
先月31日、新米の作柄が公表されました。農水省は去年放出した政府備蓄米について、今月にも買い戻しを行う方向です。物価高の中、下がっていたコメの価格はどうなっていくのでしょうか。
このタイミングでなぜ?
埼玉県川口市にあるスーパーでは、2000円台前半のコメが並んでいます。
1つ、また1つと客が手に取っていくコメ。このスーパーでは、銘柄米は3000円台前半、ブレンド米は2000円台まで下がっています。
来店客(70代)
「すごいうれしいです。こんなに安く買えるんだと」
先月31日、農林水産省は今年の新米の作柄見込み(8月15日時点)を発表。24道府県が平均収穫量を「やや上回る」となりました。
政府はこのデータを基に去年、市場に放出した備蓄米の買い戻しの時期や数量を決めていきます。関係者によると、今月にも20万トン程度を買い戻す方向で調整を進めているということです。
なぜこのタイミングで、政府は備蓄米の買い戻しを始めるのでしょうか。
政府は去年、コメの価格高騰を抑えるため、備蓄米59万トンを放出。その結果、保有する備蓄米は30万トンほどにまで減っています。
一方、現在、民間のコメの在庫量は過去最大となり、価格は下落傾向になっています。
政府の買い戻しによって、価格下落を抑える効果を期待するJAなどから「備蓄米の早期買い戻し」を求める声が上がっているのです。
下がったコメ再び上がる?
ただ、消費者にとっては、下がったコメの価格が再び上がる可能性があります。
新鮮市場 東本郷店 飯田智成店長
「今買いやすくなっているから、これぐらいがベストかな。また(値段が)上がっても、こちらとしても売りづらくなる」
来店客(70代)
「政府がコメの価格をコントロールするのはまずいと思う。あんまり(コメ価格が)下がったり、上がったりするのはおかしい」
コメを巡る現在の状況について、専門家はこう指摘します。
宮城大学 名誉教授 大泉一貫氏
「消費者と農家が対立するような構造になっていることが良くない。(本来)価格メカニズムによって、適正な値段が決められてきているわけなので、政府が価格を上げたり下げたりすべきではない」
そのうえで、コメの価格を上げて農家を守るのではなく、消費者が買いやすい価格で、なおかつ農家が利益を出せる仕組み作りが必要だと指摘します。
「大規模経営は安いコストで作れるので、価格が安くても十分に利益が出る。大規模経営を育てるように、あるいはその数を増やすように、農水省の政策を転換していく必要がある。消費者も満足できるような価格でコメが提供できるようになるし、農家もそれほど高くない価格でも十分に利益が出る」
(2026年9月1日放送分より)
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