
富士山は10日に閉山しました。5合目の登山道の入り口には駆け込みで登山に訪れる人も多く見られましたが、その中には軽装で山に登ろうとして係員に止められる人もいました。
【画像】富士宮口5合目駐車場で土砂崩れ発生…埋まった車3台 9日午前0時ごろ
軽装登山者に安全指導も
富士山登山口の5合目は、今年入山できる最後の日ということで多くの人でにぎわっていました。
10日午前10時、閉山日を迎えた富士山5合目の吉田口。シーズン最後に富士山に登ろうと、多くの人が見られました。
アメリカからの登山客
「知り合いから『今シーズン、富士山に登れる最後の日だよ』と聞いて、行くしかないってなったよ。人生は一度きりだからね」
登山道の入り口ゲートを通過するには、雨具・防寒着・登山に適した靴の3点装備が必須です。
しかし、中にはこんな人もいました。
指導員
「このパンツは防水ではありません。防水のものを買う必要があります」
装備が不十分なため、指導員から購入を促される登山者。さらに…。
中国からの登山客
「彼女(指導員)に言われたんだ。防寒着や登山靴がないと、登山することはできないと…」
スニーカーにハーフパンツ、パーカ姿の男性。なぜ富士登山にこれほどの軽装で現れたのでしょうか。
中国からの登山客
「そんなに標高は高くないじゃないか。四川省や青海省の標高5000メートルの山と比べると高くないよね」
指導員
「本当に危ないので、よく調べてから、ちゃんとした服装をして、来年また来てくださいと話しました」
入山を拒否された中国人男性は引き返していきました。
5合目ゲートでは、配置された県の職員が安全指導を実施。去年から軽装登山者に対してゲートの通過を拒否できるようになりました。
規制強化も遭難者大幅増加
ところが、山梨県警と静岡県警によると、今シーズンの富士山の遭難者数は去年のおよそ1.7倍に増えています。
なぜ規制を強化しているのに遭難者が減らないのでしょうか。
登山シーズンに富士山頂に住み込み情報を発信している写真家の植田めぐみさんによると…。
「今年7月8月と天気が良かったこともあって、比較的登りやすい年でもあったので、登山初心者の方も多く登られたのかなと。そのため、救助要請が多く出た」
シーズン始めは天候も良く、今シーズンの富士山の登山者数は、速報値で昨シーズンからおよそ2万人増の22万4823人でした。
一方、植田さんは、ここ最近は悪天候による遭難者が増えているといいます。
「山小屋を予約したからといって、どうしてもその日に登らなくちゃいけないだとか、もうこの日しかないと決めつけて登ってしまう方もよく見かけましたので。途中で天候が悪い、危険だって感じた時点で、引き返す選択をするというのも頭に置いて登山してほしい」
猛烈な風 悪天候の登山
10日の富士山頂。猛烈な風が吹き荒れ、正午の気温は6.6℃でした。
富士山9合目 万年雪山荘 渡辺和将代表
「ほとんど登っている方はいなかったですよ。たまに登ってくる方が目についた場合は注意喚起して」
さらに、9日は…。
富士あざみ 橋都彰夫会長
「夜中から風が強くなってきて、雨もそれなりに降った。ずっと降り続くわけでないが、一瞬ドーっと強くなって弱くなる」
8日、富士山南西部には一時レベル4土砂災害危険警報が発表されていました。
そんな中、静岡県によると、9日午前0時ごろ、富士宮口5合目の駐車場で土砂崩れが発生。車3台が埋まりました。
車に人は乗っておらず、けが人はいませんでした。
富士山で遭難男性2人死亡
さらにこの日、富士山の山頂付近で50代の男性1人、静岡県側の新七合目付近でタイ国籍の60代男性1人が倒れているのを登山客が発見しました。
強い風が吹き、視界も数メートルほどしかない新7合目。この映像を撮影した人は、遭難した60代の男性を見たと話します。
「(午前)7時ごろに山小屋に男性1人が駆け込んできて、『人が倒れています』それが第一報。だいぶ前から倒れられているのかなと。大の字までいかないが、ちょっと脚が開いて、手も横に開いた状態で50~60代に見えるかなと。靴が壊れていたので、だいぶ滑ったのかなと」
2人はその後、山岳遭難救助隊によってブルドーザーで5合目まで運ばれました。意識不明の状態で、その後死亡が確認されました。
橋都会長
「30人ぐらいは入山してしまった。入り口のスタッフたちが止めるにもかかわらず、登ってしまう」
「一般的には、色々な装備をしっかりしてる人もいる。(登山用ではない)ビニールガッパの人も」
閉山で駆け込み登山者も
閉山日となった10日、登山道入り口のゲート付近では、小雨が降る中、山頂を目指す登山者の姿がありました。
さらに登っていくと、ツアーの団体客が来ました。
6合目も深い霧に包まれますが 多くの外国人たちでにぎわいます。
中には「水はない」と、持参している飲み物は1.5リットルのコーラのみの、中国からの登山客もいました。
10日に多く見かけたのが、「疲れた」と慣れない登山に疲労困憊(こんぱい)の人々です。
富士山初登山の人
「もう投げ出したいです、しんどくて。登る前は『余裕』と思っていたが、調子に乗りました」
「(Q.大丈夫ですか?)しんどいです。おなか痛いです」
途中で引き返す人もいました。
「天候も悪いし、無理がないように。最悪、山小屋をキャンセルして帰ってこようかなと」
富士山で増える軽装登山者
10日午後2時、山梨県の吉田口では、登山道のゲートが閉じられ閉山となりました。
山梨県 富士山観光振興グループ 三枝徹さん
「(吉田口の登山者は)17万5177人。昨年全体の数字との比較になるが、117%ということで17%増という状況」
今年、吉田口でゲートの通過を許可した登山者は17万5177人。(10日午後2時の速報値)うち32%は外国人です。(先月までの速報値)
レンジャーなどの指導員が軽装登山者を指導した件数は1471人で、前の年に比べ3割ほど増えました。(9日までの速報値)このうち80%以上が外国人でした。(不明含む)
指導内容は防寒着167人、靴62人、雨具1444人と悪天候への備え不足が最も目立ちました。
(2026年9月11日放送分より)
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