【報ステ解説】酷暑での健康管理…避難生活・復旧活動で熱中症にならないためには

【報ステ解説】酷暑での健康管理…避難生活・復旧活動で熱中症にならないためには
この記事の写真をみる(8枚)

地震発生から3日目。いまだ復旧の入口。しかも、熊本では過酷な暑さがこれからも続きます。避難所での生活や復旧活動で心配されるのが、熱中症です。

【画像】【報ステ解説】酷暑での健康管理…避難生活・復旧活動で熱中症にならないためには

日本医科大学の横堀將司教授
拡大する

◆救命救急医で、能登半島地震では被災地でも活動された、日本医科大学の横堀將司教授に話を聞きます。

(Q.避難所に行かない人や、避難所にいても、水を飲むとトイレに行くので控えてしまう人もいるかと思いますが、熱中症にならないためには水分補給が必要。どうしたらいいでしょうか)

被災地の熱中症対策
拡大する

日本医科大学 横堀將司教授
「避難所では、どうしてもトイレを我慢して、水分を取らない方もいるかもしれないけど、のどが渇くとき、こまめに水分を取っていただきたいなと思います。例えば、1時間に1回、コップ半分でもいいですから、のどが潤される程度に、汗をかいた分だけ補充するような形で水分を取っていただきたいと思います。のどが乾かないようにすることが大事です。(乾いてしまったら)脱水症状の初期症状ということになりますので、のどが渇く前に水分をこまめにとっていただきたいと思います」

(Q.避難所でエアコンがない場合や停電している場合に、熱中症を防ぐために、さらにどうするのいいのでしょうか)

被災地の熱中症対策
拡大する

日本医科大学 横堀將司教授
「避難所でエアコンを使えないことあるかもしれませんけれども、窓を開けて、風通しのいい環境をつくっていただくということと、あとは直射日光を避けていただいて、日中であれば、屋内でも、比較的、涼しい場所に身を置いていただく。直射日光を避けるように、カーテンとかすだれといったものを有効に活用して、なんとか過ごしやすい環境をつくっていただきたいなと思います」

(Q.体を、直接、冷やす。手足を水につけるといったことも有効なのでしょうか)

日本医科大学 横堀將司教授
「そうですね。首の周りや足の付け根とか、そういったところを冷やすということも有効なんですけれども、それ以上に、手足に水をつけるというのも、体温を下げる有効の手段というふうにいわれています」

(Q.車中泊の方も多く、番組でも横堀先生の『エコノミークラス症候群の注意が必要で、マッサージをするほうがいい』というメッセージは伝えましたが、具体的にどういうマッサージがいいのでしょうか)

横堀將司教授
拡大する

日本医科大学 横堀將司教授
「まず、つま先を立てるように、上下に動かしてもらって、ふくらはぎの筋肉を動かしていただくということが大事です。あとは足首を回していただく。どうしても車中泊の場合というのは、足が下にいきますので、血液が重力によって、たまってしまう。あとは、足首の根元から下から上に上げて、しっかりとマッサージしていただく。こういったことによって、たまった血液を元に戻してあげるということが、足に血液の塊ができるのを予防するということになります」

(Q.なぜ、こういったマッサージが必要なのか、改めて、教えてください)

エコノミー症候群
拡大する

日本医科大学 横堀將司教授
「血管、静脈には弁がついていて、普通は歩いたり、運動をしたりしていると、この血液が自然と戻ってくるが、例えば、車中泊で足だけ下に置いて、長い間いると、どうしても血液の循環が悪くなるんです。そういったところで、血液がうっ滞することによって、血液の塊ができて、それが肺の血管を詰まらせてしまう。これ(血栓)が飛んでいっちゃって、肺の血管を詰まらせるようになると、そこで息が苦しくなったり、あるいは胸が痛くなったり、胸痛を感じたりすることがあるんですね」

(Q.ちょっとしたマッサージでも、血栓が飛ぶようなことを予防することができるということですね)

日本医科大学 横堀將司教授
「特に、筋肉を動かすことによって、あるいは筋肉をもんであげることによって、余分な血液を外に、元に戻してあげる。心臓側に戻してあげるということが大事だと思います」

(Q.高齢の方に話を聞くと『今は気が張ってるから大丈夫』と言うのですが、『もうしばらくすると疲れがどっと出てきそう』といいます。長期戦となることも予想されるなかで、特に健康面・心理面も含めて、気をつけていくべき点はどういうところでしょうか)

横堀將司教授
拡大する

日本医科大学 横堀將司教授
「地震が起きてから、3日ぐらい経って、少し気が張ってるところが収まってくると、今度は、いわゆる、急性ストレス障害といいますけれども、フラッシュバックのような再体験、つらい思いをもう1回、思い出したりとか。あるいは、夜寝れなくなってしまったりとか。うつ病のような抑鬱状態になってしまうということがあります。なので、こういった時期ですからこそ、もし、そういった症状、寝れないなとか、つらい思いをもう1回感じちゃったというときは、少しゆっくりと休んでいただくということ。あとは、地震のときの映像みたいなものから少し距離を置いていただくという対応をしていただく。あとは、もし、こういった症状が出るようであれば、躊躇なく近くの医療者の方、避難所の方に声をかけていただきたいなと思います」

(Q.避難生活はどうに送っていったらいいのでしょうか。何かリズムとかそういったものはどうでしょうか)

日本医科大学 横堀將司教授
「避難所の生活で、非常に制限されているなかで、なかなか普段のリズムを取り戻すというのは難しいと思うのですが、例えば、ご飯をしっかり食べていただく。水分が取れるようであれば水分を取っていただく。そして、睡眠をできるだけ取ってお休みいただく。暑い時期はそれを避けて活動していただく。そういった少しずつの取り組みというか工夫で、なんとか乗り切っていただきたいなと思います」

(Q.これから復旧作業が本格化してくると思いますが、気をつけるべきことを教えてください)

横堀將司教授
拡大する

日本医科大学 横堀將司教授
「特に、熱中症は、予防できる災害ともいわれています。しかしながら、被災地で皆さん一生懸命頑張っていて、やれることも少ない、やれることもそんなに多くないと思います。でも、少しずつの工夫をしていただいて、お体を休めるときはしっかり休んでいただいて、人のつながりを持って、対処していただけたらなと思います」

(Q.どのくらいの時間、休憩をとったほうがいいとかという目安はありますか)

日本医科大学 横堀將司教授
例えば、本当に重労働、重作業であれば、本当に暑いとき、酷暑日に近いようなときは、15分間、作業したあとは、45分間休んでいただく。それくらいのスケジュール、余裕を持って、対応していただきたいなと思います」

この記事の画像一覧
外部リンク
この記事の写真をみる(8枚)
このまま画像を見る
続きは広告を見た後にご覧いただけます
クリックして広告を見る