27日、石川・富山両県に「レベル5大雨特別警報」が発表される中、元気象庁長官の山本孝二氏が、状況を解説した。
レベル5大雨特別警報が出る状況について、山本氏は「猛烈な雨が降って、道路での氾濫あるいは内水氾濫が発生している可能性がある。直ちに身の安全の確保を最優先に考えてください、安全な場所に避難してくださいという情報」と説明した。「大雨が降っている最中はむしろ外へ出ること自体が危険。できれば2階建ての家の場合には2階に移っていただく、いわゆる垂直避難をしていただきたい」と呼びかけた。
河川の近くに住んでいて家の中にいる場合、どのような安全な行動をとれるかには、「とにかく高いところ。近くに高い建物があればできるだけその高い建物の方に移動することを呼びかける必要がある」と述べた。続けて、車での移動については「内水氾濫の危険性が非常に高いので、車の移動は絶対控えていただきたい」と強調した。
内水氾濫とはどういった現象かと問われると、「市街地では50mmあるいは30mm の雨までは下水道に排水できるよう整備されているのが通常。それを超える雨が降ると下水の排水が間に合わず、道路が川のようになる」と解説した。今回の石川・富山についても「線状降水帯の発生情報は気象庁が出しており、時間雨量100mm の雨が降って下水道の排水能力を超える可能性が十分考えられる」と話した。
車に乗っている方はどう行動すべきかという問いには、「駐車している場所が高ければ車から離れて近くの安全な場所に移動してほしい。(大雨があった)千葉の教訓でいうと、道路に車を放置せず路肩に寄せて安全に避難することが大事」と説明した。さらに「アンダーパスのような低いところで水に浸かって動けなくなりそうな場合、ドアが水圧で開けられなくなるケースがある。エンジンが止まり、ドアが開けられなくなることもあるので、とにかく危険にならないような高い場所に移動してほしい」と述べた。
石川・富山は都市部と異なり車での移動が市民生活を支えているという事情があるが、それでも注意は必要かと問われると、「ご事情はいろいろあるが、とにかく自らの命を守る行動をとっていただければ」と呼びかけた。
通勤・通学の時間帯に情報に接した場合にはどう対応すべきかという問いに対し、山本氏は「道路に水が流れていれば、どちらに流れているか確認できるはず。流れる方向に水は溜まりやすいので、反対方向で安全な場所を確保してほしい」と説明した。
冠水した道路を歩くことのリスクについては、「下水道排水施設から水が逆流してそこに落ちてしまうと非常に危険。冠水した道路には近づかない、歩かない、離れる、この3つの原則を守っていただきたい」と語った。
また、ハザードマップで浸水リスクを確認することが重要かという問いには、「そこが実は盲点になっている。河川が氾濫した水についてのハザードマップは多いが、内水に関するハザードマップはあまり多くない。千葉の例を見ても、今回のような雨の降り方による内水氾濫に対しては、改めて内水氾濫も非常に危険だという認識をもった行動が必要だ」と指摘した。
内水氾濫と河川氾濫の危険度の違いはどう整理すべきかと問われると、山本氏は「整理の仕方は特になくて、通常の雨であれば道路上の水はすべて排水できる。ところが時間雨量50mm 以上、70mm、80mm、90mm と増えると街中に水が溢れ出す。内水氾濫、外水氾濫という外形上の話ではなく、水が溢れて市街地を暴れ回っている状況。そこからできるだけ離れることを今は強いられていると考えていただいた方がいい」と述べた。
(ABEMA NEWS)

