アメリカでホームレス問題が深刻化 施設で毎週“寝泊まり”する市長が話題

アメリカでホームレス問題が深刻化 施設で毎週“寝泊まり”する市長が話題
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 アメリカで、ホームレス問題が深刻化する中、ある市長が写っている1枚の写真が話題となっている。

【画像】愛犬と一緒に過ごせるシェルター

全米のホームレス数 過去最多

 ここは、ホームレス・シェルター。多くの宿泊者とともに、ベッドに横たわる男性。その正体は、コロラド州オーロラ市のマイク・コフマン市長(71)。なぜ、ホームレス施設で寝ているのか。

 今、アメリカでは、ホームレス問題が深刻さを増している。

薬物依存のホームレス
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 体を折り曲げ、ユラユラ揺れる人。薬物依存のホームレスだ。

トランプ大統領
「首都は、薬物依存者や犯罪者、ホームレスに乗っ取られている。このような事態は、容認できない」

 危機感を募らせるトランプ大統領は去年7月、ホームレスを路上から排除し、施設に移すよう、各州や都市に求める大統領令に署名した。

 全米のホームレスの数はおととし、約77万人と過去最多に。前年に比べ18%増え、特に18歳未満では33%も増加した。

過去最多のホームレス数
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住宅都市開発省
「全米で深刻化する手ごろな住宅の不足、物価上昇に加え、中低所得世帯の賃金低迷などで、ホームレス支援システムは限界に達している」

 コロラド州でも、ホームレス問題は悪化の一途をたどるばかり。その数は1万4000人を超え、2020年からの4年間で9割近く急増した。

なぜ宿泊?

コロラド州オーロラ市
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 コロラド州オーロラ市。去年11月、ホームレス・シェルターが設立された。ここを訪れる人々は、さまざまな事情を抱えている。

 こちらの元利用者は、看護師として30年以上働いていたが、その後、ホームレスになった。

シェルターの元利用者
「虐待から逃れようとしたら、解雇されました。そのため家賃が支払えなくなったのです」

 シェルターでは、こうした人々が再び社会生活に戻れるよう、さまざまな支援プログラムを実施している。

 その施設で、なぜ市長が寝ているのか?

マイク・コフマン市長
「私は毎週金曜日の夜、ここを訪れ、簡易ベッドでホームレスの皆さんと一緒に寝ています。土曜日には、朝食の準備を手伝い、皆に提供しています」

2月から休みなく続けている
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 コフマン市長は毎週金曜日、仕事を終えるとこのシェルターを訪れ、利用者らと会話。そして、ともに簡易ベッドで一夜を過ごす。この取り組みは2月から休みなく続けられている。

「経済的困窮者が誤った判断で家を失うケースもあります。重度の依存症や精神疾患に苦しみ、家族に影響を及ぼすため同居が難しいと判断された人。高齢のため働くことが困難な人もいます」

 なぜ視察ではなく、宿泊なのか。

なぜ宿泊?
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「彼らと一緒に過ごし、経験することで『金曜から土曜には、市長はここにいる』ということを知ってもらうことが重要だと考えています」

シェルターが目指す支援

 利用者は愛犬と過ごすこともできる。敷居の低さがこのシェルターの特徴の一つだ。

愛犬と一緒に過ごせる
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シェルターの元利用者
「家を失った人たちが、犬と一緒に過ごせるのは、大事なことです。友達を作るのが苦手でも、動物とはつながることができるのです」

 この女性は13年間教師をしていたが、ホームレスとなった。

「安いアパートに住んでいましたが、フルタイムで働いても、食べ物が買えるか危うい時期がありました」

 施設内には255の部屋があるが、利用するには条件がある。

コフマン市長
「フルタイムで働き、かつプログラムの運営費として、収入の3分の1を収める人でなければ部屋は提供されません」

 シェルターが目指すのは、ホームレスの自立を促す支援だ。

 71歳の市長にこんな質問をした。

海兵隊に所属したが…
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「(Q.毎週泊まるのはつらくない?)21年前、私は海兵隊に所属しイラクで任務に就き、同じような簡易ベッドで寝ていました。当時は大丈夫でしたが、今はこたえます。キツいですね」

 そんなコフマン市長の取り組みに、市民は…。

SNS上のコメント
「これが真のリーダーシップだ」
「政界にこんなリーダーが増えてほしい」

 その一方で。

「パフォーマンスなのでは」

コフマン市長
「そう言われることを意識的に避けていました。たった一度だけだったり、公表した後で始めれば、パフォーマンスと言われても仕方ありませんが」

トランプ氏への思いは?

 ホームレスの人々との交流を通して、市長が警戒感を強めていることがある。薬物依存のホームレスの増加だ。

シェルターの元利用者
「薬物のせいで、私はすべてを失いました」

コフマン市長
「ホームレス増加の最大の原因は薬物乱用。とりわけフェンタニルです」

薬物依存のホームレスの増加の背景に
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 安価で中毒性が高く、史上最悪の麻薬と呼ばれる「フェンタニル」。メキシコから出荷されたものが犯罪組織によって、アメリカ国内へ持ち込まれているとの指摘も。

 このフェンタニルの流入を防ぐことが、ホームレスを減らす有効な対策だと市長は言う。

 では、ホームレスに対して厳しい姿勢で臨むトランプ大統領の政策について、同じ共和党に属するコフマン市長はどう思っているのか。

“住居ファースト”政策
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 トランプ大統領のホームレス政策。それは、ホームレスの人を街から強制的に排除し、ケア施設に移すというもの。

コフマン市長
「大統領の目標は“住居ファースト”的な政策から“治療ファースト”へ移行することです」

 “住居ファースト”とは、住まいの問題さえ解決すれば、ホームレスが自発的に行動を変える効果を期待できるというもの。

メンタルケアや依存症の克服を最も重視
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 一方“治療ファースト”は、メンタルケアや依存症の克服を最も重視する。市長はこの政策を支持している。そのうえで…。

「ホームレス支援のプログラムにはまだ改善の余地があります。それが、私の望む形になり、市や州、そしてホームレス問題を抱える多くの国にとっても模範となると考えています」

 その日が来るまで、コフマン市長の取り組みは続いていく。

(2026年9月11日放送分より)

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