
鹿児島県・奄美地方で線状降水帯が発生しました。命に危険が及ぶ災害発生の危険度が急激に高まっています。
そして週明けは、関東でも警報級の大雨となる恐れがあります。(9月5日OA「サタデーステーション」)
奄美地方で線状降水帯発生
午後7時半ごろの鹿児島県沖永良部島。激しい雨の中、車が水しぶきを上げながら走っていきます。歩道とみられる場所にも水が溢れ続けています。気象庁は午後7時58分、鹿児島県奄美地方に線状降水帯が発生したと発表しました。与論島でも、激しい雨音と共に大粒の雨が。空も雷によって明るく光ります。動画の撮影者は…。
与論島の飲食店で働く女性
「6時くらいから、ばっーと強い雨が降りつづけて。この雨がずっと続くと土砂崩れとかが起きて心配になってくるな」
与論町では、この1時間で47.0ミリの雨を観測。今年1番の激しい雨となりました。5日午後8時現在、レベル4の土砂災害危険警報や大雨危険警報が6つの自治体に発表されています。
台風&秋雨前線 河川敷が冠水
5日も九州南部に雨をもたらした“迷走台風”と秋雨前線。
報告・駒見直音アナウンサー(宮崎・日南市 午前11時ごろ)
「先ほどまでやんでいた雨が突然降り出してきました。大粒ですね、バチバチと音を立てて降ってきています」
4日、降り続く大雨で土砂流出や冠水などの被害が相次いだ宮崎県。宮崎市内を流れる大淀川が増水し、河川敷にある駐車場が冠水しました。翌日、その現場に行ってみると…。
報告・駒見直音アナウンサー(宮崎市・大淀川 午前7時すぎ)
「きのうは大雨によって放置されている車両ですね。きのうはタイヤが水に浸かっていましたが、きょうはコンクリートがあらわになっていますね」
こうした影響は、一夜明けても。
報告・小山颯ディレクター(宮崎駅 正午ごろ)
「こちらでは大雨の影響に伴って複数の路線で終日運転見合わせとなっています」
福岡からの観光客
「乗ろうとしていたバスが運休になってしまって、時間をかなり前倒して」
さらに、5日から予定されていたアイドルグループ日向坂46の野外ライブの中止も決定しています。
青森県から車で駆け付けたというファンは。
青森県から 日向坂46のファン
「ショックでしたね。ちょうど(移動中の)広島あたりで中止の発表を受けて」
集客に期待を寄せていたホテルでは、2日間の予約がほぼ満室だったものの6割ほどがキャンセルになったといいます。
マンゴーホテル日南 坂本さん
「やむを得ないと思っているが、私たちとしては、台風が無ければ来ていただきたかった。楽しんでいただきたかったのが本音です」
屋久島に一時「レベル5土砂災害特別警報」
降り始めからの積算雨量は九州南部の多くの地点で、すでに300.0ミリを超え、 1番多い屋久島では600.0ミリに迫っています。※5日午後6時まで
5日、大雨のなか屋久島で取材していた記者の視線の先にあったのは…濁流と橋に引っかかる大きな流木です。
市街地を流れる宮之浦川の水位は4日から増加していました。 水は遊歩道に押し寄せ、今にも氾濫しそうな水位に。
川沿いに自宅がある住民
「今までにないくらい水位上がったんですよ、あまりないような経験でした」
種子島・屋久島地方は、4日から5日にかけ、線状降水帯が相次いで発生。屋久島町では、24時間雨量が490.5ミリとなり、観測史上1位を記録しました。 初めてレベル5土砂災害特別警報も発表され、町内の複数か所で道路やのり面の一部が崩れているといいます。※5日午前11時30分に土砂災害危険警報に切り替え
一部地域では、断水や水道水の濁りも発生しました。
居酒屋さっちゃん 峯苫さん
「この台風が終わらない限りは、(濁った水が)復旧するのかなというのはありますよね」
今後、台風24号は南西諸島周辺に居座った後、本州方面に進むとみられています。
高まるリスク 災害対策の最前線
そして、長い雨によって高まるのは、事故や災害のリスクです。サタデーステーションは、その対策に追われる最前線を取材しました。同行したのは、宮崎県内を走る国道のパトロール。小雨の中、路面に異変が起きていないか確認していきます。
始まったのは、道路にはみ出した枝の伐採作業です。雨の重みで垂れ下がった枝が車の走行の妨げになり、事故につながるおそれがあるといいます。さらに、道路の冠水を未然に防ぐため、排水溝をふさぐ枯れ葉を取り除いていきます。そして、雨の日に特に警戒しているというのが…。
報告・内田吾郎ディレクター(宮崎県内 4日)
「こちら道路の真ん中に4つほど穴が開いています」
雨水がアスファルトの中に入って劣化し、30センチほどの穴ができていました。
パトロールスタッフ
「(Q.穴にはどんなリスクがあるか)タイヤがパンクしたり、破損の原因になります」
この日、片道約40キロの道を往復し、7か所の問題に対応しました。
こうした大雨による問題に24時間体制で目を光らせているのが、河川国道事務所の防災室です。
国交省 延岡河川国道事務所 道路管理課 下岡課長
「管内に設置しているカメラですね。これまで冠水する箇所というのは、大体目星はついています」
映像から異変をいち早く捉え、通行止めなどの迅速な措置に繋げます。さらに、警戒を強めるのは河川の氾濫です。
国交省 延岡河川国道事務所 流域治水課 齋藤課長
「水位の状況と、あとは雨の予測。そういったものをいろんな情報を集めて今後起こるかもしれない災害を想定しながら」
70台ほどのカメラで河川の状況を監視し、この先の水位を予測するといいます。
国交省 延岡河川国道事務所 流域治水課 齋藤課長
「水位の情報などを地元の自治体さんの方にお伝えして避難指示を出すので参考にしてもらう」
渇水一転 “降りすぎる雨”に懸念
一方、これまで渇水に見舞われていた場所にとっては、“恵みの雨”です。それは、高知県が生産量トップを誇る生姜にも。
坂田信夫商店 栽培担当 清藤和之さん(高知・香南市 4日)
「こういう風に葉っぱが焼けてしまうとか、葉っぱが巻き込まれて出てこないのが、水分が足りていない症状になっています」
梅雨明け以降の少雨で生育不良に陥っていました。“恵みの雨”に安心する一方、懸念も。
坂田信夫商店 栽培担当 清藤和之さん
「集中的に降られると、排水が間に合わなくてここに水が全部浸かってしまうと、品質低下とか病気がやっぱり来たりして」
過去の豪雨では、畑が水に浸かる苦い経験もしています。
坂田信夫商店 栽培担当 清藤和之さん
「(過去の雨では)すぐに生姜がダメになった畑もいくつかあります。4日ぐらいのシトシト雨くらいが本当に1番最適ですね」
「どこまで浸水被害減らせるか…」千葉の高齢者施設 募る不安
各地に被害をもたらしている雨は、最近豪雨被害が相次いでいる関東でも降り続きました。首都高では、車が勢いよく水しぶきをあげながら走行。
報告・富樫知之ディレクター(千葉・館山市 午前0時半すぎ)
「館山駅前です。雨が降り続いています。足元の水たまりも少しずつ大きくなっています」
千葉県内では、一部が冠水した道路も見られました。
報告・兵藤雅恵ディレクター(千葉・君津市 午前6時すぎ)
「雨が一段と強くなってきました。道路の脇は水がどんどんたまってきています」
週明けには関東でさらに強まり、災害級の雨となる可能性が高まっています。先月、豪雨による浸水被害にあった人たちは。
浸水した店の店長(千葉市 5日)
「今日のお昼に土のうステーションに行って土のうをかき集めてきました。やらないよりはましかなと思って」
介護付き有料老人ホームでも。
アビタシオン京成千葉中央・中尾美隆施設長(千葉市 5日)
「ちょうど水の高さがこのあたりですかね。1階部分が全てこの高さ近くまできましたので、もうほとんどのものが水に浸かった状態です」
これは先月13日の防犯カメラの映像です。受付の前を水に浮いたバケツが漂い、スタッフが排水作業に追われている様子がわかります。この影響でエレベーターが2基とも停止。うち1基は今月3日にようやく復旧したばかりだといいます。
アビタシオン京成千葉中央・中尾美隆施設長(千葉市 5日)
「(Q復旧したばかりでまた大雨)やっぱりそこは不安なところがありますし、使えないと入居者の移動も大変になりますので」
こちらでも新たに土のうを用意したそうですが、大雨が想定を超えてくる可能性もあり、不安はつきません。
アビタシオン京成千葉中央・中尾美隆施設長(千葉市 5日)
「これでどこまで(浸水を)防げるか…更なる対策も考えていきたい」
浸水被害は“トラウマ” 止水板設置に助成金も
豪雨被害が続いたことで、対策も強化されています。
去年9月浸水被害にあった住民(東京・品川区 5日)
「パチンと押して、これで完了です」
こちらの住宅は去年、地面より一段低い位置にある玄関が豪雨で浸水。浸水被害を防ぐため今年7月、止水板を設置しました。
去年9月浸水被害にあった住民(東京・品川区 5日)
「今年、助成金があるってわかって、(事業者に)「いますぐ工事してください」って連絡した」
品川区などの自治体では、止水板の設置にかかる費用の一部を助成しています。
去年浸水被害にあった住民(東京・品川区 5日)
「ここのところ毎日(雨が)いつ降るかわからないので…こういうの(止水板)があることで安心感を得られる」
こうした影響もあって、止水板を取り扱う会社には関東や九州などを中心に問い合わせが殺到しているといいます。
止水板を取り扱う会社
「被害にあったお客様からの連絡が多くあるので、すぐに対応して欲しいというお声が多い状態。去年から今年は圧倒的にご連絡を頂いています」
