
東京・中野の時計店で、合わせて2億円相当の高級腕時計が盗まれた事件。警視庁は27日、チリ国籍の男2人を逮捕しました。
【画像】観光ついで?組織が関与?事件2日前に“下見”…チリ人の男2人逮捕 2億円時計窃盗
逮捕されたのは、ピニャ・グスマン・ジェレミー・パオロ容疑者(23)と、ピニャ容疑者の友人だと話すマンサーノ・ケサダ・ボリス・アレクシス容疑者(33)です。

東京から逃走した2人は、大阪の民泊に滞在していました。
盗んだ理由について、マンサーノ容疑者は「時計を売って金にして、母国に持って帰るつもりだった」と話しているといいます。
事件2日前、2人は徒歩で来店。当時の様子とみられる映像には…。
ふらっと店内に入ってきた2人。顔を隠すこともなく、ショーケースに並ぶ時計を物色しています。さらに、入口近くにある棚を指差す様子も確認できます。

この日の行動は、下見だったのでしょうか。2人の供述は、食い違っています。
ピニャ容疑者
「下見のつもりはなかった」
マンサーノ容疑者
「出入り口から近くて、薄いガラスの中にあったので、これなら盗めるんじゃないかと犯行を決意した。チリにこんな高級なものはない」
割られたショーケースは、2人が 何度も指差していた場所と一致します。

被害にあった店の従業員
「私の人生の中で、最も残念な出来事の一つです。しかし、けが人が出なかったことは、本当によかったです。日本の法によって、正当に裁かれてほしいと思います」

2人が日本へ入国したのは、事件の4日前。
8月21日、オーストラリアから入国した後、そのまま、浅草の民泊へ滞在します。翌日には、犯行当日にも使用する電動キックボードのアカウントを作成。23日には、事件のあった店を訪れています。
荒井理咲子アナウンサー
「犯行2日前には下調べのためか、中野駅周辺にある電動キックボードを借りていて、さらに5分後に返却していることがわかっています。
現場近くでも、問題なく借りられるのか事前に確認していた可能性もあります。
しかし、電動キックボードのアカウント作成に使われていたのは、本人のパスポート。また、下見の後には、東京スカイツリーを訪れていました。
マンサーノ容疑者
「日本に興味があった。寺が好きだから、浅草にも行った。娘から『中野はアニメの町』と聞いて、写真を撮ったら、喜ぶかなと思っていた」
2人は、観光ビザで入国していました。
しかし、逃走中の動きからは、やはり計画性もうかがえます。
事件後、一人は電動キックボードで、もう一人は別の方向に走って逃げました。その後、中学校の脇で合流。ここで衣服などが押収されたため、逃走中に変装したとみられています。

その後、2人は、浅草の民泊に立ち寄り、大阪へ逃亡しました。新幹線を利用したとみられます。
盗まれた腕時計4本のうち、1本は容疑者が所持していましたが、残る3本は不明のまま。ここでも、2人の供述には開きがあります。

ピニャ容疑者
「盗んだのは1本のみで、ほかの3本についてはわからない」
マンサーノ容疑者
「ほかの3つは、逃走途中に落とした」
警視庁は、押収物の解析を進めています。
なぜ、今回、日本のこの店が狙われたのでしょうか。背景には、日本と海外の店舗の違いがあるようです。
国際犯罪に対応するインターポール(国際刑事警察機構)に勤務した経験を持つ元兵庫県警刑事部長の棚瀬誠さんに聞きました。
棚瀬さんは「海外の店舗の場合、高級品は店の奥に置き、厳重なショーケースに入れたり、ダミーを飾ったりする。警備専門のスタッフが常駐していることもある。一方で、日本の店舗は、入ってすぐの場所に高級品を展示するなど、海外の店舗と比べると、セキュリティが甘い。つまり“盗みやすい”“狙いやすい”」と指摘します。
