
停滞する秋雨前線などの影響で8日から9日にかけ、東海地方で線状降水帯が発生する恐れがあります。そして先月、豪雨に見舞われた千葉県では7日まで続いた大雨が追い打ちをかけ、生活の再建を阻んでいます。
【画像】終わらぬ作業…敷地を埋め尽くすように置かれた被災車両
東北で車水没 死者も
関東から東北の広範囲に及んだ記録的大雨。
水が滝のように流れ出ていて道路が冠水しています。福島県いわき市では9月の観測史上最大の激しい雨に。
前日には水たまりもなかったアンダーパスには、滝のように水が流れ込み、瞬く間に冠水。
2台の車が水につかり、60代女性が取り残され死亡しました。
車から逃げることが出来たもう1台の運転手は親族に緊迫の瞬間を語っていました。
脱出した人の親族
「(浸水後)ドア開けて出ようとしてもなかなか開けられなくて、2回目も危ないと思ったんで本気で力を入れたらドアが開いてそこで慌てて出た。初めての経験。死ぬんじゃないかとか」
千葉豪雨で大規模な冠水があった地域でも再び被害が。
千葉豪雨でも被害
ネギ農家
「復興しなきゃ、なんとか頑張っていかなきゃと一生懸命やってきたんですけども、精神的なダメージが一番大きい」
被災地に追い打ち
フロントガラスを激しく打ち付ける水しぶき。7日夜も、千葉県茂原市などにレベル4土砂災害危険警報が一時発表されました。(現在は解除)
千葉豪雨からまもなく1カ月。まだ爪痕の残る町に、容赦ない雨が降り続きました。
大きな被害を受けた大網白里市では道路が再び冠水。
ドライバー
「通れない?また?またか、まいったな」
コンビニの駐車場には車が止められていて、もうタイヤが見えないくらい水没してしまっています。
コンビニも先月の豪雨で浸水し、7日、再び浸水。営業を再開してわずか1週間でした。
隣のラーメン店も、先月の千葉豪雨の時にも被害を受けたということです。今回、駐車場を見ても広い範囲で冠水してしまっています。
入り口にブルーシートや水のうを置いて浸水を防いでいました。
ラーメンみたけ
池田隆宏店長
「店内までは入ってない。ギリギリ、もう間もなく時間の問題だと思う」
先月の千葉豪雨で店内が浸水。厨房(ちゅうぼう)の機材のほとんどが使えなくなりました。
「(Q.先月、ここはどういう状態)ここは湖ですね。あっちの田んぼは全然見えないですし、見渡す限り湖です、泥ですけど」
「この厨房の排気ファンは、当時は地面にあった。また水没すると嫌なのでちょっと高さを上げて」
先月、水が達した高さよりも上に機材を設置するなど水害への備えを徹底しました。
従業員が一丸となってようやく5日に営業再開。
「ホッとしました。また日常に戻れてホッとしたというのが一番。水没しないでくれと」
しかし再開からわずか2日。7日、店の駐車場は再び冠水しました。
「前回浸水して3週間かけて復旧させたんですけど、またこんなになって。先のことは考えられない。ショックでしかない」
「被害4000万円」
農作物にも再び被害が。
フタバロジック
桑田健二代表
「普段は水、一切ない。ネギが植えてあるので青々としている状況」
一面水につかってしまった、大網白里市のネギ畑。ところどころにネギの葉先がわずかに見えるだけです。
「水にすごい弱い作物なんですよ。そのあたり全然葉先が出てないじゃないですか」
「(Q.出てないですね)奥はもうすべて枯れちゃったような状況になります」
桑田さんは先月の豪雨でも別のエリアに植えたばかりの15万本のネギが浸水被害に。
水につかったことで根がダメージを受けるなどして、出荷できるのは3割ほどという状況に。今回の大雨では…。
「(Q.どれくらい残ったんですか)残ったのは1割程度ですね」
わずかに残った1割も水害の症状が出て枯れてしまう可能性があり、生き残るかどうかは一週間ほど経たないと分からない状態。被害金額は4000万円ほどになるといいます。
「正直『え、また?』って感じですよね。前回の豪雨で集中豪雨ってこんなに大変なのか、それでも復興しなきゃ、なんとか頑張っていかなきゃって一生懸命やってきたんですけど。やっぱり精神的なダメージが一番大きいですよね」
高齢者施設復旧ままならず
四街道市のこちらの介護施設も豪雨被害からの復旧がままならない現場の1つです。
7日は介護施設の入居者たちが車いすのまま外に出て集団で移動している姿がありました。
介護老人保健施設 のぞみ
永野慎一さん
「(Q.何をされていた)お風呂が今使えないので、(隣にある)こちらのデイサービスの方の風呂が被害が少なく復旧も早かったので、そちらを使っていただいて」
介護施設の入浴設備が先月の豪雨で故障したままのため、隣にある施設の風呂を臨時で使わざるをえない状況が続いていました。
介護老人保健施設 のぞみ
高坂忍さん
「もうダメかなっていうのは本当に思いました。(復旧には)総額約2億5000万円から3億円近くの金額がかかるのではないか」
先月の豪雨では近くの用水路が氾濫し、入浴設備がある1階はおよそ90センチの高さまで浸水。入居者の住居は2階だったため、人的被害はありませんでしたが…。
「2階から上で(リハビリを)実施していまして、機械を使ったりとか用具を使ったりするリハビリが今できてない状況です」
1階にはリハビリスペースもありますが、今も復旧できていません。
そうした中、追い打ちをかけるように襲った今回の大雨。介護施設自体にさらなる被害はありませんでしたが、臨時の入浴先である隣の施設に影響が。
永野さん
「(きのうの)朝は水が入ってきています。水のうとかやってたんですけどね、なかなか」
窓から雨水が入り、床が水浸しになりました。
高坂さん
「レーダーを見ながら、雨の状況を確認していくというところが続いているので、毎回こういった形で神経を研ぎ澄まして対応していくとなると、自然的な部分なので難しいですけれども、本当にこりごりと言えばこりごり」
被災車両続々…対応続く
午後になり、千葉県内で一段と雨が強まる中、市原市のリサイクル会社ではフォークリフトを使って車を運ぶ作業員の姿がありました。
敷地を埋め尽くすように置かれた大量の車両。その数、およそ400台。実はすべて先月の豪雨で水没し、走行できなくなった車両です。
NGP 南関東支部
金子治樹理事
「(作業が)追いつかないですね。終わらない、先が見えないです」
千葉県内で少なくとも2700台の車両が路上に放置された問題は、1カ月が経とうとする今も対応が続いていました。
処分が決まった車両は別の場所に運び込み解体して、部品をリサイクルするといいます。しかし…。
「 (保険会社と)話がついていない車両は置きっぱなし。(敷地が)広いと思ったんですけどね、足りないですね」
処分の方法について、保険会社との手続きが済んでいない車も多く、行く先のない車両が敷地にたまっていくといいます。
今回の大雨も作業の妨げになっていました。
「これだけ大雨だと(作業が)ちょっとやりづらいですよね。(雨でも作業を)やらないと、どんどん先延ばしになっちゃうので」
雨で作業効率が低下する一方、敷地内を埋め尽くす勢いで車両は運び込まれ続けています。
取材中にも車両が運ばれてきます。これも先月の大雨で浸水した車だということです。
次々と運び込まれる車両。新たな不安が頭をよぎるといいます。
「大体いつも水害が起きるのは10月。8月ということはほぼない。また10月くらいに大きな台風とかが来て、このような形(災害)になる可能性があるかもしれない。できればそういうふうにならないように願いたい」
豪雨経験で避難のはずが…
車のトラブルは7日も相次ぎました。
JAFのロードサービスを担当するスタッフのもとには雨にまつわるSOSが届きます。
JAF千葉支部 ロードサービス隊
廣江雄大さん
「ぬかるみにはまってしまって脱出できない」
千葉市の現場に急行すると、公園の真ん中に身動きが取れなくなった1台の車両。地面には何度も切り返したとみられるタイヤの跡があります。
依頼者の男性によると、先月の豪雨の際に自宅マンションの駐車場が冠水し、車内まで水びたしに。
今回は雨が急激に強くなり始めた6日夜、近くの公園に車を避難していたといいます。7日朝、車両を動かそうとしましたが、ぬかるみにはまって動けなくなり、JAFを呼ぶことになりました。
ワイヤで引っ張り20分ほどで脱出。依頼者が運転し公園から出ることができました。
四街道市の現場でも、身動きが取れなくなった車両がありました。
依頼者
「あまり通らない道で、ちょっと迷子になってしまったのでUターンしようとして、前輪がやってしまったという感じ」
細い道でUターンするため、横の空き地に入ったところ、ぬかるんだ地面にタイヤがはまってしまいました。
狭い道幅と近くにある電柱のため作業は難航。1時間半近くかけて車は道路に引き上げられました
「ありがとうございました。長かったですね、大変だったと思います。ご迷惑おかけしました」
豪雨被災地に追い打ちをかけるような大雨。その原因となった秋雨前線は停滞し、列島の広範囲に影響をもたらし続ける見通しです。
(2026年9月8日放送分より)
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