
日米の協調介入から1カ月、再び1ドル160円前後で推移しています。円安を食い止める有効な手立てはあるのか。その行方を占う注目の会合が行われます。
円安への対抗手段は?
日米の為替介入から続いていた均衡が崩れました。
今月に入り1ドル157~159円台で動いていた円相場が、週末に160円台に突入しました。約1カ月ぶりの円安水準です。
発端は「語らぬ議長」の発言でした。
FRB ケビン・ウォーシュ議長
「物価上昇率が(十分な速度で)目標に向かっていると確信できなければなりません。そうでなければ我々にはやるべき仕事がある」
アメリカの中央銀行にあたるFRBのケビン・ウォーシュ議長の「インフレの高止まりが続けば、利上げも辞さない」ともとれる言葉。これを受けて市場では早期の利上げ観測が強まりました。
お金は金利が高い通貨に流れる傾向にあります。そのため、ウォーシュ議長の講演後、円安が進行したのです。
物価上昇の一因にもなっている円安への対抗手段はあるのでしょうか。
今後の為替の行方をも左右する会議が、日本時間31日夜からアメリカで始まります。
世界各国の財務大臣や中央銀行の幹部が集まり、日本からは片山さつき財務大臣と日銀の植田和男総裁が出席。期間中には、アメリカのベッセント財務長官との会談も調整されています。
ベッセント財務長官
「植田総裁が“正しい判断を下す”と期待している」
会談で貿易赤字をなくしたいアメリカ側から、日本の「利上げ」を要求される可能性があります。
経済部デスク 進藤潤耶記者
「『圧力をかけられたら、今回は『利上げ』せざるを得ない可能性が高い』と指摘する専門家もいます。というのも、1カ月前に日米の協調介入がありましたが、アメリカが日本に協力する代わりに、日銀に利上げさせることを交換条件にしているのではないかという見方が市場には広がっています」
「再びの協調介入」匂わせ
日本が利上げをすれば、円安に歯止めがかかるのでしょうか。
「そこは単純にそうと言い切れないです。利上げ直後は一定程度、円高圧力が生じると思いますが、9月1回の利上げで大きく円高が進むことは考えにくいとみられます。なぜなら市場は、日本の政策金利の水準がまだ低いとみているからです。むしろ、ウォーシュFRB議長の発言でドル高が進みました。つまり為替は、海外の事情にも大きく左右されます」
では、円安を食い止めるための別の手段、日米による協調介入が再び行われることはあるのでしょうか。
「そこは今後の円相場、そして長期金利の動向次第で踏み切る可能性があります。日本側は一連の会合後に、片山財務大臣と植田日銀総裁の会見が予定されています。会見で他の国のことをコメントすることは基本的にはありませんが、日本としてはいかにアメリカと連携しているかということを強調するとみる専門家もいます。そこで追加の『協調介入』を匂わせるような発言をして、円安を牽制(けんせい)することは十分にあると思います」
会議を受けての片山財務大臣と植田総裁の会見は、日本時間来月2日朝に行われる予定です。
(2026年8月31日放送分より)
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