「恐怖感じた」たった30cmが命脅かす 浸水・冠水被害検証 車のスライドドアも

「恐怖感じた」たった30cmが命脅かす 浸水・冠水被害検証 車のスライドドアも
この記事の写真をみる(9枚)

 先月、大規模な冠水が起きた千葉県大網白里市では排水が追い付いておらず、再び冠水の被害に見舞われています。たった30センチでも命を脅かすほどの危険があるといいます。一体どういうことなのか取材しました。

【画像】地下駐車場に水が入り込んだ際の映像の一部

たった30センチの冠水「恐怖」

地下駐車場に水が入り込んだ際の映像
拡大する

 大雨により、至る所で発生する冠水。その時、注意が必要なのは「地下からの避難」です。

 これは地下駐車場に水が入り込んだ際の映像。階段の段差が見えないほど、激しく水が流れています。

 撮影者はこの時、30センチほどの水位の中、階段を歩いて避難したといいます。

撮影者
「上っていく時のほうが、水の抵抗は感じた。恐怖しかない」

検証(1)地下の階段避難

 実際に地下からの避難は、どれほど困難なのでしょうか。

階段に水を流して体験することができる施設
拡大する

京都大学 防災研究所 川池健司教授
「水が流れている階段を上って避難するのがどのくらい大変なのか。この階段に水を流して体験することができる施設」

 地上で30センチ浸水した際、地下ではどのように水が流れるのかを再現しました。

足を上げた時に、足が取られそうに
拡大する

 足を動かしただけで、バランスを崩しそうになりました。階段がどこにあるのかも分からない状況です。水の高さは、足首ぐらいまできています。足が上がりません。足を上げた時に、足が取られそうになります。

川池教授
「地下にいて大量の水が一気に入ってくると、短時間のうちに水深が上昇してきますので、いち早い対応が必要になってくる」

検証(2)ドアの開閉

 またこの時、「ドアの開閉も困難」となります。

水深30センチでは…
拡大する

 両手を入れて、下半身の力も入れて、ようやくドアが開きましたが、最初はかなり力が要りました。これで水深30センチです。

およそ100キロ分の力が加わっているという
拡大する

 さらに水深が50センチになると、先ほどの30センチの時の力ではドアは開きません。

 水深が50センチの場合、およそ100キロ分の力が加わっているといいます。

 誰かにドアを押さえ付けられているようで、まったく微動だにしない、そんな固さになってしまっていました。

検証(3)車からの避難

 これほどの水深になると起こり得るのが「車の水没」です。

 7日朝も千葉県ではタイヤが隠れるほどの水深となり、車が取り残されていました。

肩を使って開けた
拡大する

 実際に、同じような水深で「ドアを開くことはできるのか」を検証してみると…。肩を使って開けられるぐらいで、普段通りでは開きません。

 運転席は、成人男性でようやく開けることができます。

後部座席は全く開かない
拡大する

 しかし、後部座席では全く開きません。この隙間では到底脱出することはできません。全く力が加わってないように感じますが、それでもドアは開きません。

 なぜ、後部座席ではドアを開けることができなかったのでしょうか?

スライド式ドアの構造上…
拡大する

川池教授
「スライド式ドアの構造上、ドア全体をいったん外に押し出してからスライドさせるという構造になっています。しかし、ドアの下の部分だけ水圧がかかっていますので、ドア全体を平行に外に押し出すということだから難しい」
「水深が浅ければ浅いほど対応がしやすい。助かる可能性が高くなるので、早めに対応することが必要」

(2026年9月7日放送分より)

この記事の画像一覧
外部リンク
この記事の写真をみる(9枚)
このまま画像を見る
続きは広告を見た後にご覧いただけます
クリックして広告を見る