31日、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、茨城県常陸大宮市の鈴木定幸市長と経済産業省資源エネルギー庁の久米孝次長が会見した。経産省が近く、選定の第1段階にあたる文献調査を同市に申し入れる方向で調整する中、鈴木市長は調査を「前向きに捉えている」と表明した。
【映像】「自動車事故で死んでいる人の方が多い」の瞬間(実際の様子)
鈴木市長は「国策に貢献する意義は少なからず感じている」と語り、「約50年にわたって安価なエネルギーを享受してきた一方で、副産物として出てきたものに知らんぷりをするのは日本人としてはいかがなものか。今の段階では前向きに捉えている」と述べた。続いて久米次長は「本日、鈴木市長から市議の皆様に説明するよう要請をいただいた。皆様のご理解が深まるようしっかりと説明し、丁寧に対応したい」と語った。
その後の質疑で、「前向き」という発言は調査の先を見据えてのものか問われ、鈴木市長は「何の調査もなしに先のことなど一切考えられない。『前向き』というのはとりあえず調査をしてみて、これが最終処分の誘致に直結するわけではなく、調査を受けないと議論の俎上にも乗らないという意味合いだ。調査結果が分かってくる中で、初めて市民を巻き込んだ議論ができる」と説明した。
市民への理解を広げる方法について、これまでの他地域の状況に触れ「どちらかというと科学的なリテラシーで判断するよりも、イデオロギーに近い感じで最初から反対という形が非常に目立つ」と指摘。「市民には科学的に物事を考えてほしい。例えば原子力は危険だという人がいるが、自動車事故で死んでいる人の方が多い。そうした科学的なリテラシーを持って判断できる説明会にしたい」とし、議会の同意が得られて文献調査を受け入れる場合は、2年間の期間中に「本当に丁寧に市民の皆さんと対話を重ねていきたい」とした。
さらに、都心から110キロに位置する同市への申し入れの受け止めについて問われ、鈴木市長は「東日本大震災の時に経験しているが、比較的強固な岩盤が非常に広範囲にある。国策に貢献できる素晴らしい地質があるなら、手を挙げてみる価値もある」と言及。経済面にも触れ、「地下400メートルなどの穴が掘られている場所は日本にない。言い過ぎかもしれないがインフラツーリズムの対象になるのではないかなど、多方面に考えると街づくりの一つの根幹として、こういった地層処分もあり得る」との認識を示した。
(ABEMA NEWS)

