「横転する怖い」2年前から続いた“無断運転”埼玉栄高の車横転 遺族が提訴

「横転する怖い」2年前から続いた“無断運転”埼玉栄高の車横転 遺族が提訴
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さいたま市の高校のグラウンドでおととし、生徒が運転する車が横転し、助手席に乗っていた生徒が死亡する事故がありました。両親が学校法人などに対し、損害賠償を求める訴えを起こし、2日に記者会見を行いました。常態化していたとみられる生徒による危険な運転。当時撮影された動画が公開されました。

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事故時の車内映像「横転する怖い」

2024年11月16日深夜。埼玉栄高校の総合グラウンドで撮影された動画。ハンドルを握っていたのは高校2年生。当然、運転免許は持っていません。車には他にも3人の生徒が乗っていました。

運転していた男子生徒(警察への供述)
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運転していた男子生徒(警察への供述)
「スリルを味わうために運転した」

運転手はシートベルトを着用していません。訴状によると「危険な運転をして遊ぶのに、かしこまってムードを下げるという気持ちがあったかもしれない」と述べたといいます。

この後、運転していた生徒が視線をそらし、戻した3秒後に車は横転。それでも車内には笑い声が響いていました。しかし、助手席に乗っていた陸上部所属の男子生徒(17)が、頭を挟まれるなどして死亡。

死亡した生徒(訴状によると)
「まじ横転するよ。怖いから」

横転しかねない運転を心配して、亡くなった生徒が制止するために発した言葉だったとしています。

亡くなった生徒の母親
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亡くなった生徒の母親
「2年近くになるんですけど、まだ死んだとは思っていない。私の中では納得いかなくて。本当に息子が高い夢を持って遠いところに行き、全国を目指して頑張っていたので、その夢も希望も全部絶たれた」

2年前から続いた“無断運転”

死亡した生徒の両親
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なぜ学校のグラウンドで生徒が車を運転していたのか。そして、寮で暮らす生徒たちはなぜ、点呼を受けた後の深夜に外出できたのか。両親は、学校側や運転・同乗した生徒とその保護者らに対し、車両や寮の管理に不備があったなどとして、約1億3600万円の損害賠償を求めて提訴しました。

牧野裕貴弁護士
「リスクアプローチによる安全管理体制が、この学校は全く取られていなかった。非常に問題だと考えております」

事故をめぐっては、運転していた生徒が過失運転致死傷の疑いで書類送検されました。また、車を管理していた男子サッカー部の監督とコーチも鍵の管理を怠ったとして、業務上過失致死傷の疑いで書類送検されています。

整備用の車両
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全国レベルの運動部を多く抱える埼玉栄高校。校舎から離れた部活動が使用する総合グラウンドでは、各部が整備用の車両を管理していました。男子サッカー部管理の車両のドアは無施錠で、鍵も車内に置かれたままでした。そのことを生徒たちは知っていました。

学校側が設置した第三者委員会の報告書によると、無断運転が最初に確認されたのは事故の約2年前。部活動後にサッカーをしていた男子野球部員が、グラウンド整備の手間を省こうと車に乗ったのが始まりとされています。その後、無断運転は男子野球部内で広がり、2023年にはサッカー部にも。目的もグラウンド整備から変わっていきました。

調査報告書
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調査報告書
「2023年8月、野球部員5人は1人を車の上に乗せ、本件車両を運転した。運転することになった理由は『その場の流れ』であり、グラウンド整備を目的としていなかった」

この時に同乗していた生徒の1人が、この翌年に寮の仲間に無断運転を広め、事故当日、亡くなった生徒を誘った人物でした。

1カ月前にも横転事故

死亡事故の約1カ月前、その人物や亡くなった生徒ら4人は、同じ車で蛇行運転を繰り返しました。4人が車を走らせたのはサッカー部のグラウンドではなく、隣接する陸上部のトラック。やがて車は横転したとみられ、エンジンがかからなくなりました。

牧野裕貴弁護士
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牧野裕貴弁護士
「1カ月前に横転事故が起きていて、本来ならそこで学校側が気付いて、管理をしっかりしていれば今回の事故は起きなかったが、特に何かしら対応を取ることもなく、今回の事故が起きてしまった」

そして事故当日。4人は午後9時過ぎの点呼を受けた後、午後11時ごろに寮を抜け出しました。

両親「学校なぜ気づいてくれず」

少なくとも2年にわたって続いた無断運転。関わった生徒は延べ70人以上とされています。学校側は、事故が起きるまでその事実を把握していなかったのか。事故直後の会見で。

学校法人佐藤栄学園 田中淳子理事長
「誠に痛恨の極みであります。いくら悔やんでも悔やみきれません。申し訳ありませんでした」

生徒への聞き取りがまだできていないとしていましたが、その後、第三者委員会には。

男子サッカー部の監督(調査報告書から)
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男子サッカー部の監督(調査報告書から)
「よもや生徒が無断で運転する事態は想像していなかった」

牧野裕貴弁護士
「多くの職員は『知らなかった』と弁解している。知らなかったこと自体が問題」

亡くなった生徒の父親
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亡くなった生徒の父親
「なぜ子どもがこんなことになってしまったのか。学校は何の説明もなく、学校の管理体制、寮の管理体制、車の管理体制、なぜもっと早く気付いてくれなかったのか。僕はその真実を知りたい」

埼玉栄高校側はテレビ朝日の取材に対し「訴状が届いたら内容を精査して適切に対応したい」としています。

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