ロシア、軍と国防相が対立?政権内部で響く不協和音 ウクライナも国防相を更迭

ロシア、軍と国防相が対立?政権内部で響く不協和音 ウクライナも国防相を更迭
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 ロシア軍の参謀総長と国防相との対立が指摘される中、プーチン大統領が同盟国から「侵攻停止」を進言される姿がテレビ中継された。ウクライナでは、ドローン戦略を主導した国防相をゼレンスキー大統領が事実上更迭したことへの反発が広がり、大規模抗議デモが起きる事態となっている。

【画像】“ロシア版アマゾン”「ワイルドベリーズ」とは

「ロシア版アマゾン」とは?

 まずは、相次ぐウクライナによるロシアの物流倉庫への攻撃についてみていく。なぜウクライナは物流倉庫に攻撃を続けているのか。

「ロシア版Amazon」とも言われる
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 攻撃を受けているのは「ワイルドベリーズ」という会社の倉庫で、ロシアの独立系メディアなどによると、18日からの1週間で少なくとも10カ所の倉庫が攻撃され、モスクワ付近で被害が出たほか、25日にはウクライナ国境から1500キロ離れた倉庫も狙われた。

 AP通信によると、一連の攻撃で9人が死亡し、負傷者が数十人。商品損失額は、日本円で最大約5000億円にも上るという。

 では、この「ワイルドベリーズ」とはどういった会社なのか。2004年に設立されたロシア最大のネット通販会社で、「ロシア版アマゾン」とも言われているという。

 AP通信などによると、ユーザー数は約1億1300万人で、去年の商品販売額は約9兆3000億円にも上るという。また、大手企業から個人事業主まで推定50万店~80万店が出店している。

 ちなみに、日本の大手通販サイトは5万店ほどなので「ワイルドベリーズ」の出店数がいかに多いかが分かる。

 なぜウクライナは民間の物流倉庫を攻撃したのか。

なぜ民間の物流倉庫を攻撃?
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 ゼレンスキー大統領は、これらの倉庫が「ロシア軍にドローンの部品などを供給している拠点」だと主張している。実際、ウクライナメディアによると、「ワイルドベリーズ」ではドローン用の投下装置が400点以上、戦闘用ヘルメットが約2000点、いわゆる防弾チョッキのようなボディーアーマーが1万7000点以上、見つかったという。

 こうした倉庫が軍事利用されているとの指摘に対して、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「事実ではない」と否定し、倉庫への攻撃は「民間施設への攻撃だ」とウクライナ側を批判している。

政権内部で響く“不協和音”

 そんなロシアで今、内部対立が表面化しているという。それは、軍と国防省のトップ同士の対立。制服組トップのゲラシモフ参謀総長と、背広組トップのベロウソフ国防相の2人だ。

軍と国防省 トップ同士が対立か
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 ゲラシモフ氏は軍全体を統率する参謀総長でありながら、2023年からは特別軍事作戦の総司令官も兼ね、作戦を仕切っている。

 一方のベロウソフ氏は経済学者で、軍人ではないが、プーチン大統領の厚い信頼を得て2024年から国防相を務めている人物だ。

 ロシアの軍事ブロガーなどによると、今年3月、ウクライナがドローンでの反撃に転じたころ、ベロウソフ国防相がプーチン大統領に、ウクライナの新型ドローンに押され、ロシアは危機的な状況だと報告した。これを知ったゲラシモフ参謀総長は「激怒した」とされている。

 なぜ激怒したのか。そもそもプーチン大統領に戦況を報告するのは、ゲラシモフ参謀総長が担ってきた。そのうえでアメリカの戦争研究所によると、ゲラシモフ参謀総長がプーチン大統領に大幅に水増しした戦果を報告していると指摘している。

 こうしたことから、ゲラシモフ氏が、自らの報告を否定するような内容の報告をベロウソフ国防相がしたとして、激怒した可能性がある。

 また、真偽のほどは定かではないが、ロシア内部の情報を発信しているとする「クレムリンのタバコ入れ」という名前のテレグラムによると、怒ったゲラシモフ氏は「前線の進軍が遅れているのはベロウソフ氏の非効率的な行動の結果」と断言し、プーチン大統領にそう報告した可能性もあると指摘している。

異例の進言

 ロシア国内で対立が指摘されている2人だが、ここへ来て同盟国から侵攻を停止するよう、異例の進言がされたという。その国はカザフスタンだ。

カザフスタン大統領「侵攻を停止すべき」
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 25日にロシア国内で、プーチン大統領と、同盟国でもあるカザフスタンのトカエフ大統領と会談を行った。両国の幹部が同席し、テレビで中継される中、トカエフ大統領はプーチン大統領に対して、「侵攻を停止すべきだ」と異例の進言を行った。

国防相更迭に国民が反発

 ロシアへのドローン攻撃を強めるウクライナだが、戦闘の無人化を進めている。

海上ドローンに地上用ドローンを搭載
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 13日、ウクライナ軍は、海上ドローンに地上用ドローンを載せて、ロシアが不法占拠するウクライナ南部のキンブルン半島への上陸作戦を実施したと発表した。

 ウクライナ軍は今回の上陸作戦について、危険な任務を機械のみで行えるよう「戦場の様相を一変させる技術を用いた」と、その意義を強調している。

戦略主導の国防相を更迭
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 ドローンを使った戦略を主導していたのが、1月に国防相に任命されたフェドロフ氏(35)だ。

 フェドロフ氏は、ドローンによるロシアの製油所への攻撃などを推進。4月には、前線での兵站(へいたん)業務を兵士からロボットに移行させる方針を打ち出し、2万5000台の無人地上車両の契約を目指すと発表するなど、ウクライナのAI・ドローン戦略を牽引(けんいん)し、国民的人気も高い人物だ。

 だが、ゼレンスキー大統領は今月15日、フェドロフ氏を国防相から事実上更迭した。

 これに反発したのがウクライナ国民だった。更迭の翌日16日以降、首都キーウなどでフェドロフ氏の解任撤回を求めて連日、大規模な抗議デモが起きる事態となった。

 アメリカのシンクタンクは、今回のフェドロフ氏の更迭によって「ロシアに対する技術革新の優位性が損なわれ、ウクライナの国力を低下させるのでは」との懸念を示している。

背景に大統領との確執か

 では、なぜフェドロフ氏を更迭したのか。

大統領との確執も?
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 背景には、国防省のトップとして軍の改革を積極的に推し進めたフェドロフ氏と、軍のトップであるシルスキー総司令官との対立があると報じられている。

 だが、フェドロフ氏更迭への国民の反発を受け、ゼレンスキー大統領は21日、今度はシルスキー氏を総司令官から解任するなど、トップの相次ぐ交代に軍内部では混乱が広がっているという。

 また、更迭の背景にゼレンスキー大統領との確執があるのではと指摘する報道もある。

 ロイター通信によると、国防相更迭後、ゼレンスキー大統領がフェドロフ氏に対して「国防イノベーション担当副首相」など別の役職を打診したという。

 ただ、イギリスのBBCによると、フェドロフ氏は「戦闘に影響を与える価値のある役職は『国防相』『軍総司令官』『大統領』の3つだけだ」として打診を拒否したといい、あえて「大統領」という役職に言及することで、自身を「ゼレンスキー氏のライバル」だと示したのでは、とも報じられている。

(2026年7月27日放送分より)

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