
28日、熊本城のある熊本市中央区では、震度5強を観測しました。
午後4時27分。熊本城をとらえたカメラの映像です。
カメラが揺れ始めてから、約20秒後。土煙のようなものが立ち上ります。その範囲は、次第に広がり、天守閣の周囲が、煙に覆われるような状態になりました。
熊本城では、10年前の地震の傷跡が、まだ、完全に消えていない状態です。

2016年4月に発生した熊本地震。
4月14日に、益城町で震度7を観測。その28時間後、16日に、西原村と益城町で、再び、震度7を観測しました。
熊本城は、重要文化財13棟を含む33棟が被災。翌年から、天守閣の本格復旧に着手しました。
2021年に天守閣の復旧は完了し、内部の公開も再開されました。ただ、石垣や重要文化財の修復工事は続いていて、完全復旧は、まだ先の話。2052年度の完了を目指している最中でした。
気象庁によりますと、今回の震源の近くには、2つの断層があるといいます。

気象庁
「今回の地震の震源周辺、布田川断層帯と日奈久断層帯が存在している。今回の場所ですが、日奈久断層帯に近いのかなと」
政府の、地震調査研究推進本部によりますと、10年前の地震の原因となったのは、阿蘇の西側を通る布田川断層帯と、八代海に至る日奈久断層帯です。
地震によって、周辺の地盤にひずみが再分配され、日奈久断層帯では、今も地震が起きやすい状態が続いているとされています。

大きくずれ動かなかった日奈久区間では、30年以内の地震発生確率が最大6%。さらに、南側の八代海区間では、最大16%で、全国の主要な活断層の中でも、発生確率が高いグループに入れられています。
気象庁
「地震の発生場所が浅いので、地震がたくさん発生している。今後1週間程度、特に、今後2~3日の間は、最大震度7程度の地震に注意してほしい。また過去にも熊本の例もあるが、続発した事例もあるので、十分、注意していただきたい」
東京大学地震研究所の青木陽介准教授に聞きます。
(Q.気象庁は、今回の地震『令和8年熊本地震』と名付けました。熊本は、まさに10年前に、震度7の地震が起きています。10年前の地震との関連性というのは見ておくべきなのでしょうか)
青木陽介准教授
「はい、そうですね。ここの布田川断層帯というところで、10年前に熊本地震が起きた。そこでは、力が解放されたんですけれども、その周辺域、日奈久断層帯の辺りに力がたまっていったということで、10年前の熊本地震のあとに、日奈久断層帯で、いつか大きな地震が起きるのではないかと危惧された場所ではあるんですよね」

(Q.いつ起こるか地震はわからないですけれども、随分、早く、これだけの同じ強い地震が来たということに非常に驚きました。専門家の目から見てどうでしょうか)
青木陽介准教授
「いつか来るだろうなとは思ってはいたものの、いつかというのは、ちょっと予想できなかったもので。それは、すぐあとに来るかもしれないし、10年後かもしれないし、もっとあとかもしれないと。我々の思っていたところです」

(Q.確認ですが、10年前に、エネルギーが解放された形にはなったが、再び、ひずみがたまる状況になっていて、その地震が、時期はわからないけれども、今回、起きてしまったということですか)
青木陽介准教授
「解放されたけれども、この(日奈久断層帯の)周辺領域では、たまっていたということですね」
(Q.断層というのは、具体的にどのように動いたと見るのでしょうか)
青木陽介准教授
「今回、動いた断層は、日奈久断層帯ですけれども、今回は、右横ずれ断層といいまして、断層を挟んで水平に地面が動いたということになります」

(Q.高速道路の空撮の映像などを見ましても、道路に亀裂が走って、せり上がっています。これもこうした地震の1つの、例といいますか、典型的なものなのでしょうか)
青木陽介准教授
「そうですね、地表近くまで、もしくは地表まで断層の破壊がいった場合には、地面でずれが見えるということになりますね」
(Q.震度7という非常に強い地震ですが、揺れ方に特徴的なものはありますか
青木陽介准教授
「今回の揺れの特徴は、ガタガタと短い周期で揺れる。ゆらゆらというのではなく、ガタガタと短い周期で揺れるもので、低い建物、1軒家や低いアパートをより揺らすような揺れです。かつ震源が浅くて、街のすぐ真下で起きていますので、強く揺れるとそういうのが特徴です」
(Q.かなり浅い震源ではありましたけれども、揺れた範囲はかなり広範囲に思えるのですが、これはどう見たらいいのでしょうか)
青木陽介准教授
「地震そのものが、今回は非常に大きかったですから、その分、広い範囲で揺れると。ただ、震度7、6、5といった非常に強い揺れた範囲というのは、あまりそんなに大きくはないけれども、それよりも弱い揺れとなると、かなり広い範囲で揺れたということになります」

(Q.断層の横ずれの範囲が長かったなどの特徴はうかがえるのでしょうか)
青木陽介准教授
「これからの調査になると思うんですけれども、マグチュード7クラスの地震ですから、ある程度の長さの断層が動いたとは思うんですよね。ある程度の広さで、それなりの揺れが観測されたということになります」
(Q.10年前の地震で、一部解放された力があった。そのあと日奈久断層帯のほうに力がたまるということ自体は、研究者の方はわかっていたのですか)
青木陽介准教授
「それは、みんな研究者の間では、一致した見解であったと思います。いつかはわからないけれども、いつかは来るだろうと思っていました」
(Q.周期として、長いとか短いというようなことはないのですか)
青木陽介准教授
「それは特にないですね。遅かったなとか早かったなとか、本当にいつかわからなかった」
(Q.今回の地震発生は午後4時27分で、人々の生活時間帯に直撃しました。この影響は大きいですね)
青木陽介准教授
「火災の映像をたくさん見ますが、午後4時半ということで、夕ごはんの準備とかで火を使っていた、ご家庭などもたくさんいたと思います。そういうのも火災が多く起きた原因かなと思います」
(Q.1度にこれだけの建物が破壊されるような被害は記憶にないのですが、ニュースを聞いた時は驚きましたか)
青木陽介准教授
「大変、驚きましたね」

(Q.10年前、熊本では2回、震度7を記録する地震がありました。心配なのは今回の地震の今後です。どうみればいいですか)
青木陽介准教授
「一般的には、地震活動は一番最初に一番大きいのが来て、あとは余震活動で小さい地震が続いていくというのが多いです。しかし、10年前の熊本地震の時はそうではなくて、後から一番大きな地震が来ました。今回も後からもっと大きな地震が来る可能性を否定はできないです。確率としては最初が一番大きい可能性の方が高いけれども、後からより大きな地震が来るという可能性を完全には否定できません」
(Q.すでに地震によって大きなダメージを受けたところに来る地震は、より警戒が必要なのではないかと思うのですが、どうでしょうか)
青木陽介准教授
「そう思います。1度の揺れで壊れない建物でも、2度、3度と揺らされると壊れてしまうという場合もありますし、あとから来る地震は弱い、より小さい地震が多いとは言っても、ここ数時間で、震度5弱とかが出るような地震が、何回ももう来てますから、やはりそういう余震での被害というのは警戒するべきです」
