
きれいな花だからと、うっかり触るのは危険です。今、街中でトゲだらけの外来植物が広がっています。しかも、ただトゲが危険なだけではありません。強い繁殖力で拡大しています。
生態系に深刻な影響
薄紫色の美しい花を咲かせる一方で、固く鋭いトゲを持つ植物。今、SNS上でも目撃情報が相次ぐなど各地で急激に広がりをみせています。
撮影した朝倉幹晴さん
「至る所にあります。(葉が)ギザギザして固いし、触ってみたら危ないなと思った」
植物の正体は「アメリカオニアザミ」。日本にはもともと分布していない外来種です。
その危険な生態を探るべく、訪れたのは神奈川県の相模原市立博物館です。
博物館の館長にして、アメリカオニアザミのスペシャリスト・秋山幸也さん。相模原市では、これまで2回の分布調査を行い、実態把握に努めてきました。
「(Q.アメリカオニアザミは危険?)人間に対して危害を及ぼす可能性がある」
北アメリカから輸入された穀物や牧草に混入して1960年代に北海道で初めて確認されました。
現在では九州を除く広い範囲で確認され、環境省と農林水産省は「生態系被害防止外来種」に指定しています。
「相模原市内では15年くらい前に、目立ってきたと思っていた。(その後)5年くらいで全市域に広まった」
危険なトゲトゲ軍手も貫通
どのような場所に生えているのでしょうか。
「あそこに花が残っています」
雑草にまじり、花を咲かせていた「アメリカオニアザミ」。
「日本に元々あるアザミは湿った場所に多い。こういう場所に在来のアザミが生えることはない。アメリカオニアザミは乾いて日当たりの良い場所に生える」
人が気づかずに触れると、けがをする可能性もあるといいます。
「茎にもトゲがある。茎に大きなトゲがあって、葉っぱの先、四方八方に伸びている。このトゲが一番強くて危ないトゲ」
茎だけでなく、葉の先からも鋭いトゲが伸びています。
「軍手をあてると、こんな感じで貫通しています」
さらに厄介な特徴が「強い繁殖力」です。
「こちらにもあります。花が終わりかけて、種が実っている」
「アメリカオニアザミはキク科。タンポポと同じキク科で、種を風に乗せて飛ばす。綿毛が伸びてくる。大量の種を飛ばします」
駆除の方法は?
その姿は、アスファルトだらけの市街地でも見られました。
「典型的な生育場所です。歩道の境目とか隙間、土がたまっている割れ目の所」
わずかな土があれば、人通りの多い歩道の脇でも根を張ります。
近所の住民
「(Q.存在は?)知らなかった。見た印象はトゲトゲしている。怖いです。子どもが触っちゃいそう」
見つけた場合、どう駆除すれば良いのでしょうか。秋山さんはこう話します。
「できるだけ花が咲いている時、種がついてしまうと、種が飛んでしまうので。種が散る前に駆除したい」
トゲを通さない皮手袋を着用し、柄の長いハサミやカマなどで細かく茎から切っていきます。
根が残ると再生するため、さらにスコップで根ごと掘り返すことが重要です。
日本各地で生育エリアを広げている「アメリカオニアザミ」。
「今後、特定外来生物に指定される可能性も」
(2026年8月25日放送分より)
この記事の画像一覧
