
熊本では連日、猛暑が続いていて3日は40℃と、観測史上初めての酷暑日となる予想です。
10年前の経験から備えも…
3000人以上が避難している宇城市。多くの人が身を寄せ合う避難所の駐車場には、たくさんの車が並んでいました。
その中にいたのは70代の男性です。
「うちはね、一人暮らしなんですよ。水が出ない。エアコンも壊れてしまった。家にいられないし、がれきがすごいし、モルタルが中も外も。帰れないです」
自宅が全壊してしまったため、車中泊を強いられているといいます。
「この辺で我慢しておるよ。ちょっと暑くてもね、1人でおったほうがいい」
日中は40℃に迫る暑さ。木陰で過ごし、暑さをしのいでいるという男性。熱中症にならないよう、クーラーボックスの中には水やお茶など冷たい飲み物を用意しています。
10年前も熊本で被災した男性。車の中に積まれていたのは…。
「IHと小型発電機」
発電機と電気で動くクッキングヒーター。10年前の経験から備えていたといいます。
「ガソリンをね、並んでから、きのう入れたんですよ。それでも20リットル限定でね。きのうとおととい並んだから、やっと満タンでね。車中泊って結構ね、燃料くうんですよ。2メモリーぐらい減る。4分の1ぐらい減ったね」
さらに、車中泊で苦しいと訴えるのは…。
「足をあげて(寝ている)」
「(Q.寝返りは打てないですよね)はい」
「やっぱり関連死とかあるけんね。ちょっと無理しないようにしないと危ないね」
運転席で眠ろうとしても、狭くて眠ることができなかったという男性。ふくらはぎの痛みがなかなか取れないといいます。
心配した娘の提案で、夜だけ家に泊めてもらうことにしたそうです。
訪問看護「継続した医療」
この暑さは、被災地の高齢者にも大きな負担をかけています。
氷川町の高齢者施設では、地震後、停電の影響で2日間冷房が使えない状況に。約80人の入所者のほとんどに熱中症の症状が出て、20人余りが搬送されたといいます。
さらに被災地には、訪問看護を必要とする高齢者もいます。
訪問看護ステーションCruto
看護師 江藤聡美さん(38)
「うわーすごいですね」
車窓から見える、傾いた家や崩れた石垣。看護師の江藤さんは、被災地で訪問看護を行っています。
着いたのは宇城市の高齢者施設です。
江藤さん
「おはようございます。お世話になります」
「体調は変わりないですか?」
70代 男性
「はい」
こちらの70代の男性。一人暮らしで、もともと訪問看護を受けていましたが、地震で自宅が被災して住めない状態に。近所の人に助けられ、この施設に避難してきました。
男性
「(Q.ご自宅はいかがでした、大丈夫でした?)大丈夫じゃないですね…。むちゃくちゃです。タンスも倒れてですね。電気は止まったですね、水道も出ません」
けがをした足の消毒と治療を終えると、休む間もなく次の利用者のもとへ向かいます。
江藤さん
「(Q.この暑さの中、訪問看護も大変ですよね?)暑いですよね。でも利用者さんたちがいらっしゃるんで、そんな暑いとかは言っていられないです」
江藤さんが所属する会社は、爆発事故のあったイオンモールのすぐ近く。スタッフの中には、被災した人もいるといいます。
江藤さんの自宅も、地震直後は家財道具などが倒れ、断水。今は解消したものの、まだ濁った水が出ることもあるといいます。
「おお、エアコンつけていますね」
70代で一人暮らしの女性。電気は復旧しましたが、まだ断水したままです。
江藤さん
「水は?」
70代女性
「これ」
近所に住む娘が届けてくれる水を、少しずつ使うのだといいます。
「大変というか、暑いんですよね。外が暑くて出られないという状態なので」
この暑さの中、一人で水をくみに行けないといいます。風呂にも入れないため、江藤さんに体を拭いてもらいます。
70代女性
「来てもらえるってだけで、なんか気持ちが落ち着いてくるんですね。ほんと助かっています」
利用者一人ひとりに合った看護を心がけているという江藤さん。
江藤さん
「おじゃまします。暑うございます」
こちらの80代の女性も一人暮らし。ついつい水分を取るのを忘れるということで、経口補水液を持参しました。
江藤さん
「私が見ている前で飲んでいただこうかな?」
80代女性
「ああ、おいしか」
この日、江藤さんが回ったのは8件です。
江藤さん
「やっぱり、医療を止めるわけにはいかないので。私たちが行くことで継続した医療を提供できると思っていますので。本当に今、どこも今、踏ん張り時ですよね。この暑さとも戦いながら、がんばっていくしかないかなという状況です」
「全然見通しがつかない」
危険な暑さの中、行われていたのは住宅の復旧作業。熊本県で造園会社を営む株式会社山猿・山本辰太朗さん(36)。地震発生から連日、ボランティア活動を続けています。
「こういう暑い中で、復旧作業されている中で、熱中症とかになられてしまう可能性もあるんで。そうなってしまった時に救急車が入れない。そういうことで困らないようにですね、優先順位が高いというふうに判断をして、ブロック塀の撤去ですね」
今、最優先で取り組んでいるのは、救急車など「緊急車両が通れる道」を確保することだといいます。
「(Q.危険な暑さですけど…)大丈夫ではないですね…。外仕事慣れている私たちでも、さすがにちょっと堪えるところはあるんですけど…」
「こうやって誰かの助けになって、やろうっていう方が増えればいいなと思って」
ヘルメットからは大量の汗。体力を奪う暑さの中でも、作業を続けます。
「3分に1回は必ず電話がかかってきます。すごい時には、30秒に1回とか」
作業中、鳴り続ける電話。がれきの撤去や屋根の補修など、問い合わせは一日に100件以上に上ります。
「すぐにでも行きたいのは山々なんですけど、1日100件ぐらいお電話いただいていて、結構お待たせしてしまうとは思うんですよね…。全然見通しがつかないような感じになっているんですよ」
復旧が進まない中、この暑さは被災者の生活に影響を及ぼしています。
「正直ですね、ご依頼いただいた方は、決して満足はされないのではないかなと思っているんですけど。自分たちが行うのは、もう日常の生活に戻すっていうことは、今できていないので、あくまでも応急処置なんで。大変なのはこれからだと思うんですよね」
(2026年8月3日放送分より)
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