
イランによる事実上の封鎖が続くホルムズ海峡について、イギリスの専門家は、50から60隻のタンカーが別の船に原油を詰め替えるためのシャトル船としてステルス状態で稼働していると指摘する。こういったステルスシャトルタンカーが、1日当たり15隻ほどホルムズ海峡を通過しているという。
(ロンドン支局 立田祥久)
【画像】「ステルスシャトルタンカー50~60隻が稼働」ホルムズ外で他の船に原油積み替えか
イギリスの分析会社ロイズ・リスト・インテリジェンスによると、最近、アメリカ軍に守られた船がホルムズ海峡を抜け、ほかの船に原油などを積み換えるケースが増えている。
ロイズ・リスト・インテリジェンス リチャード・ミード氏
「ペルシャ湾内で積み込みが行われます。その後、ホルムズ海峡を通過してオマーン沖で停泊し、待機しているほかのタンカー数隻に積み替えられるのです」
ミード氏によると、ホルムズ海峡を往来するタンカーの数はここ数週間で増え、1日あたり15隻前後となっている。これはアメリカがイランへの軍事作戦を開始する前の3割ほどだという。
増加の背景にあるのは「シャトル船」として稼働する50から60隻のタンカーの存在だ。
「シャトル船」はまず、ペルシャ湾内の産油国から原油を積み込む。その後、アメリカ軍の警護を受けながらホルムズ海峡の南側を通過する。
海峡通過後はオマーン沖のアラビア海で待機している別の船に原油を積み替える。原油は精製のため中国やインドに運ばれているという。
ロイズ・リスト・インテリジェンス リチャード・ミード氏
「シャトル船はAIS(船舶自動識別装置)をオフにし、すべての電子機器を停止して航行しています。つまり海峡を"ステルス状態"で通過しているのです」
しかし、ステルス状態であってもイラン側から攻撃を受ける例も多く、航行には依然として危険が伴うという。
ロイズ・リスト・インテリジェンス リチャード・ミード氏
「これはより大きな問題に対する応急措置にすぎません。今後おこなわれる外交的な議論こそが、この地域の貿易の将来に直接影響を及ぼすものとなるでしょう」
