
関東では大雨による被害が相次ぐ一方で、渇水に苦しむ地域もあります。影響を受けているのが、コメ農家です。
そして、農家に追い打ちをかけそうなのが、新米が去年のコメより安くなる“逆転現象”です。(8月22日OA「サタデーステーション」)
ダム底はまるで砂漠 深刻化する渇水
子どもたち(大分・日田市 午後3時ごろ)
「暑かった。頭がめちゃくちゃ暑かった。溶けそう。溶けそう」
22日、九州各地は厳しい暑さとなり、熊本県水俣市では、観測史上1位となる38.6℃を記録しました。
猛烈な暑さによってカラカラに渇いてしまった場所があります。
サタデーステーションが訪れたのは、岐阜県北部にある「御母衣ダム」。
報告・畑中彩里ディレクター(岐阜・御母衣ダム 午後5時ごろ)
「あたり一面ほとんど水がなくて地面が干からびてしまっていて、地面も割れています」
実はここ、本来であればダムの底。最低水位まで1mを切り、深刻な渇水に直面しています。
岐阜県民
「今回は初めて見るくらい。水がないなっていう状態」
富山県内6つの市の農業を支えている「御母衣ダム」。
周辺のダムにはまだ水があるものの、下流の地域では、32年ぶりに自主的な取水制限が行われています。
新米シーズン目前 “記録的な少雨”で稲穂の生育に影響
こうしたダムの渇水を引き起こしている、もう1つの要因が“記録的な少雨”です。その影響は、新米シーズンを控えたコメ農家でも。
コメ農家(富山・小矢部市 午前10時半ごろ)
「(稲穂の高さが)大体55cmくらい。やっぱり普通は65~70cmないと」
水が必要な6月・7月の雨が例年に比べて少なく、一部の稲穂の生育に影響が出たといいます。
貴重な水を無駄にしないよう地元の農家が協力し、17カ所ある水門の開閉を交代で行っています。
コメ農家
「稲が上手く育つか育たないかは、水管理にかかっている」
コメ価格下落「死活問題」生産コスト増で経営圧迫
不安要素は渇水だけではありません。
コメ農家
「米価が下がると消費者の方は喜ばれると思うが、個人でやっている方にとっては死活問題というか」
21日に発表されたコメの平均価格は3191円と下落傾向。
さらに、農協が農家に支払う新米の「概算金」の減額も全国で相次いでいます。
こうした動きは、販売するコメ価格の設定にも影響します。
コメ農家
「概算金が2割下がるとなると、私どもも(販売価格を)2割くらい下げなければいけない」
一方で、上昇し続けているのは生産コストです。
肥料や農機具の維持費、燃料代、 さらに電気代とあらゆるコストが経営を圧迫しています。
コメ農家
「生産コストが上がると当然収益が下がる。その従業員の給料にもろに反映されてくるとダメージを与える」
去年のコメより新米安い”逆転現象” 背景に何が?
コメ価格が下落する中、気になるのは、新米の価格です。
報告・田丸由樹ディレクター(東京・墨田区 午後1時ごろ)
「今年の新米がたくさん積まれています」
新米「ふさこがね」が2000円台です。
去年の同じ時期に販売された新米と比べ、 1000円以上安くなっているといいます。
利用客
「買いやすくなったと思います」
一方、去年(令和7年産)のコメを見てみると…価格が3000円台のものも。
起きていたのは、今年の新米が、去年のコメよりも安くなる“価格の逆転現象”です。
コモディイイダ東向島店 新保晃男 店長
「今までここまでの“価格の逆転現象”はあまりなかった。去年の相場が非常に高い水準できているので、今年新米が出ても(去年のコメ価格が)下がらないというのが1つの要因」
その背景にあるのが、かつてない“コメ余り”です。訪ねたのは、千葉県にあるコメ卸業者。
6月の取材では、去年(令和7年産)のコメが400トンほど残っていましたが…。
米のたけやま 伊藤享兆代表(千葉・山武市 午後2時すぎ)
「ざっくりこの辺に置いてあるのが、すべて去年のコメになります。だいたい量としては50トン程度」
350トンを売りきったものの、いずれも仕入れ値を割り込み赤字の状態だといいます。
米のたけやま 伊藤享兆代表
「安い備蓄米や外国産を買われた結果、1番高い去年産のコメが残ってしまった」
さらに、この事態に追い打ちをかけるのが…。
米のたけやま 伊藤享兆代表
「(令和)8年産『ふさおとめ』1等が1万5000円。これが今年の価格。(去年の)半分の価格になっています」
“安価な新米”が本格的に出回ることで、去年のコメの販売が一段と難しくなるといいます。
米のたけやま 伊藤享兆代表
「去年のコメが余って大変なところもあるが、今年のコメが安く店頭で販売できる。その結果、少しでもコメ離れが解消すれば私はいいなと思います」
