
熊本に対して支援の輪が広がってきています。ただ、避難所にいない被災者のもとにはなかなか物資が届きづらいという課題も見えてきています。
広がる支援の輪
訪れたのは、震度6強を観測し、大きな被害を受けた八代市鏡町。倒壊した家屋、散乱する家具、そして今回の地震でけがをした人も。
地元住民
「食器棚が倒れてきて、ここ(腰)に当たって圧迫骨折」
避難しているガレージの横にある自宅は倒壊していました。
「(Q.この下に倒れているのが食器棚?)食器棚。向こうの冷蔵庫は起こした」
倒壊した家の盗難被害を危惧して、ここで寝泊まりしているといいます。
被災地には全国から支援の輪が広がっています。
八代市内にある避難所には、水や食料品など数多くの支援物資が届けられています。
市の担当者
「避難所だけではさばききれないほどの水などがあるので」
※2日午後2時半時点
物資が届きづらい課題
しかし、取材の中では。
「(Q.水はどうしている?)全部もらう」
「全部差し入れでもらう」
こちらの住民は避難所へは行かず、自宅周辺で生活。水は全部、差し入れでまかなっているといいます。すると…。
「ありがとう。こういう感じ」
「(Q.避難所はあるじゃないですか)食料はなかったろ。水はタンクにくんで2リットルずつ。何もない」
避難所の物資ではなく、友人たちからの差し入れを分け合いながら過ごしているといいます。
こちらの男性は次のように話します。
地元住民
「物資が足りないだろうと、大分の国東から5~6時間以上かけて、夜中から走って、きのう物資を届けてもらって、なんとかやっているという感じ」
95歳の母親と生後3カ月の孫がいるため、市内の妻の実家へ避難。そこに大分の親戚が長時間をかけて物資を届けてくれたといいます。
実は今、避難所外の被災者の手元には物資が届きづらい現状があるといいます。
避難所にアクセス困難
氷川町吉本地区では、避難所に行けない物理的な問題が発生していました。
宮川竜治さん
「ちょっと道が寸断された状態で孤立していた」
吉本地区に通じる道路4本のうち、3本が地震によって通れなくなり、避難所への移動が困難となっていたのです。※1日時点
そこで、避難所に行けない住民同士で屋外にテントを張って仮設の避難所を設置。物資については、運転のできる若者が数時間かけて食料やガソリンを調達し、集落まで運んでいるといいますが…。
「これがもう10日以上続いたら、体も精神的にももたない」
このように、避難所にアクセスしづらい被災者をどう支援するのかが、今、課題となっています。
「SNS見られない」人にも
さらに、物資が住民一人ひとりに行き渡らない背景には別の理由もあると、被災者支援に当たる青年会議所のスタッフは指摘します。
八代青年会議所 スタッフ
「今、SNSで私たちも拡散はしているんですけど、テレビとかは皆さん見られるんですけど、SNSを見られない人は、なかなか情報が届かない」
情報発信の多くはSNSが中心で、SNSを利用していない高齢者などには、物資の配給に関する情報が十分に届いていないといいます。
こうした中、八代市の青年会議所にも全国の支部から多くの支援物資が寄せられています。
そこで、青年会議所では地域の状況を電話などで確認しながら、避難所に来られない人たちへ直接物資を届ける取り組みを進めています。
スタッフ
「井揚町の市営住宅とか、鏡町のほうの中次団地、どっちも市営住宅なんですけど、結構、車を持っていない高齢の方とか多くて、密集した団地にはなっているので」
この日は、複数の班に分かれて支援物資を配ることに決めました。
「こんにちは。八代青年会議所なんですけど、今お水を配っていまして、断水しているとお聞きしたので」
住人
「助かります。やっと来ました。良かったです」
支援を喜ぶ声が聞かれる一方で、一軒一軒を回る難しさもあります。
避難しているのか、それとも空き家なのか。応答がない住宅も少なくないのが実情です。それでも、水を手渡しで受け取った住人からは…。
「非常に助かる」
「(Q.この辺りは物資配給するとかは?)何にも広報がないから分からない」
「(Q.携帯とかあれば(自治体が)いろいろやっているが)だって、もう字がまともに見えないし、携帯電話の字なんか小さいでしょ。メールの字なんか見えないです」
行政との連携課題
さらにこの日は、オムツなどの支援物資やおにぎり弁当などを持って介護施設も回ります。
八代青年会議所 スタッフ
「今週、また平日も誰かが持ってくるとかはできると思う。また必要な時、連絡して」
介護施設スタッフ
「(物資を)取りに行くということは、ほぼ無理。施設内にいらっしゃる方々を中心にケアをしておりますので、やっぱり抜けていくということは難しい」
被災者一人ひとりがそれぞれ異なる事情を抱える一方で、自治体のマンパワーにも限界があります。
必要な支援物資を必要な人へ。行政と支援団体のより一層の連携の必要性を訴えています。
八代青年会議所
柳口崇理事長
「例えば市役所とかに電話していただいて、『こういうことできませんか?』っていうのを聞いていただいて、こっち(八代青年会議所)に振っていただくとか、そういった(行政との)連携をすることが必要なのかな」
(2026年8月3日放送分より)
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