
28日に熊本県で発生した地震で爆発があったイオンモール熊本では、これまでに5人が死亡、3人の安否が分かっていません。
まだ「割れ残り」も また震度5弱
29日夜にも最大震度5弱を観測する地震が…。政府の調査委員会は断層の一部で「割れ残り」があり、震度7を起こした地震よりも大きな地震が起きる可能性があるとしています。
甚大な被害をもたらした熊本地震。球磨川にかかる橋の一部は崩れ、水の中に…。車は行き交いますが、町をつなぐ歩道に人の姿はありません。
そして、田園地帯の住宅は跡形もなく崩れ去り、明治時代から町を見守り続けてきた老舗菓子店も、1階部分は潰れてしまっています。
地震の余波は思わぬ所でも。南阿蘇村にあるガソリンスタンドに設置された防犯カメラ。地震発生から30分後、車が次々と給油に訪れているのが分かります。
給油所スタッフ
「通常うちのお店で1日で出る燃料が、2時間で出尽くしてしまったような感じ」
こうした「ガソリンの在庫切れ」は熊本市内でも起きていました。ガソリンスタンドには、在庫切れの表示がされています。
在庫切れで引き返す人
「(Q.何カ所か回られた?)回りましたよ」
「(Q.またこれから探しに?)そうですね…」
ガソリンを求め、長蛇の列ができていた所もありました。20台以上の車が列をなしていました。
燃料不足に関して、熊本県の木村敬知事は、次のように話しました。
「(ガソリンや生活物資は政府全体で対応するので)過度な買いしめに走らず、本当に必要な人への配慮をお願いしたい」
建物倒壊相次ぐ
熊本県氷川町を走る鹿児島本線の線路は、倒れた電柱でふさがれてしまっています。鹿児島本線を含む在来線は、30日も一部区間で運休が決まっています。
震度6強を観測した八代市。住宅の1階部分が潰れ、近くにいた人たちが住民の救助にあたります。
無事、家屋に埋もれていた住民が助け出されました。幸い、命に別状はないということです。
「街のシンボル」でもあった煙突は折れ、崩落。折れた煙突の先が工場内部にめり込んでいるのが分かります。
従業員ら11人が閉じ込められ、そのうち5人が死亡、2人がけが、4人の安否はまだ分かっていません。
道路を埋め尽くす消防車両。29日も懸命な救助活動が続いていました。
崩落した現場で救助活動を捉えた映像。辺り一面、崩れた破片が散乱、むき出しになった鉄筋が行く手を阻みます。
今回の地震で14人が死亡、少なくとも7人の安否が不明のままです。(29日夜時点)
「建物が大爆発」瞬間映像
地震発生から1時間20分ほど過ぎた28日午後5時50分ごろ。1台のタクシーが、従業員の送迎のためイオンモール内の駐車場で停車しました。
すると、爆発が発生。粉じんで前が全く見えなくなります。建物の壁が粉々に弾け飛び、大きな煙が広がります。
爆発の瞬間をスロー再生すると、建物の内側から爆発し、その勢いで壁が粉々になり、吹き飛ばされていく様子が分かります。
別の場所で撮影された映像では、建物の壁が横方向に吹き飛び、瞬く間に広がる煙。大きながれきが遠くまで飛ばされているのも分かります。
北に約400メートル離れた場所で撮影された映像です。煙が空に向かって大きく広がっていくのが分かります。
画面の奥には、すごい勢いで広がっていく煙が映し出されています。よく見ると、何かが降っているのが分かります。
みるみるうちに、撮影者が煙に巻き込まれます。車販売店ののぼりを見ると、強い風が吹いているのが分かります。
辺りはホワイトアウトのように、数十メートル先も見えない状態になってしまいました。
「突き上げるような音」
目の前で爆発が起こったタクシー運転手の日新交通・石島誠也さんは、こう話しました。
「目の前の壁が膨らんだという感じでブワ~ンって来た」
「(Q.壁が迫ってくるみたいに膨らんで?)そうです、そうです、はい。ガラスが割れると思って、ダッシュボードの下に身をかがめて、運よく破片は飛んでこなかった」
「(Q.すごい衝撃でした?)音はすごいですね」
イオンのすぐ近くに住む人は…。
付近の住民
「下から突き上げるような音でした。何だろうと思って。バ~ンとこう(下から)持ち上がるような感じですよね」
さらに、イオンから1キロ弱離れた場所で働いていた男性にも、話を聞きました。
「もう、もう、本当に地響き鳴るくらいのレベルで、火薬くさいにおいみたいな、ちょっと燃えたっぽいにおいもしたので。うわ~やばいなという感じ」
今も無事を願う家族ら
一方、29日、イオンモールの周辺には、連絡が取れなくなっている従業員の家族や知人の姿がありました。
妻と連絡がとれない男性
「地震があった直後は連絡がとれてたんですけど、夕方6時くらいから連絡がとれない状態で」
「子どもと一緒に家にいても落ち着かなくて」
男性は妻の安否を気遣い、28日、29日と2日続けて現場を訪れていました。妻は、損傷の激しいイオン2階のアパレル店の従業員です。
男性は中学1年生の息子に、こう伝えたといいます。
「爆発が起きた直後に携帯がつながらない状態なので、覚悟はしておかないといけないという話はしている」
イオンによると、5人が死亡、1人が心肺停止の状態で、いまだ3人の安否が分かっていません。
知人女性と連絡がとれない男性
「もう心配で、ちょっといてもたってもいられずにというか…」
知人であるイオンモール従業員の20代女性と連絡が取れず、29日午前中に駆け付けた男性。
「一言でも何か『いるよ』とか、短文というか、短い文でいいので、なんかくれたらいいんだけど、それがないというか、連絡が来ないということ自体がおかしいというか…」
普段だったら、どんなに長くても半日ほどで返事が来るはずの知人女性からは、音沙汰がないどころか、「既読」もつかない状態です。
崩れ落ちた女性の職場を見つめる男性…。
「本当に命あって、無事を祈るというか、願うだけ。それしかないのかな」
イオン社長が会見
これは陸上自衛隊のドローンが撮影した建物の内部。壁や床が崩壊し、原形をとどめているものはほとんど見当たりません。
人々が買い物を楽しんでいたショッピングモールとは思えない光景が広がっています。
爆発事故を受け、イオンの社長が会見を開きました。
イオン 吉田昭夫社長
「お亡くなりになられた方々にご冥福を申し上げるとともに、ご遺族の皆様に深く深くおわび申し上げます」
「このような爆発が起こるとは我々想定しきれませんでした。今までイオンモールをずっと営業してきた中で、こういったガス爆発、供給ガスによる事故というのはございませんでした」
長さ約550メートルの中に、約200のテナントや映画館が入居する大型ショッピングセンター。爆発する前の画像と比べると、南側の2階部分が激しく損傷し、100メートル以上にわたり外壁が吹き飛んでいます。
内部の映像を見ると、がれきが散乱し、天井からは電気系統のコードが垂れ下がっています。柱が倒れている様子も確認できます。
これは2017年の建物内の様子。通路の中央が大きな「吹き抜け構造」となっています。画面左側が損傷の激しかった南側。爆発が広がった方向です。
「原因調査中」
この大きな空間でのガス爆発。何が起きていたのでしょうか。
吉田社長
「基本的にショッピングセンターはすべてガスを使います。飲食店や館内空調を含めた設備に使用している。熊本ではLPガスを使っている」
2005年の開業当初からLPガスを使用し、飲食店などに供給していたといいます。
フロアマップを見ると、館内に飲食店は36店舗。1階はレストラン街、2階にはフードコートなどがあります。
「今回の爆発があった場所そのものには飲食店はなく、(ガス供給管)経路の途中になります。フードコートは東側」
建物の外にあるガスタンクから、損傷が激しい2階のフロアを通り、フードコートの飲食店にガスの供給管が走っていたといいます。
イオンモール熊本 飲食店従業員
「(地震発生後)しばらくしてイオンモールの事務所から、うちがレストラン街なのでガスを切っていくようなアナウンスがあったので、それを横で伝達していくような作業でした」
10年前の地震では、ガス管に被害はありませんでした。
吉田社長
「ガス管含めて新耐震基準というものが国内でございますので、その基準を満たす形での設計を全部イオンモールはしている」
ガス管には、地震の時などに作動する遮断弁が付いていたといいます。
「(LPガス)供給タンクに遮断弁がついている。また飲食店の中にはマルチで個別にもついています」
「(Q.一定の揺れがあると遮断)そうでございます」
今年3月と6月に定期点検を行っていたといいます。
イオンモール 大野惠司社長
「どこに問題があって、おそらくガスの可能性が高いですので、なぜガス爆発したのかということ、今、消防も含めて調査中でございます。まず人命救助、そちらを優先したうえで、原因追究を進めてまいりたい」
爆発の威力あらわに
29日夕方、一時的に規制線の中に入ることが許され、現場に近づき、撮影をすることができました。
そこであらわとなったのは、爆発の爪痕でした。
建物の壁面が、すべてなくなって柱だけになっています。そして骨組みがあらわになっています。
さらに進んでいくと、周辺には無数のコンクリート片が散らばり、路面は真っ白になっています。
また、駐車場にも粉じんをかぶった車があり、よく見ると車体はへこんでいて、窓ガラスも割れています。
吹き飛ばされた2階部分がしっかり見えます。2階は天井がもう崩落した状態で奥を見通すこともできません。ここから救助活動を行うというのは、かなり厳しいものだと思われます。
そこへ、自衛隊が入ってきました。そして、警察消防がイオンモールの建物の中に入っていきます。
現在も、安否不明となっている3人の救助活動が行われています。
(2026年7月30日放送分より)
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