西日本では水不足 貯水率“9月に0%”懸念も 「四国のいのち」高知・早明浦ダムで

西日本では水不足 貯水率“9月に0%”懸念も 「四国のいのち」高知・早明浦ダムで
この記事の写真をみる(17枚)

 福井県で大雨が降った一方で、西日本を中心に実は渇水、水不足です。高知県の早明浦ダムは、このまま雨が降らなかった場合は9月の上旬にも貯水率がゼロになる見通しです。

【画像】実がスカスカ…和歌山のミカン 記録的少雨の被害

第4次取水制限 18年ぶり

高知・早明浦ダム
拡大する

 四国4県の水道や経済を支え、「四国のいのち」と呼ばれる高知の早明浦ダム。今、深刻な水不足に見舞われています。

貯水率は15.7%(午前7時時点)
拡大する

 今月の総雨量は65.5ミリと過去5年間の8月平均総雨量の1割ほどにとどまり、貯水率は15.7%(午前7時時点)まで落ち込んでいます。

 貯水率は毎日2ポイント近く下がっていて、まとまった雨がなければ、9月上旬にも0%に近づく計算です。

18年ぶりの第4次取水制限
拡大する

 記録的な水不足を受け、香川県は渇水対策本部を設置。28日から日常生活や農業に使われる香川用水への供給量を60%削減する第4次取水制限を18年ぶりに始めました。

 家庭への影響は今のところ、水の減圧にとどまっていますが、不安が広がっています。

水不足でうどん店懸念

 香川の特産うどんにも影響が出ています。

香川・高松市にあるうどん店
拡大する

 うどんをゆでたり、冷やして締めたりするために欠かせない水。高松市にある店では、1日に300~400リットルの水を使っていますが、少しでも使用量を減らそうと工夫しながら営業を続けています。

手打ちうどん清水屋 清水睦夫店主
「釜を洗うのは、シンクにためてある捨てる水でまず洗ってから、最後に水道水を使うとか」

水不足続くと不安が
拡大する

 このまま水不足が続くと、不安に思うこともあるといいます。

「(仮に)断水してしまうと、営業自体が難しくなってしまう。当たり前ですけれど、必要不可欠で。水がないと、うどんはできませんので。水がなくなると、仕事にはならない」

飲み水確保も 農家は

 飲み水の確保に備えた動きも出ています。

井戸水を「飲み水」として初めて活用へ
拡大する

 高松市でコメを栽培している農家の長尾敏彦さん(74)。70年以上前から井戸水を農業用に使っていますが…。

「本当に冷たいです。飲み水に飲用したいです」

 長尾さんはこの井戸水を「飲み水」として初めて活用することを考えているといいます。

「(水が)だいぶ少なくなってきた。ここ2カ月は雨降っていない」
「9月に入ったら早明浦(の貯水率)が0%になるという予測なんで心配」

高松市保健所
拡大する

 こうした中、高松市保健所は飲み水として使用する井戸水を対象として、水質検査の手数料を半額ほどにする取り組みをスタート。

水質検査を申請した人
「水が少ないので、井戸水の水量が減って、濁りが出たら心配なので、気になっていた」

 水の成分などを調べる化学試験と大腸菌などを調べる細菌試験があり、両方を行うと通常5930円ですが、取水制限が解除されるまではおよそ半額となります。

高松市保健所 生活衛生課
三好真裕美課長

「検査を受けて安全性を確認してから、ご利用いただくようお願い致します」

貯水タンクなど渇水対策コーナー
拡大する

 高松市のホームセンターでは、貯水タンクなどを販売する渇水対策コーナーを特設。タンクの売り上げは平時の5倍だといいます。

購入客
「これ(貯水タンク)は飲み水用。この水のことは考えないといけない」

ミカンの実がスカスカ

 同じく記録的な少雨による被害は、本州でも起きています。

ミカン農家 小澤光範園主
「僕自身はミカンを作りたいという思いは強いので。それを継続してできたらいいんですけど。生産物(果物の種類)をちょっと変更していかなければならないという危機感は覚えています」

ミカン農家の小澤光範さん
拡大する

 ミカン作りへの深刻な影響を訴えるのは、日本有数のミカンの産地・和歌山県有田川町で江戸時代から続く、ミカン農家の六代目・小澤さんです。

「(雨が)ほぼ降っていない、降っていないに近い。丸々2カ月ですね。木の状態見ると、やばいなと思いますね」

まとまった雨はほぼなし
拡大する

 先月の梅雨明け以降の総雨量はわずか10ミリと、この地方にまとまった雨はほぼありません。

たくさんの水を必要とする時期
拡大する

 これから旬を迎えるミカン。実を大きくするため、たくさんの水を必要とする時期だといいますが…。

「これ(木)なんか、もう多分ダメですね」
「(Q.こんなに実がなっているのにですか?)もうこのまま雨が降らなくて大きくなっても、このぐらいのミカンにしかならないでしょ。このぐらいのミカンになると、どうなるかと言ったら、むいても中に実がないんですよね」

ミカン日焼けも 農家悲鳴

 秋の収穫に向けて、例年ならこの時期は5センチほどの大きさに育っているはずですが、今年は売り物にならないサイズが多いといいます。

今年は売り物にならないサイズが多い
拡大する

 さらに…。

「黄色くなっているのが日焼け果です」
「(Q.熟しているわけではない?)日焼け果です」
「(Q.雨が降っていたら、こうはならない?)ならない」

日焼け果(右)
拡大する

 強い直射日光によってミカンが焼けてしまう現象で、今年はその数が異常だといいます。

 水源にも不安があるといいます。

「ここまでの干ばつに川がなっているのは、本来であれば多分ここに草が生えている。ちょうど(川)の区切りになっていると思うんですけど、ここまでは普通に水あるんですよ」

水位が低下しているという有田川
拡大する

 有田地域のミカンは、この有田川の水を活用して「かん水」と呼ばれる水やりが行われていますが、小澤さんも初めて見るほど水位が低下しているといいます。

二川ダム貯水率17%に低下

 その上流に位置する二川ダムに行ってみました。

貯水率が17%まで低下している二川ダム
拡大する

 ダムをよく訪れるという和歌山市の人は「ものすごい水が少ない」「だいぶ少ない」と話します。

 県の発表によると、貯水率は17%まで低下。生活用水、工業用水も支える重要な水源でもあることから、市は広く節水を呼びかけています。

「お供え物でしか買えなくなる…?」
拡大する

 小澤園主はこう話します。

「国内のフルーツってものすごく価格が上がっている。お供え物でしか買えなくなるという、ミカンになりうるかもしれないですよね。これからどうしようかなというのはありますね」

(2026年8月31日放送分より)

この記事の画像一覧
外部リンク
この記事の写真をみる(17枚)
このまま画像を見る
続きは広告を見た後にご覧いただけます
クリックして広告を見る