
カリスマ経営者として知られる永守重信氏の下で日本を代表する巨大企業へと成長したモーター大手のニデック。業績への強いプレッシャーのなか、現場で起きていたのは800件も超える品質の不正でした。
【画像】ホームページに掲載されていた文言「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」
“永守イズム”で巨大企業に
ニデック 永守重信社長(当時)
「強いとこに勝ってこそ勝ちやないか。君ら若いねんから。なんか文句あっか?(笑)文句があったらいつでも言ってこいよ。何なら殴り合いしても勝つから(笑)」
今から16年前、社員に向かって訓示していたのは、日本を代表するモーター製造会社「ニデック」を創業した永守重信氏です。
会社のホームページには…「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」。強烈な“成果主義”と、徹底した“コスト削減”。
その経営手腕は「永守イズム」と称され、28歳で設立した「日本電産」、現在の「ニデック」を、一代で世界的な巨大企業に成長させました。
ところが…。
850件の不正など認定
ニデック 岸田光哉社長
「心より深くおわび申し上げます」
4日、外部の専門家による調査報告書が公表され、顧客の承認を得ずに設計を変更したり、検査データを改ざんしたりする不正などが850件あったと認定されました。
ニデックを巡っては去年、会計処理の不正が発覚。最終利益で累計1607億円の水増しが行われていました。
その社内調査の過程で、1000件を超える品質不正の疑いが判明し、今年5月から調査委員会が調べていました。
調査委員会 伊丹俊彦委員長
「会計不正問題に続き、品質保証の領域において、この規模の不適切行為が明らかになったことは、“極めて重大である”と認識しております」
組織内“報告した者負け”
京都市に本社を置く「ニデック」。主力製品のモーターは、自動車や家電、パソコンなど、私たちの身の回りにあふれています。
ニデック創業者 永守重信氏
「1973年にゼロから企業をつくってきて、この会社を10兆円企業にしたい」(2020年)
“カリスマ経営者”として、株主からサインを求められる場面も。
永守氏が力を入れていたスケート部では、多くのメダリストを輩出しています。
一方で、生産現場では、高い業績目標を達成するため、法令などの順守や品質保証が“二の次”とされていたことが明らかになりました。
品質不正を巡る報告書
「仕方がない」
「この程度であれば問題ない」
不正の代表例は、顧客に無断で部品を再利用するというものです。こうした行為が、上位組織へ報告されることもありませんでした。
品質不正を巡る報告書
「報告が『言った者負け』と受け止められていた」
報告書では、創業者の永守氏をはじめとする経営層の直接的な関与は確認されませんでしたが、現場へのプレッシャーが、顧客対応や品質問題の改善に必要な時間や人員、設備を制約したと指摘しました。
岸田社長
「(Q.上層部の責任ではないか)大変重く受け止め、風土・制度・プロセスを改革したい」
去年12月に代表を辞任した永守氏。その後、名誉会長も退き、表舞台から身を引いています。
岸田社長
「(Q.永守氏が説明責任を果たしていないのでは)経営の最高責任者は私なので、会社で起きていることのあらゆる説明責任を果たすべきは私という認識で、このように運営している」
(2026年9月5日放送分より)
この記事の画像一覧
