アメリカでイランの陸上封鎖案が浮上 戦闘終結の交渉期限過ぎ再び緊張 長期化で両国に疲弊も

アメリカでイランの陸上封鎖案が浮上 戦闘終結の交渉期限過ぎ再び緊張 長期化で両国に疲弊も
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 「兵器不足」「インフレの加速」など、アメリカとイラン双方で疲弊が深刻になっている。アメリカでイランを「陸上封鎖」する案が浮上している。

【画像】アメリカとイランの疲弊状況は?

「兵器不足」報道 トランプ氏が否定

 まずは、アメリカ軍の現状について見ていく。

アメリカ軍の疲弊状況は?
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 ワシントン・ポストは、当局者の話として、イランと戦闘を始めてから無人機「MQ-9リーパー」が少なくとも45機失われたという。これはアメリカ軍が保有しているうちの4分の1に相当するという。この無人機は1機あたり約48~79億円で、単純計算すると、2000億円以上の損失になる。

 さらにCNNによると、アメリカ軍の高官らの話として、主要なミサイル防衛システムの迎撃ミサイルの備蓄が危険な水準にまで減少しているという。

 例えば、イランとの戦闘前と比べて、高高度迎撃ミサイルシステム「サード」のミサイルを8割近く消費し、防空システム「パトリオット」のミサイルは約5割消費したという。

 ただ、こうした兵器不足の報道について、トランプ大統領は「フェイクニュースだ」と否定している。

 また、戦闘の長期化は前線の兵士にも影響を及ぼしているという。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中東に展開している原子力空母「エイブラハム・リンカーン」と交代する形で、横須賀基地を拠点とする原子力空母「ジョージ・ワシントン」が派遣される予定で、すでに横須賀基地を出港しているという。

 なぜ交代するのか。エイブラハム・リンカーンは出港してから250日以上が経過し、乗組員1人が海に転落して救助されることもあったという。こうしたことから兵士の精神衛生について懸念が高まっているためだという。

 しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルは、ジョージ・ワシントンが中東へ移動する間、中国に対して一時的な空白が生じるというアナリストの指摘を紹介している。

イランの国民生活が深刻に

 続いてイランの現状について見ていく。国民生活が深刻になっているという。

イランの国民生活が深刻
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 CNNによると、食品のインフレ率が過去1年で130%近くに急騰した。また、低賃金労働者の賃金の伸びはその半分にも満たないということで、生活は苦しくなる一方だという。

 では具体的に物の値段はどのくらい値上がりしているのか。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、首都テヘランの卵1パックの価格は先月最初の数日間だけで40%上昇して約525円になった。多くの世帯がコメや肉、パスタなどといった基本的な食料品をツケで購入しているという。

 さらにCNNによると、イラン政府はこれまで行ってきたガソリン補助金の削減で苦境がさらに深まる可能性があると警告しているという。新たなインフレが生じ、失業率の上昇につながる恐れがあるという。

イランへの陸上封鎖案が浮上

 アメリカでイランを「陸上封鎖」する案が浮上。アメリカとイランの間で再び緊張が高まっている。

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 17日、アメリカのトランプ大統領はイランとの戦闘終結に向けた覚書について、記者団から「延長を求めているか」と聞かれたのに対して「ノー」と答え、延長しない考えを示した。

 この会見に先立ってベッセント財務長官は「ある国に対する歴史上かつてない措置を講じる予定だ」と話した。「ある国」とはイランを指しているとみられている。

 また、「かつてない措置」にあたるかは不明だが、ロイター通信によると、周辺国からイランに続く陸上を封鎖することを、アメリカとイスラエル当局者が議論しているという。これを実行するには周辺国の協力が必要になる。

 仮に陸上封鎖という措置が行われた場合、食料やエネルギー、繊維製品などのイランの輸入が止まり、イラン国民への圧力がさらに高まる。

 また、トランプ政権に残された選択肢として、中国の製油所などに制裁をかける可能性もあるという。

 中国はイラン原油の8割以上を購入しているが、その多くを精製している「ティーポット製油所」への2次制裁や、中国の決済システムが使われていた場合に中国の銀行に2次制裁をかけることなどが検討されているという。

米政権内で意見の違いも

 トランプ政権内で意見の違いが目立ってきているという。

イラン側による6つの条件(8日)
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 CNNによると、17日にFOXニュースに出演したアメリカのバンス副大統領は戦闘のゴール、第1目標について、湾岸諸国による世界へのエネルギー供給を確保することでエネルギー価格を安定させることと挙げた。

 ただ、同じ日、トランプ大統領はSNSに「第1目標はイランが核兵器を保有できないようにすること」と投稿して、あくまで核兵器の開発阻止が最優先課題だと強調した。

 また、イランとの交渉を担っているトランプ大統領の娘の夫、クシュナー氏がFOXニュースのインタビューで「アメリカとイランの間の対話はかつてないほど活発に行われている」と答えたが、翌日、トランプ大統領はSNSに「イランとの協議や対話は行われておらず、予定もされていない」と矛盾する言動を答えている。

 対するイラン側の譲れない点では、周辺地域からのアメリカ軍の撤退や損害賠償、さらに制裁の解除など6つの条件を要求している。

(2026年8月19日放送分より)

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