで立てたよもぎを注いだドリンクです。
客
「今、妊娠中で。よもぎがカフェインレスっていうのを初めて知って」
「『えぐみ』みたいなのがなくて」
「飲みやすい」
独特なさわやかな香りと深い味わいが好評だといいます。人気は日本人だけにとどまらず…。
ドイツからの客
「おいしいわ。そんなに甘くはないけど、私は好き」
アルメニアからの客
「とてもおいしいわ。興味深い味。気に入りました」
アメリカから来た男性はよもぎが気に入り、店頭で売られていた「よもぎパウダー」を家族のお土産用に購入しました。
BETWEEN by THE YOMOGI STAND
佐藤啓太代表
「外国人のお客さんが7~8割ぐらい。(店を訪れた客が)自分の国に帰って伝えてくれて、またその友達が来るみたいな形で海外にも広がっています」
空前のよもぎブーム到来か
古くは枕草子にも登場するよもぎ。「草餅」や「草がゆ」として食べられた一方、道端や土手に生える「雑草」としてのイメージもあります。
しかし…。
上野忠 上野歩社長
「よもぎブームは、近いうち必ず来ると思います」
大阪市にあるよもぎの販売会社では、去年の出荷量が754トンと過去最多を更新。今年はさらに増える見込みだといいます。なぜ需要が高まっているのでしょうか。
「去年あたりから言われている『抹茶の不足』というのが大きい。海外が抹茶(の需要)が増えていまして、『ネクスト抹茶』というところで『緑の食材』として、次の緑としてよもぎが注目されているのが一つの理由です」
近年、日本の抹茶は海外からの観光客が爆買いするほどの世界的ブームに。入手が困難になるほど需要が過熱しています。そこで白羽の矢が立ったのが、よもぎでした。
手作業で収穫 自然に育つ
徳島県でよもぎを栽培する、青空よもぎのしみず・清水雅文さん(51)。今がシーズンだというよもぎの収穫の様子を見せてもらいました。
「(Q.これ、よもぎですか?)そうなんですよ。栽培すると、結構背丈が大きくなります。実際にこちらのよもぎであれば1メートル80センチぐらい」
およそ3カ月で収穫できるサイズに成長するといいます。
「(Q.よもぎって、どうやって収穫する?)根元からハサミで切って。手作業でやるんで大変ですね」
機械などで収穫してしまうと、他の雑草も紛れ込んでしまうため、一本一本手作業で収穫していくといいます。一方で…。
「よもぎ自体が多年草といって、年越えてまた生えてくる。1度植えると、2度目の植え付けは必要ない」
一度根付けば、翌年以降は自然に育つといいます。
「植え付けした時に水やりはいるんですけど、それ以外は通常の雨が降る程度で問題ない。そんなに手間がかかるものではない。除草管理だけしっかりしていれば、勝手に育ちます」
こうして収穫したよもぎは、収穫直後は熱を持ち、すぐに傷んでしまうため、収穫後3時間以内に日陰で乾燥させないといけません。
「しっかり乾燥させないと、製品にした時にカビが生えたりするので」
およそ1カ月乾燥し、粉砕機にかけると、ようやく加工用のよもぎが完成です。
華麗な転身 元商社マン
手慣れた様子で扱う清水さんですが、実は元々、大阪の商社で働いていた清水さん。45歳の時に徳島に移住し、よもぎ農家を始めました。
「よもぎ餅って全国のスーパーで置いていない店がないくらい置いてある。使われているよもぎの7割~8割以上が外国産。実は国産のよもぎが使われていない」
よもぎの国内消費の大半は中国産。農林水産省の調査では、国内のよもぎ農家はわずか98戸です。
「最初のころは『雑草生やしてどないすんねん』って言われたりとか、『雑草作ってる』とか、そういうことはよく言われましたね」
初めは理解されなかったというよもぎ栽培。さらに、育てるのにも苦労が絶えなかったといいます。
「最初2年間は失敗の連続で、悩んで苦労しました。よもぎ自体の栽培方法が確立されてなくて。いらない所には生えるんですけど、生やそうと思ったらなかなか生えない」
しかし試行錯誤の末、3年後にはブランド化に成功。今では明治神宮の奉納品に選ばれ、全国からも注目が集まっています。
よもぎ世界へ 広がる夢
この日、清水さんの元を訪ねてきたのは、岡山でジェラート店「ジェラート醍醐桜」を営む店長の藤田佳代さん。去年から試験的に、清水さんのよもぎパウダーを使ったジェラートの販売を始めました。
清水さん
「めちゃくちゃおいしいです」
藤田さん
「去年イベントで販売させていただいて、評判も良くて。通年販売したいと思っていた」
値段が高騰し、手に入りづらくなった抹茶の代わりに、よもぎジェラートの通年販売を決めたといいます。
藤田さん
「よもぎはなじみがある。それがジェラートになるという、あるようでないものなので、皆さんには評判がいい」
清水さんの夢は広がります。
清水さん
「(売り上げは)右肩上がりには伸びていますね。抹茶に引けを取らないくらい栄養価も高いと思いますので、世界に広がればいいなと思います」
(2026年7月15日放送分より)
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