
7月末に日米が、円安是正の協調介入に踏み切りましたが、31日午前時点で再び1ドル=160円台を付けています。為替介入の効果に陰りが見え始めています。
為替介入の効果は一時的
FRB ウォーシュ議長
「(アメリカの)物価上昇率は高すぎるままです。物価上昇率が目標に向かっていると確信できなければなりません。そうでなければ、我々にはやるべき仕事があります」
28日の講演で、インフレが高止まりを続ける場合には、利上げも辞さない姿勢を示唆したアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)のウォーシュ議長。
この発言を受け、市場では、FRBが9月にも利上げに踏み切るとの観測が強まり、ドルが買われ、円安が進みました。
日本とアメリカが協調して円買いの為替介入に踏み切ってから、およそ1カ月。円相場は再び、一時1ドル=160円台へと押し戻されました。
財務省によりますと、この1カ月に行われた為替介入の総額は15兆3993億円で、1カ月単位の介入額としては、過去最大となりました。
しかし、巨額の介入にもかかわらず、その効果は薄れつつあります。
専門家は、為替介入の効果は一時的であると指摘します。
野村総研
エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏
「為替介入というのは通常、時間稼ぎの政策。東京市場で1日に取引される為替の取引量は平均すると70兆円近いものですから、全体の取引量からすると小さな額ということなので、為替介入で為替の流れを変えるというのは難しい」
円安 国民生活に逆風
財務省は31日、各省庁からの来年度予算の概算要求を締め切ります。
高市政権が進める積極財政を巡っては、財政悪化への懸念が円安や金利上昇につながるとの見方もあります。
木内氏
「青天井といわれる投資枠の新設・防衛費など、(概算要求総額が)大きいと、財政が悪化する見通しになるので、円安・債券安が進むことになると思う。円安は物価高、債券安は長期金利の上昇と、経済とか国民生活に逆風になっているのが現状ではないか。日本国内のいろんな産業の国際競争力を高めることによって、輸出をもっと増やすことができると、円安の流れを多少なりとも食い止める構造対策になるのでは」
G20で日米財務相会談へ
出口の見えない円安と物価高が続く中、今後の行方を左右するもう一つのカギが、アメリカ・トランプ政権の動きです。
木内氏
「(トランプ政権は)中間選挙(11月)前に、国民に対しての不人気な長期金利の上昇を抑えたいとしている時、高市政権に注文をつけるということになると、やや積極財政を見直すとか、あるいは日本銀行の金利引き上げを後押しするとかになるので、そうなってくると少し円安の流れが変わってくる可能性がある」
31日から2日間、アメリカでG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれます。
片山さつき財務大臣も出席する予定で、ベッセント財務長官との会談も予定されています。
再び円安が進む中、為替相場の安定に向けて、日米から新たなメッセージが示されるのか注目されます。
(2026年8月31日放送分より)
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