
毎年約100万人の観客が集まる隅田川花火大会がこの週末に開かれました。警備の費用の高騰などで中止になる花火大会が相次いでいる中で、来場者の安全を守る警備員の活動を取材しました。
暑さや物価高 警備にも直撃
25日に行われた、日本で最も歴史のある「隅田川花火大会」。
国際連邦警備保障
岩野拓人さん
「こちらの通り、18時より一方通行になります。ご協力よろしくお願いいたします」
約92万人が訪れた会場で、歩行者に案内を呼びかけるのは警備員の岩野さん。
岩野さんが担当するのは、花火を打ち上げる第1会場のすぐそば。
この場所は午後6時になると一方通行になるため、歩行者が立ち止まったり、逆方向に進まないように誘導するのが主な仕事です。
入社から半年、隅田川花火大会のような100万人規模のイベントの警備は初めてだといいます。
「この規模は初めてなので、ちょっと困惑はしています。どうにか皆様に安心安全に楽しんでいただけるよう努めていこうと思います」
この日、東京都心の最高気温は37.1℃。今年一番の暑さとなり、屋外での警備には暑さ対策が必須です。
「体感の暑さとしても非常に、過去1番じゃないかというぐらい暑い。基本的にはやはりこういうファン付きベストであったり、中に着込む冷却タオルであったりとか」
ファン付きベストや飲み物など、暑さ対策にかかる費用は会社が負担。岩野さんが働く警備会社では、年々厳しくなる暑さや物価高の影響で、コロナ禍以前と比べると約1.5倍の経費がかかるようになったといいます。
打ち上げ開始2時間前には、警察官による警備も本格化。
警察官
「あらかじめ左側によってお進み下さい!この先信号を横断される方は、あらかじめ左側によってお進み下さい」
隅田川花火大会は2つの会場で行われ、その中間にある吾妻橋は、両方の会場の花火がよく見えるスポットで多くの人が集まります。
そのため、警備も一層緊張感が高まります。打ち上げ1時間前になると、車道を封鎖し、歩行者天国が完成。
すると、あっという間に橋のたもとは、大勢の人で埋め尽くされました。
同じころ、第1会場に近い言問橋では、押し寄せる見物客に対し、懸命に誘導を行う警察官や警備員の姿が見られました。
し烈場所取りフライングも
一方、岩野さんが担当する警備エリアでは、一方通行の規制をするため、2人一組でロープを持ち、誘導を行う岩野さん。
岩野さんも一方通行の流れに沿って移動するため、担当エリアの端まで行くと、一度警備エリアを外れ、元の場所に戻り、また誘導を繰り返します。
片道350メートルの区間を何度も行き来し、歩行者に一方通行を呼びかけます。
岩野さん
「(Q.こんなに動き回る警備って今までありました?)初めてですね」
打ち上げ2時間前、歩道に集まる多くの人々。
毎年家族で来ている男性
「(Q.何時ごろに来た?)きょう15時半くらいから待っていますね。お父さんお母さんとか、お姉ちゃんとか。ここがいいって言ってずっとここになっていますね」
実はこの場所、午後6時以降は歩行者天国になり、車道で花火を見ることができます。
場所取りに来た男性
「電光掲示板の上のあたりに(花火が)上がる予定なので。久々に来たので、きょうちょっと気合いれて!」
今か今かとシートを手に、歩道で待つ人は徐々に増えていきます。
警察官
「皆さんちょっと1歩後ろに下がってお待ち下さい」
「若干はみ出ているように私から思えます。どうぞ皆さん歩道へ上がってください」
交通規制を前に待ちきれず、歩道からはみ出てしまう人も。いよいよその時が。一斉に場所取りが始まりました。
警察官
「お待たせしました!どうぞ!」
し烈な場所取り合戦で、車道はあっという間に人で埋め尽くされ、打ち上げの時を待ちます。
密集…雑踏事故防止へ
そして、ついにその時が訪れました。第49回隅田川花火大会がスタート。
道路を埋め尽くすほどの人が、警察官に先導され、ゆっくりと歩みを進めます。しかし…。
警察官
「きょうの花火大会は、橋の上を歩きながらの花火見物になります!立ち止まって花火見物をすることはできません!」
「立ち止まらないで下さい!写真を撮っている方、立ち止まらないで、前にお進みください!」
警察官が、人の流れが滞らないように誘導しますが、テープの先は立ち止まる人ですし詰めに。
岩野さんが担当している土手沿いのエリアは、打ち上げ会場の真横で、道幅も狭いため、密集状態に。
警備員
「歩きながらご観覧をお願いします!立ち止まらずにお進みください!」
雑踏事故を防ぐため、立ち止まる人へ必死に呼びかけ誘導しますが、思うように進んでもらえない場面も。
岩野さん
「来ていただいたお客様にけがをさせてはいけないというのが、何よりも大事なことなので。ただ、動いてもらうためには促していかないといけないので、そこの塩梅(あんばい)がちょっと難しかったかなと…」
人件費は1.5倍に
午後7時半、第2会場も打ち上げがスタート。第2会場の花火を間近に見られる駒形橋も、歩行者で大混雑。
警察官
「前の方に続いてゆっくりとお進み下さい!橋の上では立ち止まらないで下さい!」
浅草駅周辺も、吾妻橋へ行こうとする人で、道路は身動きが取れないほど埋め尽くされていました。
あまりの人の多さに、花火を見ることはできないと判断し、途中で引き返す人の姿も。
東京の夏の風物詩、隅田川花火大会。大きな混乱はなく、無事終了しました。
花火が終わると、帰宅する人々が押し寄せ、駅前は大混雑。事故が起きないよう、警備員をはじめ、警察官や駅員が誘導を行います。
警察官
「他の駅、上野駅等のご利用をご検討下さい」
岩野さんも、花火が終わると一斉に駅へ向かう人々の誘導に加わります。
岩野さん
「最後までけがのないよう皆様の誘導をしようと思います」
「(Q.何周ぐらい(一方通行の誘導を)されました?)20周…20弱くらいは。初めての経験だったので、これがまた何かの形で生きることもあると思う。その時のために経験を積めたかなと思います」
年々増える来場客に対応するため、今年は大会全体で警備員を増員。
岩野さんの警備会社では、熱中症対策で休憩時間を確保するため、交代用の人員を増加。5年ほど前と比べ、人件費は1.5倍になったといいます。
「大規模な花火大会なので、お客様に何かあっていけないという気持ち。そこで何も事故がなかったというのは自分も安心でホッとしている」
(2026年7月27日放送分より)
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