
今回被災した熊本は、30日も県内の各地で35℃以上の猛暑日となりました。嘉島町の農家は10年前の地震や去年の豪雨でも被害を受けました。その農業用ハウスが今回被災し、厳しい暑さの中での復旧作業となっています。
【画像】土壁が剥がれ落ち散乱 地震直後の飲食店内 熊本・宇城市
ミニトマト農家にも被害
30日、28日に発生した地震の震度が6強で確定した嘉島町では、農家にも被害がありました。
藤瀬農園 藤瀬修さん
「(Q.イオンモールが見える)直線距離で2キロほど。爆音的なのが聞こえました」
熊本県はトマトとミニトマトの生産量が全国1位。藤瀬さんもハウスでミニトマトを栽培していますが、ハウス内では、設置された高さ5メートルの貯水タンクが、地震の揺れにより倒れてしまいました。
倒れた直後の映像では、水が辺り一面に広がり、物も流されてしまったのか、散乱しています。
「(Q.こちらもハウス突き破ってますね)機材とか別の貯水タンクもつぶれて破損した。ミニトマトを作る栽培室、今の時期重要なミストをふかせる電気信号だったり、水をため込むタンクだったんですけど、今は使えない」
地震や豪雨…続く被災
藤瀬さんのハウスが大きな被害に遭ったのは、今回が初めてではありません。
「10年前も2度、震度7の揺れがあり、被害はすごく大きかった。ハウス全体の修理修繕、その他、すぐに復旧できない被害でした」
10年前の地震では、収穫が3割ほど減ってしまいました。それでもなんとか立て直しましたが、今度は、去年8月、九州北部で相次いで線状降水帯が発生。熊本県内でも各地に大雨特別警報が発表され、至る所が冠水被害に…。
大雨で藤瀬さんのハウスも浸水。作物が水没してしまい、20トン収穫する予定だったミニトマトが5トンにまで減り、甚大な被害をもたらしました。
10年前の熊本地震に、去年の豪雨。今回、またしても大きな地震に見舞われ、さらに記録的な暑さによって深刻な影響が心配されます。
30日、嘉島町周辺の最高気温は35.2℃でした。
「今の暑さが40℃近くあるし、ハウスの中はそれ以上。すごく今つらいですけど、やるしかない」
深刻被害 片付け作業続く
宇城市で飲食店「肉の二九月」を営む岩本小百合さん。築60年ほどの店舗が大きな被害に遭いました。
「まだ片づけの最中なんですけども…」
「(Q.これは今、何を掃いているのですか?)昔の家なので、土壁なんですよ。その土壁が下に落ちてきて、砂というか、こんな状態ですね」
元々は精肉店を営んでいましたが、2年ほど前に改装し、飲食店を始めたばかりでした。
地震直後の店内の様子を見ると、椅子は倒れ、割り箸などが床に散らばっています。キッチンもレンジやカゴなどが落ちて、床が見えない状態に…。天井や壁からは、土壁が剥がれ落ち、床に散乱。片付け作業に追われていました。
「孫がね、こうやって手伝ってくれて」
地震の瞬間は外出していたという岩本さん。急いで店に戻ると…。
「瓦がここ一面、落ちていましたね。帰ってきた時は」
「(Q.これが全部落ちてきた瓦ですか?)そうです、そうです。(ブルーシートで)補修したのですけど、これで雨でも降ってきたら大変ですね」
10年前に被災した時と比べて、今回の地震では屋根瓦の被害が大きかったといいます。
自宅は停電と断水
そして自宅は…。
「一番困るのはトイレですよね。飲み水もなんですけど」
岩本さんが住む地域は、地震の直後に停電と断水。翌朝、電気は復旧しましたが、断水は続きました。脱衣所には水が置いてありました。
「(Q.これは何のお水ですか?)緊急用に組合の皆さんがくんできてくださった。トイレ用にしてって」
桶に入っているのは、飲食店組合の仲間が届けてくれた水。この水をトイレのタンクに入れて、しのいだそうです。
そして、30日午後5時ごろ、2日ぶりに水道が復旧しました。
岩本さんの長男 武士さん
「いつ出なくなるか分からないので、浴槽の方に水だけためておこうかなと…」
「(Q.すぐにために来た?)そうですね」
「(Q.きょうはお風呂に入れそうですか?)(水が)出たので、入れるかなって。うれしいです。本当にありがたいですね」
岩本さんは、この10年の間に2度の大きな地震に見舞われました。
「まずは片付けをして…先のことはまだ考えられませんね。頑張るしかないかな」
自宅が被災し車中泊
30日、周辺の最高気温が35.2℃となった氷川町。最大震度は7。住宅の倒壊など大きな被害が出ていますが、被災した自宅の様子を見に来た女性に家の中を見せてもらいました。
「(水が)1滴も出ません」
自宅は断水、そして停電したままでした。室内の温度計は32℃を示していますが…。
「(エアコンは)動かない。電気がないから。電気って大事ですね」
この女性、現在は車中泊をしているといいます。
車中泊「体を伸ばしたい」
実は氷川町、避難先として多くの人が車を利用しています。
約50年住んだ自宅が倒壊
津田球太郎さん(81)
「関節がかたくなってしまう。布団の上で体を伸ばして休みたい」
猛暑の中、なぜ人々は車中泊を選んでいるのでしょうか。その理由の一つが「避難所不足」です。
「体育館のような広い所で、敷物があって、ある程度背伸びをして、ゆっくりできるような場所がもっとできるとね」
氷川町によると、災害時には町内5つの小・中学校に避難所を設置するといいますが、現在は3カ所しか使われていません。
残りの2カ所は電気が通っておらず、避難できないそうです。
避難所「床に雑魚寝」状態
最大震度7を観測した宇城市では…。避難所となっている体育館を訪れてみると、入ってすぐのロビーに多くの人が寝転んでいました。
施設内はエアコンが効いているため涼しいものの、床に段ボールを敷き、そのまま寝る人。段ボールの上に毛布を敷く人など「床に雑魚寝」といった状態です。
避難した人
「(Q.ここで寝て体痛くならない?)痛いからあっちこっちから(毛布などを)持ってきている。毛布はあそこの段ボールの中に使ってくださいって置いてあった。やっときょうあったから借りました」
「(Q.きょうまでは毛布なかった?)はい、何もなくて」
避難してきても、床に敷ける毛布はなかったといいます。
(2026年7月31日放送分より)
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