
震度7を観測した熊本県宇城市では、今も停電と断水が続いています。さらに、宇城市は29日まで11日連続で35℃以上の猛暑日で、非常に厳しい環境での避難生活となっています。
猛暑のなか 川へ水くみに
最大震度7を観測した宇城市。被災者が口にしたのは、猛暑の中での停電と断水という過酷な現状でした。
被災した住人
「電気が通ったら、エアコンがつけば、まずは暑さがあれなんで…」
自宅が被害を受けた男性。一日の中で気温が比較的低い時間帯、午前6時ごろから倒れた家具や荷物を外に出して片づけをしていました。
29日、宇城市の最高気温は35.2℃を観測。うだるような暑さのなか、被災した住宅では電気と水道が使えません。
被災した住人
「トイレも流せないので、今、川に水をくみに行きました、子どもたちが」
「トイレ問題もあるから、あんまりガブガブ飲んでも、またトイレに行きたくなるなとか」
停電でエアコンが使用できない室内は立っているだけで、汗が噴き出す暑さ。そんな状況のなか、トイレの回数を減らすために飲む量を減らしているという女性。
熱中症の危険は理解しているものの、断水が続いているなか、水の使用量を減らそうと自ら節制をしていました。
そんななか、仕事仲間が水をくんで持ってきてくれました。思わぬ支援に、ひととき緊張がほぐれます。
2度目 大地震「死ぬかも」
九州電力によると、30日午前7時半現在でも、市内のおよそ6980戸が停電しています。また、国交省によると、29日正午時点でおよそ1万4000戸が断水しているといいます。
辺り一帯がまだ停電しているということで、信号もまだついていない状況です。
信号が消えた交差点では、運転手の目視によって、車が四方から進入しています。
余震が続く被災地では、取材中にも地震がありました。
壁にヒビが入った住宅。実は、10年前の熊本地震で家が全壊し、その後に新築したものでした。
被災した住人
「蓄電池はつけているので、でも電気がくるところは決まっているんです。エアコンがつかないんですよね。冷蔵庫は無事です、蓄電池のおかげで」
被災者が感じた、2度目の大地震の恐怖は…。
「横揺れがすごくて、10年前の揺れよりもひどかったです。命の危険は感じました。死ぬかもしれない」
10年で2度の被災。女性は、今後の復旧についてまだ考える余裕がないと話します。
「家自体は壊れなくて済んだから、良かったなとは思ったんですけど。やっと10年経って少し落ち着いてきたのに、また仏壇とかも壊れちゃって。きょう一日どう乗り切ろうかなというのが先で、頭が回りません」
名産ブドウ収穫間近で悲鳴
ブドウの産地としても有名な宇城市。これから旬を迎えるシャインマスカットも多く生産しています。
果樹園を経営している御舩一真さんは、28日の地震発生後、初めて畑へ向かいました。
「大きい車じゃ通れない」
畑までの道は至る所で石垣が崩れ、車1台通るのがやっとの状態です。車で走ること数分…。
「落ちているのはたぶん、揺れで落ちたやつですね」
地面に落ちているのは、袋に入れられ収穫間近だったシャインマスカットです。
「収穫予定だったんですけれども、落ちたやつはバラバラになっているし、割れているので、売り物にはもうならないですね」
落ちた衝撃で、実の一部が房から外れたものや実が割れてしまったものもありました。この状態では、もう売り物にならないといいます。木から落ちずに残っていた房にも影響が出ていました。
「ブドウ同士がぶつかって打撲とかになると、今は大丈夫だけどもしかしたら、10日後、20日後になると腐ったりというのがあるかもしれない。どうなるか、ちょっと心配ですね。どうしてもデリケートな作物なので」
100年以上続いている果樹園ですが、地震でここまで大きな被害を受けたのは初めてのことだといいます。
「今まで経験したことがないので、この畑自体もどうなることか心配ですね」
避難所 食料を求め大混雑
宇城市小川町の避難所では、地震発生から2日目を迎え、今も多くの人が避難をしています。
最大752人を収容できる避難所に、29日時点でその人数を大幅に超える915人が避難しているといいます。
入り口の付近では、食料品を配っています。中はかなり混雑していて、パンを配る列に行列ができています。奥にあるトイレの方までずらっと列が並んでいます。
食事の時間帯には、食料を求める人で通路は混雑していました。
避難した人
「(Q.どうしてここに?)一人暮らしだから、余震が怖いから。家の中は足の踏み場もない」
「(Q.今欲しいものは?)欲しいものは何もないけど、住むところです」
避難した人
「家が壊れちゃって、子どもが小さいので、安全のため避難所がいいかなと思って」
「(Q.欲しいものは?)家に帰りたい。でも壊れちゃった」
想定外…エアコン故障
地震により住む所を失うなど、さまざまな理由を抱えた人たちが身を寄せる避難所。そこで、想定外のトラブルが起きていました。
避難した人
「きのう(28日)はクーラーも入らないし、暑くてね」
避難した人
「エアコンが切れて、全部窓が開けて、開放されてたけど、すごく暑かったです」
厳しい暑さが続くなか、突然エアコンが動かなくなるというトラブルが発生。29日に復旧したものの、地震発生直後に避難してきた人たちは、熱気がこもる空間で一晩過ごすことを余儀なくされました。
避難所駐車場で車中泊も
小川町全域では、今も断水が続いています。
「もう大変。来る途中でも、水道管が破けて噴き出ている。家まで(水が)上がってこなくて、飲み水に困っています」
「(Q.蛇口をひねっても?)出ません。夕べから全然」
地震で家族が骨折し、給水に来られなかったという女性。不安は他にもあるといいます。
「何も飲み物がなくなっちゃったんで、2人なので、ちょっと多めにもらってきた」
「家の中は寝られないから車中泊。ガソリンもないからどうしようもなくて」
「(ガソリンの残りが)これくらいなんで、あんまり使うと…」
エアコンを使うために必要なガソリンも残りわずか。しかし、営業しているガソリンスタンドが少ないため、手に入れることが難しいといいます。
避難所の駐車場には、29日も車中泊で一夜を過ごそうとする人たちの姿が多くありました。
(2026年7月30日放送分より)
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