【これまでの経緯】FIFAが投資計画案撤回するも…インファンティーノ会長に対してUEFAは不信任表明「ボイコット解除の条件整わず」

FIFA(国際サッカー連盟)は7月28日、ワールドカップなどを管理する子会社を新たに設立して投資を募る計画を発表しました。
しかし、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)など世界中の連盟から批判が相次ぎ、投資計画案を撤回。

FIFA会長が国連トップに?

それだけでは騒動は収まらず、2027年3月のFIFA会長選挙で無投票で再選されるとみられていたFIFAのインファンティーノ会長を、次の会長選挙で「支持しない」と表明するサッカー協会が相次ぐ事態に発展しています。

これまでの経緯を振り返ります。

サッカー3連盟がFIFA批判の公開書簡(8月11日)

ヨーロッパ、アジアなど3つのサッカー連盟が共同でFIFAを批判する公開書簡を発表しました。撤回に追い込まれた投資計画について「第三者による検証」などを求めています。

10日に公開書簡を発表したのは、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)と、AFC(アジアサッカー連盟)と、Concacaf(北中米・カリブ海サッカー連盟)です。

公開書簡はまず、「リーダーシップとはサッカーにかかわるすべての人への奉仕であり、集団よりも自分を優先することではない」とFIFAのインファンティーノ会長の姿勢を批判しました。

そのうえで、ワールドカップなどの権利を民間に売却しようとした計画について「手続き上のミスではなく提案自体が根本的に間違っている」として「完全に独立した第三者による調査」を求めています。

UEFAがFIFA会長不信任を改めて表明「ボイコット解除の条件整わず」(8月6日)

UEFAは、「FIFAの大会のボイコットを解除する条件は整っていない」とする声明を公表しました。

FIFAは5日、撤回に追い込まれた投資計画について「別の方法で進めるべきだった」などと謝罪する一方で、インファンティーノ会長を全面的に支持する声明を発表しています。

これに対して、FIFAの大会のボイコットを宣言していたUEFAは「計画の撤回と再発防止がボイコット解除の条件だが、まだ整っていない」とする声明を新たに発表しました。

さらに、「FIFAの声明は、会長のご機嫌次第で出世が決まるメンバーが賛成したものであり、何も変わらない」とFIFAを厳しく批判しています。

9月5日からポーランドでFIFA U-20女子ワールドカップ2026が開催される予定で、影響が懸念されます。

FIFAが謝罪声明 投資計画「別の方法で進めるべきだった」
(8月5日)

FIFAは批判を集めた投資計画を巡り、謝罪の声明を発表しました。
一方、会長に対しては支持を表明しています。

FIFAのインファンティーノ会長ら幹部は5日、モロッコで緊急集会を開きました。

その後、全加盟協会に宛てた声明で、ワールドカップなどを運営する子会社を設立して民間投資を呼び込むとした計画について「別の方法で進められるべきだった」などと謝罪しました。

一方、FIFAは緊急集会で会長への全面的な支持を確認したとしています。

こうしたなか、FIFAワールドカップ2026をアメリカ、メキシコと共催したカナダのカーニー首相は5日、インファンティーノ会長を「全く信頼していない」と述べました。
一連の計画を進める前に上級顧問らに相談しなかったことは「致命的だ」と苦言を呈しています。

FIFA次期会長選挙 5協会がインファンティーノ氏の不支持表明 中東など8協会は支持

ワールドカップ売却計画で反発を招いたFIFAのインファンティーノ会長を次の会長選挙で「支持しない」と表明するサッカー協会が相次いでいます。

インファンティーノ会長は2027年3月のFIFA会長選挙で無投票で再選されるとみられていました。

8月4日までに新たに不支持を表明したのはウェールズ、イングランド、フィンランド、スウェーデン、セルビアの5つのサッカー協会です。

これに対し、改めて支持を表明したのはエジプト、モロッコ、UAE(アラブ首長国連邦)、カタール、クウェート、レバノン、スリランカ、ブータンの8つの協会でした。

ドイツなど11の協会は一連の騒動の前から再選への支持を表明していません。

(2026年8月4日更新)

UEFA FIFA会長の辞任を要求

イギリスのテレグラフ紙は1日、UEFAがFIFAのインファンティーノ会長に対し、辞任しなければ、不信任決議案を提出すると通告したと報じました。

FIFAの規約では、211の加盟協会のうち5分の1が要請した場合、臨時総会を招集できることになっていて、UEFAだけでもこの条件を満たす55の協会が加盟しているため、臨時総会の招集自体は実現の可能性があります。

臨時総会が開かれ、不信任決議案が採決されれば、過半数の得票で会長の解任が可能だということです。

UEFAは、「サッカー界において多くの関係者の信頼を失った」と非難する声明を発表しています。

(2026年8月2日更新)

FIFAが投資計画案を撤回 (8月1日)
インファンティーノ会長「目標にそぐわない分裂を生み出してしまった」

FIFA=国際サッカー連盟は、世界中の連盟などから批判が相次いでいた投資計画案を撤回すると発表しました。

FIFAのインファンティーノ会長は、「あらゆる意見に注意深く耳を傾けた結果、当初掲げた目標にそぐわない分裂を生み出してしまった」と声明を出しています。

投資計画を巡っては、会長の側近が反対を表明し辞任するなど、FIFA内部からも批判の声が高まっていました。

FIFAの新計画 北中米とアジアのサッカー連盟も反対を表明
計画案の承認に必要な賛成票獲得が難しい情勢に

FIFAが発表した投資計画案に、北中米・カリブ海サッカー連盟とAFC(アジアサッカー連盟)も反対を表明しました。
これでFIFAは、案の承認に必要な賛成票の過半数獲得が難しい情勢となりました。

投資計画案の承認には加盟する211の協会のうち、過半数にあたる106の協会と理事会の過半数の賛成が必要です。

北中米・カリブ海サッカー連盟とAFC、それぞれの連盟傘下の協会のうち、FIFAに所属する協会は35と46なので、反対票はUEFAと合わせて136になる見通しです。

反対の声は、計画を発表したFIFAのインファンティーノ会長の側近からも上がっています。
会長の上級顧問、コルデイロ氏が投資案に抗議して辞任を表明しました。

ただ、北中米・カリブ海サッカー連盟に所属するメキシコサッカー協会は、「メキシコサッカーの発展に最も資する決断を下すべく、必要な検討と分析を十分に行っていく」とする声明を発表していて、各連盟の方針に逆らって、FIFAの投資案に賛成する協会が出てくる可能性は残されています。

(2026年8月1日更新)

UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)がFIFA大会のボイコットを表明(7月30日)

UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)は、FIFAが投資計画案を撤回しない限り、ワールドカップなどFIFAの全イベントをボイコットすることを決めました。

FIFAは、ワールドカップなどを運営する子会社を設立して、民間からの投資を募る計画案を発表しています。

UEFAは30日に緊急会合を開き、投資計画案が撤回され、二度と同様の提案をしない確約がない限り、FIFAのすべての大会に出場しないことを全会一致で決めました。
UEFAは声明で「売ってしまうにはあまりにも重要なものがある。FIFAワールドカップはサッカーそのものだ。ワールドカップが売りに出されることは絶対にない」とFIFAの姿勢を厳しく批判しています。

FIFAの投資計画案の承認には、加盟する211の協会のうち過半数にあたる106の協会と、理事会の過半数の賛成が必要です。

BBCなどは、7月29日にFIFA・国際サッカー連盟のインファンティーノ会長が加盟する211の協会に対し、「投資計画に賛成すれば4000万ドルを受け取ることができる」などの内容の書簡を送付していたと報じました。

UEFAのボイコット決定には傘下の55の協会が従う方針です。

FIFA ワールドカップを管理する子会社設立の新計画を発表
(7月28日)

FIFA(国際サッカー連盟)は7月28日、ワールドカップなどを管理する子会社を新たに設立して投資を募る計画を発表しました。
リードインベスターはスライブ・エターナル社で、イギリスのフィナンシャル・タイムズなどは、この会社がトランプ大統領の娘の夫・クシュナー氏の弟によって設立されたと報じています。

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