
アメリカのベッセント財務長官は、イランに対して「経済的な総攻撃を開始する」として、新たな経済制裁を発表しました。停戦交渉は進むのでしょうか。
【画像】アメリカ・ベッセント財務長官「経済的総攻撃を仕掛ける」
中国名指し回避
ベッセント財務長官
「本日、トランプ大統領の指示により、アメリカ財務省は、イランとイランの協力者に対する『経済的追放作戦』を開始した」
「世界中に広がるイランの金融網に経済的総攻撃を仕掛ける」
アメリカのベッセント財務長官は、あらゆる収入源を遮断し、イランの体制を孤立させると強調しました。
「財務省は、イランが石油を密輸し、制裁を回避するために利用してきた、あらゆる拠点、協力者、ネットワークを特定した」
「イランの活動を助長してきた国々が、知らなかったふりをすることはできない」
すでにトランプ大統領が各国の首脳に電話をかけ、イランとの関わりを絶つよう要請しているといいます。
ただ、ベッセント財務長官は、どの国に要請しているのか明らかにしませんでした。
「具体的な国の名前は挙げない。すでにいくつかの成果は出ているし、大統領が非常に説得力を発揮したことは確信している」
イランの原油の最大の輸出先は、中国です。ただ、中国の金融機関が制裁対象になるのか、問われたベッセント財務長官は…。
「明確にしたいのは、アメリカの制裁が及ばないものは誰もいない」
こう話し、中国を名指しすることは避けました。
停戦交渉進む?
イランに対するアメリカの軍事行動は、当初の想定を大幅に超え、半年になろうとしています。それがここに来て、また経済制裁です。
アメリカ政治に詳しい
明海大学 小谷哲男教授
「(Q.なぜまた経済制裁を?)軍事作戦でイランの行動を変えさせることができないことが分かってきたのが一番大きい」
そもそもアメリカは、すでにイランに制裁を科しています。
「これまでの『制裁の抜け穴』を防ぐ。これが今回のポイントになってくる。これまで(の制裁)はイランが原油を他国に売り、収入を得るのを防ぐのがメイン。ただアメリカが制裁しても中国は引き続きイランから原油を買っていて、ここに大きな抜け穴があった」
ではなぜ、中国を名指しすることを避けたのでしょうか。
「来月24日にホワイトハウスで米中首脳会談が予定されている。アメリカからすれば、今中国との関係を安定させ、アメリカの経済にプラスになる、それが11月の中間選挙で共和党有利になる、そういう流れを作りたい訳ですけども。中国を抜け穴と名指しして批判したくないのだろうが、中国の協力なしに制裁は効果を上げない。水面下で米中の間で調整されていく」
新たな制裁がイランを動かすことはないのでしょうか。
イラン政治に詳しい
慶應義塾大学大学院 田中浩一郎教授
「イランからすれば今までも経済制裁はあったし、軍事攻撃も加えてあったので状況自体には大きな変更はないと。しかし第三国、例えば中国やインドがイランとの経済、貿易関係を完全に断つところまで追い込まれると、イランとしてもより大きな打撃を受けることになる」
ただ、イランの譲歩を引き出せるかは分かりません。
「今までもそんなことで譲歩するようなこともなかったし、ましてや6月にできた覚書が履行されないまま来ていると、イラン側はアメリカ側の不誠実な対応に非常に腹を立てているから、これしきのことで音を上げるようなことにはならない」
(2026年8月25日放送分より)
この記事の画像一覧
