
今も9000人以上が避難を余儀なくされているなか、断水の影響で地域を支える病院では、手術ができない事態となっています。被災した自治体が今、何を必要としているのか、その声を聞きました。
“手術できない”外来診療中止
緑のエリアでは熱中症や擦り傷を訴える患者がいます。八代市にある熊本労災病院です。患者は赤・黄・緑、色によってトリアージされ、緑は軽傷です。
普段、内視鏡の検査を行うスペースでは、骨折など症状が重い、黄の患者を処置しています。
医師(黄エリア)
「災害当初48時間くらいまで外傷が多くを占めていた。やはり骨折患者。震災から3日経って熱中症であるとか、近隣の病院が開いていないので震災関連の合併症も増えている」
現在、この病院では外来診療と手術を取りやめています。
発生当日は、震度6強の地震がこの病院を襲いました。天井は剥がれ落ち、配線がむき出しになっています。別の場所では、天井に設置された空調のダクトが飛び出しています。壁に亀裂が入っている場所も…。
熊本労災病院 松岡雅雄院長
「ここも浸水しました」
「地下水の装置が損傷を受けていて、それが問題です」
スプリンクラーが壊れて水漏れをしたり、建物のつなぎ目がゆがむなどの被害があったということです。
今回の被害を受け、九州各地から医療従事者約200人が集まっています。人は集まっていますが、関係者を悩ませているのは別の問題です。
「かなり長い期間持つ自家発電がある。だから電気は大丈夫だが、水が問題」
このまま断水が続くと、手術が再開できないといいます。
「(Q.手術ができない?)地震の影響で水が供給されなくなって。水が必要。オートクレーブという高圧蒸気で滅菌する装置が動かない。あと検査する機械にも水が必要で、手術後の重要な検査ができない。苦渋の決断でしたけど、手術が必要な患者は被災していない病院に搬送する」
厚生労働省によると、県内で83の病院が被災し、その多くで断水が続いています。
障害者施設 断水に戸惑い
障害者施設も、278の施設が被災しています。
清流会 氷川学園 管理者
村山智さん
「午後4時半ごろですかね。おやつを食べて、皆さんゆっくりしてる時だったかなとは思いますね」
震度7を観測した氷川町にある障害者施設では、高齢者が1人転倒し、骨折したということです。
入所者は38人、停電のため屋外に避難し、車にクーラーを入れ、夜まで車の中で過ごしたそうです。
「(Q.その間もケアを)排泄(はいせつ)も含めて、ポータブルトイレをバスの外に用意して、パーティションで囲んでトイレ。環境が変わるので、難しい方もいて失敗だったり」
障害者施設では、着替え、排泄も自力で困難な人もいます。
電気は30日に復旧したものの、断水は今も続いています。
31日はペットボトルの水が届きました。
県職員
「水はまだ持ってきたほうがいいですか?持ってきたほうがいいならまだ向こうに待たしている」
施設職員
「水は届いてはいるのですが、まだ1カ月続くと」
浄水場への導水管が大きく破損したことで、氷川町では水を作ることができない状況で、復旧の見通しは立っていません。
村山さん
「厳しいですね、お風呂がまず利用できない。洗濯ができないのが一番困っている」
「(Q.衛生面はどうしてる)洗濯物は最小限の着替え」
必要なのは介助に必要な生活用水です。さらに…。
「(Q.職員も被災者)車中泊で生活をしながら出勤」
足りないものだらけの被災地で、今、本当に必要なものは。
ガソリン不足スタンド行列
施設職員
「空っぽに近い状態ですけど」
ガソリンも不足しています。
村山さん
「きのうも車を(ガソリン)スタンドに持って行って、40分~1時間待ち…」
30日も職員3人がかりで、ガソリンを探しに行ったそうです。ガソリンを求める車の行列は31日も続いています。
「ガソリンがなくなると、職員が来られなくなる。片付けするのも車が必要。それも使えなくなる。職員に出勤してもらわないと支援は成り立たない。利用者の命を守るためにはケアを続けていかないといけない」
その職員自身も、被災者です。
「避難所、車中泊という生活をしながら出勤している。なかなか家の片付けもうまくいかないのかな」
(2026年7月31日放送分より)
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