
これまでに14人の死亡が確認された熊本県では、安否確認ができない人たちの救助活動が続いています。猛暑の中、断水や停電が相次ぎ、食事や睡眠を満足に取れていない人もいます。
建物の破片が飛散
熊本県嘉島町を走るトラックのドライブレコーダーの映像です。画面右側には「イオンモール熊本」があります。
突然爆発が起き、大量の煙が一瞬で辺りを包み込みました。建物から画面左に向かって噴き出したように見える爆発。煙とともに飛散してきた建物の破片は、100メートルほど離れた道路を飛び越えたものもありました。映像は、店舗の南側を走る車から撮影されました。
西側に停車していたタクシーからの映像では、爆発は1階からも周囲に広がっています。
建物の破片が飛散し、一瞬にして視界が粉塵で覆われました。
タクシーの窓は換気用に3センチほど開けられていたため、粉じんは車内にも入ってきました。
日新交通 石島誠也課長
「イオンの建物が大爆発した。裏の通用口とか壊れてしまった」
爆発が起きたのは、宇城市と氷川町で最大震度7の地震が発生してからおよそ1時間半後でした。
爆発のすさまじさの痕跡が残るイオンモール熊本。1階と2階部分には、およそ200の店舗や映画館があります。28日は、夏休みに入ったばかりで、3000人ほどの客でにぎわっていたといいます。
当時、2階で働いていた妻と連絡が取れないという男性は、次のように話します。
妻と連絡が取れない男性
「地震があった直後は連絡が取れたが、午後6時くらいから連絡が取れず、着信音も鳴らない。子どもがすごく不安になって、ご飯も食べられない状態で。少しでも近くにいてやらなきゃって」
益城町消防本部によりますと、これまでに20代とみられる2人を含む女性5人の死亡が明らかになっています。
従業員「ガス臭さもあった」
ガス漏れの可能性が指摘されている今回の爆発。発生当時、敷地内の駐車場の車内にいた従業員は、次のように話します。
イオンモール熊本 従業員
「爆発した時は、車の中がまだ暑かったので、少し運転席のドアを開けていた状態で、窓も下ろしていた状態だったので、もろに顔に風も来たような感じ。ガス臭さもあった」
29日午前、建物2階のフロアを捜索する様子の映像です。がれきが散乱し、天井からは電気系統のケーブルがぶら下がり、柱のようなものが倒れてしまっています。
フロアには、ファッション関連の店舗やフードコートなどがありましたが、ほとんどが破壊されてしまいました。
エスカレーターから見える1階部分はきれいな状態のようにも見えますが、2階と同じく大量のがれきが散乱しています。
店の上に設置されていた緑色の看板は、はがれ落ち、真っ二つになっていました。
店内を見てみると、棚が傾き、天井の一部も崩れ落ちています。
爆発の原因は、一体何だったのでしょうか。
イオン 吉田昭夫社長
「基本的にショッピングセンターはすべてガスを使う。飲食店もしくは館内空調も含めたガス設備を使っているが、熊本はLPガスを使っていた。現場の状況からガス爆発の可能性が高い見解が出ているが、消防のほうから正式な見解が出ていないので(ガス爆発が原因と)確定することは現段階でできない」
イオンモール熊本の敷地内には、LPガスと書かれたタンクが残されています。
防衛省がドローンで撮影した建物内部の映像では、骨組みだけになっていたり、損傷で外が見えていたりするような場所がありますが、火災が起きたような跡は確認できません。
イオンモール 大野惠司社長
「当然、遮断弁やそういったバルブを締めるといったことはあるので、そこについて今どういった状況だったか、消防と一緒に原因を一刻でも早く追究する段階」
10年前にはなかった被害も
震度7を観測した熊本県宇城市でも甚大な被害が出ています。車道にはひびが入り、信号も点灯していません。
こちらの酒屋では、店内にあった半分ほどの酒瓶が割れてしまい、床にはまだ酒が残されています。
近くの住宅でも…。
70代
「今、片付けしよる」
こちらの男性は爆発のあったイオンモール熊本から帰ってきている最中、地震に遭遇したといいます。
70代
「私は車で(移動中)こう揺れて。もう運転できないぐらい」
帰宅してすぐ目に飛び込んできたのは、10年前の地震で修繕したという瓦の被害でした。
さらに今回は、10年前の時にはなかった被害も…。
70代
「ここ柱もずれている。10年前はこのずれはなかった。あの時は瓦が落ちて、今回は戸がみんな外れて、もうどうしようもなかった」
家の中を見せてもらうと、部屋の内壁も崩れ、天井がはがれかかっています。
70代
「全体がこういう状態。テレビも全部ひっくり返ってしまって」
「(Q.暑さはどう?)(体が)もたない。水分を取るようにしている。休み休みやらないと」
「(Q.水は出る?)こない」
片付けの手伝いに来た家族が買ってきてくれた水があるため、今のところ問題はないといいますが…。
70代
「こればっかりは、どうしようもないよね。まだまだ分からないからね」
車内生活「寝られない」
最大震度7を観測した氷川町でイチゴ農家を営む夫婦は、車内生活を余儀なくされていました。
イチゴ農家を営む夫婦は、次のように話します。
「地震の時はひどかったです。そこの木の下で作業してたが、椅子から飛び上がり、うつぶせになった。隣の家は4人いて1人が(倒壊した家の)下敷きになって、助け出されたけど大変でした」
自宅は倒壊こそ免れましたが、車内での生活が続いています。
「ここに2人。前に孫が(寝ている)」
「エンジンで下が熱くて寝られない」
「とにかく暑さは耐えれるけど、水が一番。あと電気」
イチゴ農家「水が今一番大事」
水が必要なのは人だけではありません。隣の農家でも、水と電気が止まってしまったことで苦労していました。
「イチゴの苗にかける水がない。電気がないから。電気くれば水も出るんですけど」
農業用の水をもらいに行きますが、通行止めとなっているところも多く、思うようにたどり着けません。
やっとの思いで到着し、水をくみ上げますが…。
「(このタンクで)1回分。足りなかったら、またもらいに行く。イチゴは一番大事な時期。水が今一番大事」
(2026年7月30日放送分より)
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