
来年4月からの食料品の消費税1%への引き下げを、政府は5日にも閣議決定する考えだ。財源の曖昧(あいまい)さなどから反対論もあるなか、消費税減税は理解を得られるのだろうか。
消費税減税案に賛意と異論
食料品の消費税減税は、5日に閣議決定される方針だ。財源は示されるのだろうか。
2029年以降に本格導入を目指す「給付付き税額控除」の対象は、3つの案が示されている。
まずは、来年4月からの食料品の消費税1%への引き下げについて見ていく。財源に懸念が出ている。
高市早苗総理大臣は、来年4月から2年間、飲食料品の消費税を1%に引き下げたうえで、中低所得者には(1%分の)給付を行い「実質ゼロ」にする方針を示している。
消費税の「実質ゼロ」で、政府は国民1人あたり年間およそ3万6000円の減税になると試算をしている。
一方、2年間でおよそ10兆円の財源が必要になるとしている。
財源について高市総理は、先月30日に「財源確保の具体像は予算編成の過程で示す」と述べたが、自民党内からは異論も出ている。
石破茂前総理は3日、「安定的な財源は見つかっていない、というのが今の状況だ。社会保障のお金もこれからどんどん増える」と苦言を呈した。
そんななか、政府は5日にも閣議決定する考えだという。
自民党は3日、「税制調査会」と「社会保障制度調査会」の合同会議で消費税減税を大筋で了承。小野寺五典税調会長に対応を一任するとした。5日に自民党の総務会を経て、閣議決定する方針だという。
消費税減税に対して、会議では賛成65・反対9・中立1と賛成意見が8割を超えた。
賛成意見として、山田宏参院議員は「高市総理は公約を一番重く考えている」「(実現しなければ)自民党の信頼は地に落ちる」と発言した。
一方、反対意見として、小渕優子元経産大臣が「きょうも財源は示されなかった。つけは次世代に回っていく」と疑問を呈した。
中低所得者に給付を先行?
では、財源は一体どこにあるのか。
高市総理は先月30日、「財源は市場の信認を得られるように特例公債に頼らずに確保する」と述べている。
財源案として挙がっているのが、為替介入のための外貨建ての資産「外為特会」などによる税外収入や、企業などへの特例的な減税「租税特別措置」「補助金」の見直しだ。
ただ、それぞれ課題もある。
2025年度の外為特会は、保有する外貨資産の利子から5兆565億円の余剰金が発生したが、一部は防衛財源に充てられるほか、年末にさらなる防衛費増を検討しているため、そのしわ寄せが懸念されているという。
また、「租税特別措置」や「補助金」の見直しについては、各省庁が自己点検をしたところ、廃止は1つだけだった。どの程度捻出できるかは見通せない状況のようだ。
2029年以降に本格導入を目指す「給付付き税額控除」に新たな動きが出ている。
2029年以降に始まる予定の「給付付き税額控除」だが、来年、先行導入される可能性がある。
高市総理は先月30日、「物価高や税・社会保険料負担に苦しんできた中低所得の方の負担軽減が最重要課題だと認識している」と述べ、飲食料品の消費税1%分の税収およそ6000億円を中低所得者に給付するとしている。
これによって消費税「実質ゼロ」を実現するということだ。
国民会議の「中間とりまとめ案」によると、給付の内容は中低所得の現役勤労者に給付をすること、公的機関が保有する所得情報を活用すること、子どもの人数に応じて加算することだという。
これらを来年6月以降に先行導入するとしている。
金融資産の把握課題
では、誰が給付の対象になるのだろうか。2029年以降の本格導入に向けた動きも出てきている。
先月29日に開かれた社会保障国民会議では「所得に連動したきめ細かな給付」を2029年度に本格導入することを、中間とりまとめに盛り込んだ。
新たな給付は、中低所得の現役勤労者の負担軽減が目的で一定の勤労性の所得があり、税・社会保険料負担がある人が対象となる。
給付が始まる「一定の勤労性の所得」には、3つの案がある。
給与収入が年およそ53万円を超える雇用保険の適用ライン、年74万円を超える所得税が発生するライン、年およそ106万円を超える短時間労働者の社会保険の加入ライン、の3つだ。
また、所得の上限を超えた場合、給付額を減らしていくという。
では、金融資産はどう把握するのか。
国民会議の「中間とりまとめ案」では、「金融所得」「資産保有による経済力」などを考慮し、制度を精緻化(せいちか)することを検討課題にしている。
日米協調で円高進行
アメリカ東部時間の7月31日、日米が協調介入に踏み切った。
(2026年8月4日放送分より)
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