
今月、千葉県や北陸地方を記録的な大雨が襲いました。数十年に一度とされる「大雨特別警報」が列島各地で頻発する理由を専門家に聞きました。
【画像】“記録的大雨”が頻発の理由 気象予報士「秋雨前線に向かって…」
福井空港が水没
降り続いた雨は、街の景色を一変させました。
増水した川の両側で、広い範囲が泥水につかっていることが確認できます。福井県内では20の河川で水があふれ出し、道路が冠水するなどしました。
住宅街でも、浸水が続いていました。
24時間雨量が観測史上1位となった福井市。浸水した地域では、動けなくなった車両が数多く放置されていました。
29日夜から福井県内を襲った記録的な大雨。秋雨前線の影響で、北陸に活発な雨雲が次々とかかり続けました。福井市、大野市、勝山市には30日、一時レベル5大雨特別警報が発表されました。
福井空港がある坂井市では、多くの住宅が浸水被害に遭いました。
救助要請に消防が駆け付けますが、冠水した道路が救助活動を阻みます。
消防隊員
「腰ぐらいまでいってまうので、アタックだけしてあれ呼ぶか」
スーパーでも、泥水をはき出す作業に追われていました。
スーパーの店員
「(Q.どれぐらいの高さまで浸水したか?)店内は大したことないが、あとが付いているこの辺まで」
床上およそ5センチまで浸水したといいます。さらに、浸水の影響は商品にも及んでいます。
スーパーの店員
「(Q.どういう状態ですか?)これはもう電源が落ちてだめになってしまった。もう売り物になりません。全部、ここ壁周り全部。冷蔵品が全部止まってしまったんで廃棄。あす廃棄します。絶望ですね」
店内では漏電を感知してブレーカーが落ち、電気が使えない状態が続いていました。
アイスクリームや生鮮食品などの被害額は、合わせて1000万円以上に上る見込みです。
水や土砂とともに「石」も
まるで川のように大量の泥水が流れているのは、福井県大野市の道路です。住人の自宅を見せてもらうと、床下にはまだ泥水が残っていました。
床下浸水の被害に遭った住人
「開いてみたらショックです。やっぱり」
「屋根をたたく雨の音で寝られなかったです。気になって」
24時間雨量が390ミリとなった永平寺町。山から水や土砂と一緒に、石なども流れてきました。
近くの住民
「(Q.ここの石は?)山から来ている」
「怖かった、怖かった。寝てない」
「あんな大きな石がゴロゴロと流れていくんだもんね」
近くの住民
「これだけあふれたのは初めてですね。怖いなって。人も流されますよね、簡単に」
三叉路は普段はこのような状態ですが、土砂とともに大きな石が積み上がり、車が通れなくなっています。
永平寺町では、一時8800人に避難指示が出されましたが、人的被害はありませんでした。
土砂崩れも起きています。大野市と福井市を結ぶ国道のトンネル近くでは、のり面が崩れ、通行止めになっていました。
同じ北陸地方では27日にも記録的な大雨となりました。「線状降水帯」が相次いで発生し、大きな被害を受けた石川と富山。住宅街は水に沈み、屋根の近くまで埋もれてしまった家もありました。
ドローンで生活必需品を…
石川県羽咋市では、電柱は倒壊。堤防も横倒しになってしまっています。石川県では30日も、断続的に強い雨が降り続きました。
こちらのお宅では、片づけ作業が行われていました。
町会長 山岸孝司さん
「早く回復したいけど、工事が遅れて二次被害になると、もっと弱るかなと。それが一番心配」
白山市を流れる手取川、そして大日川は水かさが増し、濁流となっていました。これまでの雨で地盤が緩み、山沿いでは土砂災害への不安が高まっています。
近隣住民
「私ら、この山を抱えてるからちょっと恐ろしい」
先週、富山県氷見市では、多くの地域が浸水被害に遭いました。
氷見市では、現在も3つの地区で27世帯49人の孤立状態が続いています。
孤立した地域などにはドローンを使い、食料品やトイレットペーパーなどの生活必需品が届けられました。
老人ホーム 階段での移動に
氷見市内の老人ホームでは、泥やごみを掃き出す作業に追われていました。
この施設では、1階部分の床の上まで浸水。食堂や事務室のほか、リハビリ室などが使用できなくなりました。
ほのぼの苑 浦田琴乃事務長
「貯水槽から施設に入れる給水ポンプが壊れてしまい、全館に水が通るのが3週間くらいかかる予定」
今はトイレや風呂が使えない状態。入所者はポータブルトイレを使用しています。浸水の影響でエレベーターも故障したため、階段での移動を余儀なくされています。
また、入所者の送り迎えも難しい状況となっています。
浦田事務長
「福祉車両、リフトで車いすの方が乗れる車が動かせられない。病院に行くのにも、連れて行ってあげられない。福祉車両を持ってきていただけるとうれしい」
なぜ?“記録的大雨”が頻発
今月中旬には、千葉県でも線状降水帯が相次いで発生。一時、レベル5大雨特別警報が出されるなど、過去に例のない大雨となりました。
なぜ今、各地でこれほどにも“記録的大雨”が頻発しているのでしょうか。
気象予報士 今井春花氏
「北陸では秋雨前線に向かって大量の水蒸気が流れ込み続けたため、記録的な大雨になりました。この“大量の水蒸気”が最近の大雨の要因の一つになっています。今年は猛暑が続いていて、特に日本海を中心に海面水温が平年よりかなり高くなっていて、日本に近づく台風も多いため、湿った空気が流れ込みやすい状況が続いています。今後も、短時間で大雨が発生するという可能性があるので、注意が必要です」
(2026年8月31日放送分より)
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