
福岡県うきは市で、ブランド梨5000個が盗まれました。2年連続で被害を受けた農家は、梨の栽培を断念する決断をしました。悲嘆に暮れる農家を支えようと、地域を中心に支援の輪が広がり始めています。
ブランド梨5000個が盗難
三功園 佐々木浩喜さん(54)
「今回は根こそぎないので。ちょっと信じられないぐらい」
「(食べる人の)喜ぶ顔しか考えてないのにね。取られること考えたらもう、何していいか分からないです」
悲痛な胸の内を語ったのは、福岡県うきは市で梨農家を営む佐々木浩喜さんです。
盗まれたのは人気ブランドの梨「幸水」。その数およそ5000個、被害総額は200万円相当に上ります。
「ここから全部取られてしまった。全部奥まで約50本。 まったくついてない。これがなくなった後。1本あたり100個ぐらい作っとったから5000個」
犯行の手口は。梨の運搬には人手がかかることから、佐々木さんは、「犯人は複数人の可能性が高い」と話します。
「一輪車あったら30往復ぐらいすれば終わるかな。少なくとも4~5人は絶対いる」
盗んだ梨どこへ
盗んだ梨はどこへ。事件の後、「盗んだ梨がフリマアプリ『メルカリ』で転売されているのでは?」との臆測も広がりました。
メルカリは24日、公式SNSで声明を発表し、「梨に関連する出品状況の確認や出品者への連絡などの対応を進めている」ことを明かしました。現時点で盗品は確認されていないといいます。
そもそも盗んだ梨はまだ“食べられないもので商品価値が低い”そうです。
「収穫する時期からすれば2週間早い。だから食べられない。加工用にしかできない。二束三文にしかならんと思う、商品としては」
2年連続被害に
この農園では、去年もおよそ6000個の梨が盗まれる被害を受けていて、当時、雇っていた従業員の給与が支払えず、会社は倒産に追い込まれました。
父親と2人で再起を図った今年ですが、2年連続の盗難被害で被害総額は400万円に膨れ上がりました。
佐々木さん
「対策ができてなかったのがもう油断かなと思って、自分を責めるしかないんですけど。気力が湧かなくてね」
共に汗を流してきた父親の佐々木国義さん(79)もショックを隠せません。
佐々木国義さん
「去年と同じような形になってしまったからね。力が落ちてしまう。農薬代、資材代がもう」
親子が下したのは、“苦渋の決断”でした。
佐々木さん
「今年閉園する。梨はとにかくやめる。やっと農業が好きになってきて色々なことを覚え始めた。買ってくれるお客さんもいるので、その人たちに届けるのが楽しみで頑張っていると思うんで。すごく悔しいです」
父親と二人三脚で歩んできた15年間の梨栽培。実入りがなくなってしまっては、もはや続けることもできません。
励ましの声に「立て直す」
佐々木さんの窮状に、支援の輪が広がっています。
佐々木さん
「本当にありがとうございます。いただきます」
事件を知った佐々木さんの知人や地域住民が募金活動を行っていて、25日、一回目の贈呈が行われました。
「本当に不安な状況だったんですけど、声上げていいんだなと思って。『助けて』ってね。何とか立て直さなくっちゃいけんなと、つくづく思いながら行動しようと思っています」
全国各地からも応援や支援の連絡がおよそ1300件届いていて、佐々木さんは残っている梨を収穫できたら、支援の返礼品として活用したいと話しています。
(2026年7月26日放送分より)
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