
今回の地震では、多くの名湯を抱える熊本県の観光業にも大きな影響が出ています。2016年の熊本地震から奇跡の復活を遂げながらも再び地震に襲われた温泉旅館の思いを取材しました。
【画像】被災地で広がる支援の輪 キッチンカーで振る舞われる手作り料理
有志の「洗濯代行」始まる
15日連続の猛暑日を記録した熊本。八代市内の中学校には、被災者が大きく膨らんだ荷物を抱え、集まっていました。
被災者
「毎日、洗濯は出るので助かります」
手にしていたのは洗濯ものです。断水が続く八代市で、被災者の洗濯を代行する支援が始まったのです。
「ありがたいです。自宅は電気だけ通っていて、水道は断水中。どうしても汗をかいてしまうし」
支援にあたっているのは、クリーニング師の資格を持つ有志のチームです。能登半島地震をきっかけに活動を始めました。
DSAT 災害洗濯支援チーム
中村祐一代表
「地元のクリーニング屋さんと連携をして支援をするのを大事にしているので、そういった意味でも住民とクリーニング屋さん両方への支援になっているので、僕らとしてもうれしい」
被災地で広がる支援の輪。八代市の避難所では、ずらりと行列ができていました。皆さん、心待ちにしているのはキッチンカーで振る舞われる手作り料理です。
キッチンカーの利用者
「これ、タコライスです。あったかいのを食べて振る舞ってくださるから、すごく人のぬくもりを感じますね」
ソフトクリームを提供しているキッチンカーです。
「おいしい!」
「子どもたちがアイスとか全然食べていないので、すごく喜んでいます」
ソフトクリームを提供している女性は、南阿蘇村から2時間半かけて駆け付けたといいます。
キッチンカー(南阿蘇村から)
「私たちは10年前の熊本地震の時に、阿蘇大橋が落ちたような地区なので、その時に皆さんから助けていただいたので、こういう時は(支援に)行こうと」
10年前に受けた支援の“恩返し”でもあるといいます。
旅館は数千万円の損失に
今回の地震、南阿蘇村では最大震度5弱を観測しました。幸い大きな被害は確認されていません。しかし、観光への影響が出始めています。
南阿蘇村にある地獄温泉の河津誠社長は、創業200年を超える老舗旅館「青風荘.」を営んでいます。
名物は全国の温泉ファンに知られる「すずめの湯」です。源泉に直接入ることができる“奇跡の湯”として知られています。
河津社長
「これが奇跡なのは、濁っていてガスも泥も含むと、70℃超えていて入れないんですよ。奇跡的にここから冷たいのが湧く」
今回の地震による被害はほとんどありませんでしたが、安全面を考え、3日間営業を自粛しました。現在は営業を再開しています。しかし…。
「3日の間にもがんがんキャンセルが入っています。大切な夏休みシーズン、秋の観光シーズン、年末年始が全く見えなくなりました」
本来、夏休みの8月は1年を通して最も多くの宿泊客が訪れる月です。
「確実に売り上げの予想ができる月が“おじゃん”になっちゃった形で、今の時点でも5割はキャンセルいただいているので、数千万円の損失がはっきりしているということです」
応援できる形はさまざま
この10年間、旅館は何度も苦難に直面してきました。2016年の熊本地震とその後の大雨で、裏手の山が崩れ土石流にのみ込まれる被害を受けました。
河津社長
「いやいや大変なことになりましたね」(2016年)
泥をかき出すことから始まった地獄温泉の復興。旅館の一部が再開してからもコロナ禍や物価高などに見舞われました。
「4月に(地震から)10年目を迎えて乗り越えたところで、これからもっと良くしていくぞというところで、また足をくじかれちゃいました。神様のいたずらとしてはちょっとやり過ぎかなと」
河津さんは観光という形からも熊本への応援をしてほしいと訴えます。
「年明けたら積極的に九州に行ってみよう、応援してみようとか、熊本の県産品をできるだけ買おうとか、直接来られなくても応援ができる形もあるので、今すぐにとは言いませんので、少しずつ心の中に広げていただけたら熊本全体が少し助かっていくんじゃないかなと思います」
(2026年8月3日放送分より)
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