障がいの有無を越えたeスポーツ大会 好きなゲーム「工夫で続けられる」

障がいの有無を越えたeスポーツ大会 好きなゲーム「工夫で続けられる」
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 岩手県で開催されたeスポーツの大会を取材した。テーマは誰もが平等に参加できることだ。

【画像】「ストリートファイター6」視覚情報なしでプレーできる機能

500人来場 eスポーツ大会

eスポーツイベント「ハチエフ」
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 岩手県八幡平市で開催されたeスポーツイベント「ハチエフ」。100人以上のプレーヤーが参加し、会場にはおよそ500人が集まった。

「ストリートファイター6」
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 プレーしているのは、対戦格闘ゲームの金字塔「ストリートファイター」の最新作「ストリートファイター6」だ。

 各プレーヤーは手元のコントローラーでゲーム画面のキャラクターを操作し、技を繰り出し、どちらが先に対戦相手の体力をゼロにできるかを競う。

 こちらのプレーヤーは…。

参加者
「鎖骨から下がまひしていて、指も全く動かすことができなくて。(ゲームを)やりたいけど、どうやったらできるか試してたら自然とこういう(コントローラーの)持ち方になった」

 このイベントのコンセプトは障がいの有無や年齢、性別に関係なく、誰もが対等に格闘ゲームを通じて交流すること。

「ハチエフ」プロデューサー 畠山駿也さん
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 イベントの発案者でプロデューサーを務めるのは畠山駿也さん。デュシェンヌ型筋ジストロフィーという、全身の筋肉が徐々に衰えていく国の指定難病を患っている。

「eスポーツだと身体的なハンデを工夫によって解決することができる。僕みたいに体に障がいがある人でもゲームができたり」

誰もが平等に参加

 イベントには、こんな人も参加していた。

全盲のeスポーツプレーヤー NAOYAさん
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株式会社ePARA
全盲のeスポーツプレーヤー
NAOYAさん

「私は普段から視覚障がいというところで、音のみでプレーしている」

 「ストリートファイター6」には、全盲の人も視覚情報なしでプレーできる機能があるという。

「今鳴っているのは、対戦してるキャラクター同士の距離感を音の高さであらわす音」

キャラクターの位置などを音の高さで知らせてくれる機能
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 キャラクター同士の距離が近い時は高い音、遠くなると低い音に。音の高さによってキャラクターの位置や攻撃が当たった位置、残りの体力などを知らせてくれるという。

 こうした機能やプレーヤーに合わせたコントローラーの使い方を工夫することで、eスポーツでは健常者も障がいを持つ人も対決することができる。

20歳目前でプレー断念

「格闘ゲームが変えてくれた」
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畠山さん
「自分の生き方を格闘ゲームが変えてくれた」

 小学2年生の時から車いすで生活。高校時代には、腕は手首から先しか動かせなくなっていた。そんな中出会ったのが格闘ゲームだった。

「仲良かった友達は自分が障がいを持っているどうこうっていうところじゃなく、単純に(ゲームが)うまいか下手かでしかなかったと思うので、僕はそれが居心地よかったのかな」

 しかし、病状が進むにつれうまくコントローラーが握れなくなり、20歳を目前にプレーすることを諦めなくてはならなくなってしまった。

 さらに、ゲームの代わりに見つけた旅行などの楽しみもコロナによって奪われてしまう。

「俺、何のために生きているんだろう」

「工夫で続けられる」

 コロナ禍によって楽しみを見いだせずにいた畠山さん。

「今後、自分は何をやりたいかと考えた時、やっぱり僕は格闘ゲームに生かされてきた部分があった」

オリジナルのコントローラー
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 そんな畠山さんの思いから生まれたのが、自分の体に合わせたオリジナルのコントローラー。キャラクターの操作をあごで行い、攻撃を繰り出すボタンはかすかに動く指先で押すことができる。

 友人や理学療法士の協力のもと試行錯誤すること1年半。およそ25万円をかけ完成させることができた。

 こうして再び、自分の一番好きなやりたいと思っていたことができるようになった畠山さん。そうして、次に思い至ったのが…。

「障がいを持つプレーヤーが活躍できる社会を」
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「何かコミュニティーに恩返しできたり還元できないかって思った時に、eスポーツを通して障がいを持ってるプレーヤーが活躍できるような社会を作りたい」

 自分を救ってくれたゲーム。そして、支えてくれた周囲への恩返し。

「僕が工夫して(ゲームを)やっていることは、すごい説得力があるんじゃないか。誰でもどんなことがあっても続けられる。そういったことを少しでも思ってくれてる人がいたらいい」

「社会参加になれば」

 畠山さんに伺ったところ、障がいのある人がゲームをプレーする上で大きな壁となるのが、自分が使いやすいコントローラーを手にすることができるかということだそうだ。

今後の目標は?
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 畠山さんは今後の目標について、「障がいのある人がeスポーツを通じ、パソコンなどの端末を操作する技術を身につけ、就職にも生かせるような仕組みを作りたい」と話している。そのうえで「eスポーツが障がいのある人の社会参加のきっかけになれば」と話していた。

 ただ、畠山さんのように自分に合ったコントローラーを障がいのある人誰もが手にできるとは限らない。

専用コントローラーには数十万かかる場合も
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 畠山さんが勤める会社の代表・加藤大貴さんによると「障がいの種類や程度に合わせて、理学療法士やメーカーと相談しながら、専用のコントローラーを作ると、数十万円かかる場合もある」ということだ。

行政も支援する仕組み導入を
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 加藤さんは「遊びのためだと行政は購入補助金を出せないが、eスポーツは障がいがある人の社会参加にもつながる。そうした面を周知して、行政にも支援する仕組みを導入してほしい」と話している。

(2026年7月21日放送分より)

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